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親向け婚活イベント「本当の狙い」 お見合いより大事な「環境作り」
「親御さんのための代理お見合い会を開催します」。親同士がお見合い? 結婚相手なんて自分で探せばいいんじゃない? 26歳の独身女性としての関心もあり、3月上旬、岐阜市内で開かれた親同士のお見合い会に行ってみました。親を集めた上で主催者が強調したのは「本人の意思」。出会いの少ない地方の若者たち……。親たちがはまる「落とし穴」とは?(朝日新聞岐阜総局記者・吉川真布)
会場に集まった親たちは約50人の親たちは次々に子どもの身上書を見せ、紹介をし合います。
「子どもが自衛隊員だから職場に出会いがなくて」「親同士で話をしていれば結婚までスムーズに進むかも」。
最初は「親のエゴでは」と疑問を抱いていましたが、話を聞くと、どの親も子どものためを思って行動していることがわかります。
ただ、親世代の中には、子どもの婚活のために何をすればいいかわからなかったり、子どもの結婚への意思を考えず先走ってしまったりする人も。そこで岐阜県は、親向けに、最近の婚活事情を解説する婚活支援ハンドブックを作りたいそうです。
そこまでして県が婚活支援に力を入れるのは、少子化を食い止めるため。県によると、県内の平均初婚年齢(2015年)は男性が30.6歳、女性が28.7歳。30年前の1985年より男性が2.7歳、女性が3.8歳上がりました。
県子育て支援課の担当者は「子どもの結婚を不安に感じる親から結婚相談所への相談が増えたが、まずは現代の結婚事情を知ってほしい」と親の支援を始めた狙いを話します。
親向け婚活の狙い。それは最近の「結婚事情」について理解してもらうことだったのです。
県の担当者は「あくまで結婚したいか、したくないか、本人の意思が第一」。親のお見合い会の主催者も「代理婚活の前に、子どもの意思をよく確認して」と強調します。
結婚に積極的でない独身女性としては、そう言われるだけで、ちょっとほっとします。
婚活イベントがあふれ、仕事も家庭生活も充実させる女性が多い今。結婚しても、しなくても幸せはある。行政や親からの婚活の後押しには、そんな共通理解が大事なのかもしれません。
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