「保育園落ちた」。そんなネットの書き込みが話題になってから2年。子どもを保育園に預けたくても預けられない「待機児童」の問題は、相変わらず深刻です。人気のエリアで起きていることとは? そしてダメだった時に取れる手は? 「保活」を超解説します。(朝日新聞文化くらし報道部記者・中井なつみ)
半数が落ちる人気エリア
今年も入園選考の時期を迎えました。全ての園に落ちた親たちも少なくありません。
人気なのは、住んでいる自治体などに申し込む「認可保育園」です。保育士の配置や施設の広さなどが、国の基準を満たして安心できる。国などの補助金が入って保育料が安い場合が多い。それが理由です。
特に都市部では人気が集中し、入園が難しくなっています。昨年春の実績を調べてみたら、東京都の目黒区や渋谷区では、申し込んだ人の半数ほどが落ちる「狭き門」でした。

体への負担も少なくない
預けられる保育園がないと、親たちは職場復帰が難しくなります。
そこで、子どもを産む前から認可保育園を見学して回ったり、認可外の保育園に予約金を払って席を確保したりする親たちもいます。
産前産後の体への負担も少なくありません。
先日、選考結果が発表された目黒区役所では、結果を一刻も早く知ろうと、赤ちゃんを抱いたお母さんたちが次々と詰めかけました。
子育て支援施設で知り合ったという3人はいずれもフルタイムの共働き。選考に落ち、「どうすれば入れるのか教えてほしい」と、途方に暮れていました。

落ちた「その後」どんな手が?
まず2次募集です。
認可保育園の2次募集を市区町村役場の窓口に申し込みます。住んでいる市区町村以外も視野に入れます。
同時に認可外施設を探します。
市区町村の補助が入った認可外施設には、東京都認証保育所や横浜保育室などがあります。
企業型保育所もあります。
企業型保育所は従業員優先が大半ですが、地元住民向けの枠を設けているところもあります。
それ以外にも、認可外施設で通年で募集しているところがあれば、問い合わせて申し込みをしてみます。
それでもだめだった場合は?
月や年単位で定期利用できる施設もあります。
次の年度以降も保活が必要になりますが、役所の窓口で一覧がもらえるところがあります。各園に問い合わせみましょう。
それでもだめだったら……。
時間帯で利用できる一時預かりの施設を探しましょう。役所の窓口に一覧がないか確認できます。
ベビーシッターという手も考えられます。
東京都は夏以降、月28万円を上限にシッター費を補助する制度を始めます。
全部だめだったら……。
育休延長を会社と交渉しましょう。昨年秋の法改正で、預け先が決まらない場合、最大2年取得可能になりました。会社側に難色を示されても、めげないことが大事です。