話題
子どもの夢をまじめに上場!株式市場「キッズ」の事業が可愛すぎる
「優しいロボ、悪いロボと両方つくるんでしゅ」……2~6歳の子どもたちが考えた、架空の株式会社を応援する「株式市場」のウェブサイトが開設されました。大人の株式市場が「マザーズ」ならば、その名も「キッズ」といいます。
話題
「優しいロボ、悪いロボと両方つくるんでしゅ」……2~6歳の子どもたちが考えた、架空の株式会社を応援する「株式市場」のウェブサイトが開設されました。大人の株式市場が「マザーズ」ならば、その名も「キッズ」といいます。
「優しいロボ、悪いロボと両方つくるんでしゅ」……2~6歳の子どもたちが考えた、架空の株式会社を応援する「株式市場」のウェブサイトが開設されました。大人の株式市場が「マザーズ」ならば、その名も「キッズ」。金銭は発生せず、株価代わりの「ドリーム」は、応援ツイートと子どもの「気分」で変化します。「投機目的だけではない株の側面」を表現したかったという、作り手の思いを聞きました。
「キッズ」には現在、2~6歳の3人の子どもが考えた3つの株式会社が上場しており、それぞれ事業内容や資本金、株主優待などの情報や、株価グラフのようなものも紹介されています。
目を引くのはその内容。子どもならではの、奇想天外な会社情報がずらりと並んでいます。
たとえば、3歳の男の子が考えた株式会社「B&すぺし」の事業内容は、「いろいろなロボットをちゅくる」。資本金は「ごーいー ごりんなな円」、所在地は「ごーりんのしゃえのしょこ 」・・・・・・存在しない数字や、存在するかどうかもわからない場所です。
株主優待については、「なし(※聞いてはいけない質問)」。
「一体どういうこと?」と思い、同サイトで公開されている、子ども「社長」へのインタビュー動画を見て納得しました。
それまで「○○でしゅ」と答えていた男の子が、「会社を応援してくれた人へのお礼はなくていいですか?」という質問に「いぇ~い~いぇいぇ」と言いながら、お絵かきに夢中になってしまいます。思わずインタビュアーが「ちょっと聞いちゃいけない質問でしたかね」と苦笑い。これぞ自由。子どもの無邪気な姿に心をくすぐられます。
こんな風に、子どもたちにインタビューして作られた架空の株式会社は他にも、遊び・ゲーム・生き物の研究をする「株式会社ドラゴンホースペガサス」や、事業内容が「ピンクのお仕事」(!)の「株式会社いちご」があります。ちなみに「いちご」の株主優待は「飴」です。かわいい!
Twitter上では「将来が楽しみ」「かわいすぎる」「応援せざるを得ない」という声が寄せられています。
株式投資と言えば、配当をもらったり、株価の値上がりで差益を得たり、という目的の印象が強いです。
「キッズ」を制作するにあたって、佐藤さんが表現したかったのは「投機目的だけではない株の側面」といいます。
「自分の好きな会社を応援する気持ちで、長く株を持ち続けるという人もいる、という話を聞いて、瞬発的じゃない価値に目を向けたいと考えました。それと僕の続けている子どもにまつわるコンテンツの、『長い目で子どもの夢や成長を見守る』という要素と重なる部分があるのかなと思いました」
そこで生まれたのが、子どもの夢を株式会社にたとえて、投資(ツイート)で応援しようというコンセプトです。
「キッズ」では、株価の代わりに「ドリーム(DRM)」という単位が変動します。サイトにはこのドリームグラフも設置。佐藤さんによると、会社名のハッシュタグがついたツイートの数でドリームは上昇しますが、子どもの「気分」によって下落することもあるそうです。
「夢はモチベーションが保てないとなかなか実現しませんし、成長するにつれ将来の夢が変わることもありますよね。風邪を引いたり、違うものに興味を持ったりすると、ドリームは下落します」
なるほど、「大人の」株が世相に影響されるように、子どもの夢も見えないものに影響を受けているのですね。
どうやって「気分」を調べているのですか、と尋ねると、「たまに聞いて、手動で更新しています」とのこと。なんと、株式会社いちごの2歳児の「社長」は、すでに会社のことを忘れかけているそうです。
3つの会社を眺めると、年齢によって言葉の濃度が異なるのがわかります。3歳児「社長」の会社の資本金は「ごーいー ごりんなな円」ですが、6歳児「社長」の場合は「50万8749円」です。
これまで「息子シリーズ」で子どもの成長を記録してきた佐藤さんは、「存在しない数字や単語も、そのままの形で残す」ということを大切にしています。
「微妙な言葉の発達や、幼いときの発想力は、写真には残らない成長だと思います。子どもの成長って、大きくなったときに感じるもので、育ってしまうと、こういう発想ってもうできないんです」
「『将来の夢』ってたとえば卒業文集で書くこともあるかもしれませんが、今回みたいな形で子どもに取材したり、動画も撮影したりもして、具体的に残せると面白いですよね」
今回上場した子ども社長たちが、成長したときに「キッズ」を見たらどんな表情をするのでしょうか。驚いたり、恥ずかしがったり、もしかしたら夢に近づいていたり……。
集まっている応援ツイートについて、子どもたちは喜んでいるといいます。「本当に夢が叶ってくれたらいいなっていう反応があるとうれしいですね」と佐藤さん。
制作を依頼したWEB企画の水野代表は「夢を応援したり、エールを送ったりすることが、本来大人がやるべき子どもへの投資なのだと思います。子どもたちが大人になった時に、子どもの夢を応援できる大人になってもらえたら」と話します。
1/21枚