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売り上げ20億円、阪急うめだ「チョコ博覧会」とは? 人気の秘訣探る
1カ月足らずで20億円を売り上げるバレンタインフェアがあります。
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1カ月足らずで20億円を売り上げるバレンタインフェアがあります。
【ネットの話題、ファクトチェック】
1店舗だけで20億円を売り上げるバレンタインフェアがあります。阪急うめだ本店で24日から開催される「チョコレート博覧会」です。正月明けに無料配布が始まったチョコカタログは216ページもあり、早くもツイッター上で話題になっています。どんなイベントなのか? 担当者に聞きました。
今月5日にツイッター投稿された画像。そこには阪急うめだ本店で24日から開催される「バレンタインチョコレート博覧会2018」のカタログが写っています。
厚さはなんと216ページ。販売予定のチョコや売り場の紹介などが書かれており、その情報量はまるで書籍のようです。
この投稿に対して、「毎年これをゲットするために早めに行ってます」「どんどんコミケ要素が増えていく」といったコメントが寄せられ、リツイート・いいねともに1万を超えています。
今年のチョコレート博覧会は1月24日から2月14日まで開催。9階のフロア全てを使い、5つの会場をパビリオンに見立てて様々な角度からチョコレートの楽しみ方や新しい価値を提案するといいます。
国内外300ブランド以上の約3000種類という圧倒的な品揃えだけでなく、チョコレートソムリエによるセミナーや、インスタ映えするフォトスポットなど、チョコを楽しむ仕掛けも設けるそうです。
1カ月足らずで20億円を売り上げるイベントとは、どんなものなのか? 阪急うめだ本店のフード商品統括部のバイヤー・高見さゆりさんに話を聞きました。
――バレンタインチョコレート博覧会はいつごろスタートしたイベントなのでしょうか
バレンタインチョコレートマーケットとしては古くからありましたが、阪急うめだ本店が2012年11月にグランドオープンした翌年の2013年から9階で開催し、年々規模を拡大。今年は、9階全フロアを使います。
――国内最大級の規模とのことですが
1月24日から2月14日までの期間、阪急うめだ本店の9階全フロア(1000坪以上)がすべてチョコレート売り場になります。
――品揃えや売り場など、他店とは違う点は
女性が楽しむイベントというだけでなく、小さなお子様、年配の方、男性にも楽しんでいただけるよう、単純に国内外の有名ブランドチョコを充実させるだけではなく、9階フロアすべてを使える強みを活かして、「もっと広がるチョコレートの楽しみ方」をテーマに、様々な角度から楽しむ仕掛けを作っています。
期間中に連日開催するカカオやチョコレートについて学ぶことができるセミナーは、阪急らしい仕掛けだと思います。また、会場が多いからとブランドを詰め込むのではなく、お客様にゆっくりお買い物を楽しんでいただけるように通路幅を広くとったり、イートインスペースをしっかりとったりすることで、お客様の滞在時間が長いことが他店にはないことだと思います。
――今年のイベントの特徴は
先述の「楽しみ方」として新しく2つを提案します。
(1)【お酒チョコ】
お酒を使ったチョコを初めて集積し、一つの売り場を作り上げました。今まで、液体のウイスキーの入ったウイスキーボンボンなどは義理チョコとしての需要が多かったのですが、このジャンルのチョコレートに興味がなかった女性にも楽しんでいただきたいという思いがあり、女性が自分のために買いたくなるような、梅酒を使ったトリュフや、9年連続金賞を受賞した日本酒を使ったガナッシュなど、蔵元やワイナリーとコラボした新商品を開発しました。
(2)【チョコのワンダーランド】
商品で楽しんでいただくのはもちろん、空間を楽しんでいただく会場を作りました。外にはバルーンのゲートをくぐり、カーペットを進むとチョコのメリーゴーランドがお出迎え。いるだけでワクワク楽しい気分になれる、まるでチョコレートのサーカスのような空間を作りました。こちらで販売する商品は動物モチーフや、キャラクターもののチョコレートを集め、インスタ映えも意識して、会場内にはチョコをテーマにしたかわいいカフェを特設し、フォトスポットも設置しました。
――毎年売り上げを更新し、2017年度は約20億円を記録したとありますが本当でしょうか
その通りです。会場で楽しめるスイーツも含め、阪急うめだ本店1店舗での売り上げです。
――支持される秘訣はどこにあると考えていますか
何度でも通いたくなる仕掛けだと思います。一度来ただけでは全種類を食べきれないソフトクリームやスイーツ、ついついカゴを持って買いたくなる選ぶ楽しみのある集積売り場や、一人で・友達と・子どもと・家族と・といった具合に一緒に訪れる相手によって色んな楽しみ方ができる会場など、来るだけでワクワク・ドキドキできる環境だと思います。
――ガイドブックはまだ配布されているのでしょうか
なくなり次第終了です。今のペースで配布していると、おそらく1月20日くらいには配布終了予定です。
――ガイドブックが過去最も厚い216ページもあるというのは本当でしょうか
216ページで過去最高です! それでも、まだまだ伝えたいことがあるので、カカオワールドだけを更に特集した『カカオワールドジャーナル』という20ページもある新聞もあります。
――なぜここまでコストをかけてガイドブックを制作するのでしょうか
ただチョコレートを買うだけのバレンタインではないことを演出する大切なツールとして、ガイドブックには大きな役割があるからです。
2年前までは、9階の会場がスタートする1週間前くらいからカタログの配布を始めていましたが、会場にご来店いただくお客様の様子を見ていると、カタログにポストイットをいっぱい貼って熟読してからご来店いただいている方、その場でカタログを手にしても中を見ることなくカバンにすぐ入れてお買い物をされる方、カタログがあってもちょっと見て持ち帰られない方など、さまざまな使われ方がありました。
年々、会場が広がってきたこともあり、楽しみにしてくださっているお客様に、旅行に行く前にガイドブックなどで現地のことを調べてから行くように、どの会場に何があるのかなど調べてからご来店いただきたいという思いから、昨年より「バレンタインカタログ」という表現から「バレンタインガイドブック」という表現に変えました。
配布方法も、昨年からは1冊ずつ、ひとりひとりのお客様に「よろしくお願いします」という思いを込め、手渡しさせていただいております。そうすることで、会期が始まる前から、お客様に楽しんでいただくことができます。ガイドブックで見ていた世界観を、会場に来られた際に体感していただける環境作りも大切にしています。
――ガイドブックに掲載されている内容は
掲載されているブランドは、他の百貨店のカタログにも掲載されているブランドが半数以上占めていると思いますが、編集の切り口によって読みもの要素を多く入れ、読み込んでほしいページを作り、ガイドブックでワクワク・ドキドキしていただけるように編集しています。
特にカカオワールドの特集ページでは、「教科書」といわれるほどマニアックな情報が満載です。会場で楽しめるスイーツの特集ページは毎年ご好評いただいております。ホームページでも、同じ内容がデジタルパンフレット化されたものをご覧いただけます。
――来場予定の人たちに向けてメッセージを
阪急うめだ阪急の9階は全てがチョコ!チョコ!!チョコ!!!です。会場を見忘れたと言うことがないように、会場MAPを片手に全会場を満喫してください。疲れたときにはゆっくり座って休憩していただける祝祭広場の大階段をはじめ、カフェスペースも多数あります。会場でお待ちしております!
――ツイッター上で早くも話題になっていることについては
会期がスタートする前から話題にしていただけていることは素直に嬉しいです。その分プレッシャーでもあります。皆さまの期待を裏切らないイベントにできるよう全力で頑張ります! 1年で一番チョコレートが注目されるバレンタイン。阪急うめだ本店のバレンタインは以下の3つの思いを込めています。
(1)チョコレートを通して、カカオ生産国の人たちの思いと消費者の皆さんの思いをつなぎたい
(2)チョコレートを通して、「ありがとう」の気持ちを伝えてほしい
(3)チョコレートを通して、みんながHAPPYになれますように
一人でも多くのお客様の心に何か届く、残るイベントになればと思います。
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