専門家「鳥の骨格、基本大差ない」
SNSなどネット上で、フクロウやペンギンの「足が意外と長いこと」が話題になることもある、と背景を説明したところ、西海先生は「僕からすると鳥の骨格は種類によって大して差はないので、そういった反応は不思議ですねえ」としみじみ。

ただし、生態によって「跗蹠(ふしょ)骨」と呼ばれる、人間でいうとかかとから足の甲にかけての部分の長さには違いが出てくるそうです。

足が短く見える理由は?


フクロウは夜行性で、暗闇の中でエサとなるねずみなどを襲うので、羽音が大きいと獲物に気付かれてしまいます。このため、フクロウの翼の先にはギザギザの構造があり、空気の抵抗を少なくして羽音がしないようになっています。この構造は新幹線のパンタグラフにも応用されているそうです。

ちなみに「ふしょ骨」が長いと歩幅が大きくなります。サギなど、歩くことが多い鳥は、効率よく移動できるように「ふしょ骨」が長くなっています。
フクロウ、昼夜でキャラ変
骨格では特に違いはありません。フクロウは首が短いですが、獲物を丸呑みするので、くちばしでついばむ動作が少ないために短くなったと思われます。
ただ首の骨の数も他の鳥より多い訳ではありません、というかだいたいの鳥はフクロウと同じくらい回ると思うんですけど…。
――え、そうなんですか?
フクロウの場合は首が短い上、じっとしていることが多いので、不思議に感じるのではないでしょうか。例えば首が長い鳥が回しても「よく曲がるな」くらいだと思いますし、首を曲げる前に体を移動させる鳥もいます。

フクロウは夜活動するので、目や耳がとても発達していますが、昼間はまぶしすぎて苦手のようです。そんな特性を知っているカラスや小鳥に攻撃されることもあります。つつかれたり、追い払われたり…このため動かず、目立たず、じっとしているのです。
小型のアオバズクはよく都内でもカラスに襲われて保護されていますね、私も保護したことがあります。
――なんだか、ちょっとかわいそうですね…
でも夜になると逆に強くなります。昼間はやられ放題なんですが、夜はカラスを食べることもあります。
――キャラ変わりすぎでは…
そうですね(笑)
