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エゴサーチで発見「同姓同名」の人、会いにいったら感動の結末に…
自分の名前を検索する「エゴサーチ(エゴサ)」。少なからず試したことがある人は多いだろう。先日、87人の田中宏和さんが集まり話題になった。早速、私も自分の名前「堀江孝治」を検索してみると……FacebookやEightが検索上位に表示されたが、下のほうになんと「堀江孝治美術館」なるものが出てきた。これは気になる。行くしかない。エゴサの翌日、切符を握りしめ駅のホームに立っていた。(朝日新聞メディアラボ・堀江孝治)
鈴木さんや佐藤さんなら同姓同名の人が多いかもしれないが、堀江はメジャーでもない名字のため、学年で同じ堀江さんがいた試しは無い。それがなんと美術館になっているではないか。
これは行くしかない!と思うも、まずは堀江孝治美術館の入念な事前調査を開始(ただのgoogle検索)。
しかし、出てくるのは住所と電話番号、周辺のグルメスポット情報のみで、群馬は高崎にあることは分かったが、営業時間や、どんな美術品が飾られているかの情報はいくら検索しても出てこなかった。
高崎までは東京から1時間半程度。栃木出身の私にとっては、まさに未開の地・群馬(グンマー)。湧き出た興味心はもはや抑えることはできず、エゴサの翌日、高崎への玄関口である上野駅へ。
特急で揺られること1時間弱。高崎駅に着き、そのまま観光案内の方に行き方を尋ねる。
とりあえずタクシー代はかからず済んだ。ここまでの旅費3000円弱。栃木県民として生まれた以上、永遠のライバルである群馬・茨城連合に対して、これ以上お金を費やすことはできない。
そのままバスで揺られること25分。高崎に着いてから雨模様だったが、最寄りの「綿貫入口」というバス停に着くと、虹が空にかかっていた。私は間違いなく、この地に歓迎されている。
バス停からてくてくと歩くとすぐ美術館を発見し、おそるおそるインターホンを押す。
誰も出ない。
ここまで来てムダ足、あの虹も実はかげろうだったのかと一瞬へこんだが、奥のほうに「ホリエアートピンポンハウス」という看板が出ているではないか。早速玄関を開け、受付の男性に聞いてみる。
ついに、息子さんに会えた。しかし喜ぶのはまだ早い。孝治さんはこちらにいるのだろうか。
ちなみに、私の読みは孝治(こうじ)だが、お父様の読みも「こうじ」で良かったのだろうか。
な、なんと。すでに亡くなっていたとは……。
しかし、そんな私に、息子さんはうれしいエピソードを教えてくれた。
「正式な名前は”たかはる”なんですけど、本人的には”こうじ”を気に入っていたので、みんなからそう呼ばせていましたよ」
読み方なんて気にしない、さすが堀江という名字で悪い人に会ったことはないが、孝治氏も心の広い人だったようだ。
その後美術館に入ると、有名な棟方志功が版画を制作するきっかけとなった川上澄生さんと親交が深かったこと、栃木県足利市で教師をしていたこと、卓球部の顧問であだなは“ピン吉先生”だったこと(県大会で10年連続優勝達成)など数々のエビソードを聞くことができた。
一期一会。今日ほどこの言葉が胸に響いた日はない。
最後に一つ宿題が。
職場に、山崎さくらという同僚がいるのだが、彼女は岐阜県に「山崎さくらケ丘西」バス停という、筆者以上にレアな同姓同名を持つ。
山崎さんには、今度、現地へ行って写メを撮ってきてもらおう。そして、これからも、エゴサの旅を「ベタ」から「マニアック」まで、職場の人に広めていきたいと思う。
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