連載
#10 「見た目問題」どう向き合う?
変形した顔、悩んだ男性 小学生に伝えた「大切な時間」と「支え」
人とは違う見た目のため、好奇の目にさらされ、学校や就職、結婚で差別にあう「見た目問題」。上映中の映画「ワンダー 君は太陽」では、遺伝子の疾患で顔が変形した10歳の少年オギーが、見た目に悩む姿が描かれています。この映画を鑑賞した江原小学校(東京都中野区)の6年生68人が6月下旬、特別授業で、オギーと同じ疾患を持つ大学院生、石田祐貴さん(25)と交流しました。
石田さんが登場すると、子どもたちの視線が石田さんに集まりました。みんな真剣なまなざしです。特別授業が始まりました。
石田さん
石田さん
質疑応答の時間には、「はいっ」と多くの子たちが手を挙げました。
児童
石田さん
児童
石田さん
児童
石田さん
子どもたちは誰一人寝ることもなく、石田さんの話に耳を傾け続けました。
児童
石田さん
児童
石田さん
児童
石田さん
映画では、「親切にすること」の大切さが繰り返し訴えられます。子どもたちからも、こんな質問が出ました。
児童
石田さん
授業の終わりに、石田さんが給食を一緒に食べることが発表されると、大きな歓声が上がりました。はじめは緊張していた子どもたちもすっかり打ち解け、記念撮影では、石田さんを中心に笑顔が広がりました。
石田さんと児童に感想を聞きました。
石田さん
野村弦希さん(11)
映画では、オギーの親友が、オギーと知り合い、「顔には慣れることを学んだ」と回想する場面があります。
記者が石田さんと初めてお会いしたのは1年ほど前。正直に言えば、石田さんの顔を見て、違和感を覚えました。ただ、30分も話をしていると、違和感は薄まり、石田さんの話の内容を聴きとることに集中していました。
そう、顔には慣れます。
この記事を読んでいただいた中には、トリーチャーコリンズ症候群を初めて知ったという方も多いと思います。この記事を機に、石田さんの顔に慣れてください。そうすることで、街中で、見た目問題の当事者を見た時にも、「あっ、見たことあるな」と思えるようになり、当事者に向ける視線が違ってくると思います。
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