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衆院の解散って…そもそも何? 1回600億円の「ビッグイベント」
安倍晋三首相は9月28日、衆院を解散します。総選挙は10月10日公示されます。22日投開票の結果、新しい衆院議員たちの顔ぶれが決まる予定です。そもそも国会で言う「解散」とは、何なのでしょうか。1度の解散で600億円以上かかるという、ある意味「ビッグイベント」。なぜ今、解散なのか? 解散の「大義」を巡って対立している理由とは? 衆院の解散について超解説します。(朝日新聞政治部デスク・林尚行)
衆院の解散が決まりました。アイドルグループの「解散」、修学旅行の後の「解散」。解散にも色々ありますが、衆院の解散は、憲法の規定に従って衆院議員たちが職を失うことを指します。
つまり、国民に選挙で選ばれた475人もの衆院議員を一気にクビにするのです。それを決めたのが、安倍首相です。
衆院議員は任期が4年と決められています。任期が来ることで解散することもありますが、今回は、衆院の任期まで、まだ1年以上ありました。
まだ四分の一以上の任期が残っている中で、安倍首相は解散を決断しました。解散を決める権限は首相だけが持っているもので、「伝家の宝刀」とも言われます。
そんな重大な決断である解散を決めるには、「大義」が必要だという議論があります。
今回、安倍首相は、解散の理由として消費税の使い道の変更をあげました。
2019年10月に予定する消費税率10%への引き上げで、借金の穴埋めにあてることになっている増収分を活用し、幼児教育の無償化や高等教育の負担軽減などを実現する考えを示しています。
しかし、先の国会で「森友学園」や「加計学園」をめぐる問題で追及された安倍首相。臨時国会の冒頭で解散に踏み切ることで、野党は「疑惑隠しだ」と批判を強めています。
そもそも総選挙には、公的な費用がかかります。2014年の総選挙では616億円かかりました。有権者は1人あたり約600円を負担した計算です。
なぜ今、何を問うために解散するのか。安倍首相には、丁寧に国民に説明することが求められています。