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連載

#10 #withyou ~きみとともに~

「死ぬな、にげろ」ツイート後に起きたこと…牧師が語る「#withyou」

ツイッターで呼びかけた谷本仰さん。教会の前にも「死ぬな、にげろ」と書いたメッセージを掲示している=北九州市小倉北区弁天町
ツイッターで呼びかけた谷本仰さん。教会の前にも「死ぬな、にげろ」と書いたメッセージを掲示している=北九州市小倉北区弁天町 出典: 朝日新聞デジタル

目次

 5月も後半になりました。ゴールデンウイーク後、クラスになじめない…学校に行きたくない…と思っている人もいるのではないでしょうか?「居場所」がないと悩む人は少なくありません。昨年8月、「死ぬな、にげろ」というツイートが話題になりました。投稿者は北九州市の牧師・谷本仰さん(@aogoomuzik)です。実際に教会に逃げてきた子もいました。谷本さんがツイートに込めた思いとは?
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全部読まなくてもいいです、これだけ覚えておいて

【谷本仰さんのメッセージ】
・死ぬな、にげろ
・この世界にも居場所はある
近しい人に「しんどい」と伝えて
南小倉バプテスト教会の掲示板
南小倉バプテスト教会の掲示板 出典: 谷本仰さん提供

「逃げていいと言う大人が必要」

 谷本さんは元ホームレスの方と小中学校、高校、大学をまわり、経験談や「生きてさえすれば未来はある」のメッセージを伝える「生笑一座」という活動をしています。

 一度、家を失った大人が語る「生きて」の言葉を聞いた子どもから「実は死んでしまいたいことがありました」と告白されることもあったといいます。

 そんな谷本さんは昨年、夏休み前後に自殺する子どもが多いことを知りツイートを思い立ちます。

 「居場所がこの世界にもあるということを伝えたかった」

 そして「死ぬな、にげろ」とツイートしました。

 このツイートは2万近くリツイートされました。実際、9月1日には、教会に2人の若者が来てくれました。

 ピアノを弾いたりおかしを食べたり、ゆっくり過ごして帰っていったそうです。

 谷本さんは「ツイートを見た人たちが本当に来てくれるかどうかではなく、逃げていいと言う大人がいることも伝えたかった」と話します。

「死ぬくらいだったら、教会で時間をつぶして帰ったらいい」。教会で自分たちにできることをしようと考え、近所の子どもに呼びかける感覚でツイートしたところ、予想外の反響だった。
死ぬな、逃げろ 牧師が子供たちにツイート:朝日新聞デジタル

死にたい今を、どう乗り切るか

 谷本さんは、ツイートに込めた思いを、次のように語ります。

 「『死にたい』と思う今を、どう乗り切るかだと思います。死にたいほどつらいことがあっても、後から振り返ると『あの時、死ななくてよかった』と思うのではないでしょうか。大事なのは、その思いを受け止める人がいるかどうかだと思います」

 「その『受け止める場所』の一つが教会であってもいいんじゃないか、と思うのです」

南小倉バプテスト教会内の様子
南小倉バプテスト教会内の様子 出典: 谷本仰さん提供

 谷本さんは「受け止める場所」作りについても取り組んでいます。

 「『死にたい』と本当に思ったときに、知らない場所に来る人はいないんじゃないかと私は思います。普段から知っているところに行くのかなと」

 そのため、谷本さんの教会では、水曜日に地域の人が教会に集まり、一緒にご飯を食べる「水曜ご飯」を続けています。

 食卓を囲む前の1時間は子どもたちの学習支援。その流れで夕食を一緒に食べるという取り組みです。

 「他にも、教会に大人が集まってお酒を飲むこともあります。教会は居場所であり、逃げ場であり、相談する場でありたい」

だまされたつもりで生き延びて

 とはいえ、逃げこめる場が近くにないという子もいるはず。

 谷本さんは「しんどい子は、近しい人に『しんどい』とメッセージを送ってほしい」と呼びかけます。

 その上で「大人も『死ぬな』と発信し続けてほしい。少し長く生きている分のことしか話せないけど、そう言ってくれる大人にだまされた気になって、生き延びてほしい」と訴えています。

ツイッターで呼びかけた谷本仰さん。教会の前にも「死ぬな、にげろ」と書いたメッセージを掲示している=北九州市小倉北区弁天町
ツイッターで呼びかけた谷本仰さん。教会の前にも「死ぬな、にげろ」と書いたメッセージを掲示している=北九州市小倉北区弁天町 出典:朝日新聞デジタル

 withnewsは4月から、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou」を始めました。日本の若い人たちに届いてほしいと、「#きみとともに」もつけて発信していきます。以下のツイートボタンで、みなさんの生きづらさも聞かせてください。

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行政なども、複数の相談窓口を設けています

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト
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