話題
ポルターガイスト? 自動で定位置に戻るスリッパ、なぜか日産が企画
日産自動車が先日発表した「未来型旅館」が注目を集めています。
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日産自動車が先日発表した「未来型旅館」が注目を集めています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
日産自動車が先日発表した「未来型旅館」が注目を集めています。スイッチひとつで玄関先のスリッパが客を迎える位置に整列したり、客室の座布団やテーブル、リモコンなどが自ら定位置に移動したり。なぜ、自動車メーカーの日産が企画したのか? 担当者に話を聞きました。
今月3日にツイッター投稿された動画。そこには、バラバラになっていたスリッパが自動できれいに整列する様子が映っています。
この動画に対して、「来客が帰った後とか助かる」「技術の無駄遣いをしているような感じがして微笑ましい」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万4千、いいねは5万7千を超えています。
写っていたのは、2月初旬に日産グローバル本社ギャラリー(横浜市西区)でデモ展示されていたスリッパのようです。
このスリッパ、日産が先月公開した動画「ProPILOT Park RYOKAN」にも登場します。
箱根の老舗旅館「一の湯本館」の協力を得て撮影したもので、スイッチひとつで玄関先のスリッパが客を迎える位置に整列したり、客室の座布団やテーブル、リモコンなどが自ら定位置に移動したり、といった様子が映っています。
スリッパや座布団が自動で動く仕組みは、こうです。
まずは玄関、宿泊室などの天井に設置されたカメラが、スリッパや座布団などの位置を把握。リアルタイム画像処理技術とソナー情報を組み合わせて、それぞれが進行すべき正しい位置を指定します。
その指定に基づいて、自走機能を持つスリッパ、座布団、テーブル、リモコンなどが空いているスペースへと自ら「駐車」を開始するのです。
なぜ日産が未来型旅館の動画を公開したのか?
どうやら、昨年10月に発売した新型「日産リーフ」に搭載している自動駐車技術「プロパイロットパーキング」の魅力を伝えるための試みのようです。
企画の経緯について、日産の広報担当者に話を聞きました。
――スリッパや座布団にこのような仕組みを導入した狙いは
日産自動車の最新の車両搭載技術が日々の生活に加わったらどうなるか? その具体的な例をきっかけに、日産の技術の魅力をより多くの方に感じていただきたいと考えました。
――過去には、手をたたくと本来あるべき位置へ戻る椅子なども発表していますね
今回の未来型旅館「ProPILOT Park RYOKAN」は第3弾です。新型「日産リーフ」に搭載している、スイッチ操作で駐車を自動アシストする機能「プロパイロットパーキング」から着想を得ています。
第1弾は2016年の2月に公開した、元の場所に自動で戻る椅子「INTELLIGENT PARKING CHAIR」です。駐車の際に自動でハンドルを操作し、ドライバーをサポートする自社の車両搭載技術「インテリジェントパーキングアシスト」から着想しました。
第2弾は2016年9月に公開した、椅子自らが動くことで行列のストレスを解消する「ProPILOT CHAIR」。高速道路などの自動車専用道路の同一車線において、先行車両との車間距離を一定に保つよう制御することに加え、車線中央を走行するようにステアリング操作を支援する自動運転技術「プロパイロット」から着想しました。
――今回のスリッパで工夫した点は
スリッパという小さい形状のものに部品を埋め込む設計に苦労しました。車輪が付いていますが、履くと中に押し込まれるため、スリッパとしても使用できるようになっています。
――商品化の予定は
ありません
――ツイッターで話題になったことについては
簡単な操作で煩わしい駐車から解放してくれる自動駐車技術を、クルマに関心のない人も含めて知っていただけるきっかけになり、非常に光栄です。遠い未来の話ではなく、現実に今ある自動運転技術や自動駐車技術をみなさまに体験していただき、その利便性や安全性などを知っていただきたいです。