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「死ぬな、にげろ」ツイート後に起きたこと…牧師が語る「#withyou」
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死ぬな、にげろ。9/1が近づく。1年で18歳以下のこどもたちが最も多く自死する日。とりあえず逃げろ、南小倉バプテスト教会へ。朝からクーラーつけてます。飲み物も用意しておきます。誰でも、おいで。待ってるよ。南小倉バプテスト教会:小倉北区弁天町11-19、093-571-5072。
— 谷本仰 (@aogoomuzik) 2017年8月25日
谷本さんは元ホームレスの方と小中学校、高校、大学をまわり、経験談や「生きてさえすれば未来はある」のメッセージを伝える「生笑一座」という活動をしています。
一度、家を失った大人が語る「生きて」の言葉を聞いた子どもから「実は死んでしまいたいことがありました」と告白されることもあったといいます。
そんな谷本さんは昨年、夏休み前後に自殺する子どもが多いことを知りツイートを思い立ちます。
「居場所がこの世界にもあるということを伝えたかった」
そして「死ぬな、にげろ」とツイートしました。
このツイートは2万近くリツイートされました。実際、9月1日には、教会に2人の若者が来てくれました。
ピアノを弾いたりおかしを食べたり、ゆっくり過ごして帰っていったそうです。
谷本さんは「ツイートを見た人たちが本当に来てくれるかどうかではなく、逃げていいと言う大人がいることも伝えたかった」と話します。
谷本さんは、ツイートに込めた思いを、次のように語ります。
「『死にたい』と思う今を、どう乗り切るかだと思います。死にたいほどつらいことがあっても、後から振り返ると『あの時、死ななくてよかった』と思うのではないでしょうか。大事なのは、その思いを受け止める人がいるかどうかだと思います」
「その『受け止める場所』の一つが教会であってもいいんじゃないか、と思うのです」
谷本さんは「受け止める場所」作りについても取り組んでいます。
「『死にたい』と本当に思ったときに、知らない場所に来る人はいないんじゃないかと私は思います。普段から知っているところに行くのかなと」
そのため、谷本さんの教会では、水曜日に地域の人が教会に集まり、一緒にご飯を食べる「水曜ご飯」を続けています。
食卓を囲む前の1時間は子どもたちの学習支援。その流れで夕食を一緒に食べるという取り組みです。
「他にも、教会に大人が集まってお酒を飲むこともあります。教会は居場所であり、逃げ場であり、相談する場でありたい」
とはいえ、逃げこめる場が近くにないという子もいるはず。
谷本さんは「しんどい子は、近しい人に『しんどい』とメッセージを送ってほしい」と呼びかけます。
その上で「大人も『死ぬな』と発信し続けてほしい。少し長く生きている分のことしか話せないけど、そう言ってくれる大人にだまされた気になって、生き延びてほしい」と訴えています。
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