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2017年09月25日

フクロウとペンギン「足が長い」って本当? 羽毛の中にあったのは…

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コウテイペンギンの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と南極のコウテイペンギン(出典:朝日新聞)

コウテイペンギンの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と南極のコウテイペンギン(出典:朝日新聞)

 不思議だらけの生き物の世界。たびたびネット上でも話題になるのが、フクロウやペンギンの骨格です。ふっくらした体や羽に隠されていますが、実は「足が長い」という情報が集まっています。「骨だけ見た人が元の姿を想像できない」と言われる、「中身ギャップ」な鳥たちの不思議を探ってきました。


専門家「鳥の骨格、基本大差ない」

 話を伺ったのは、国立科学博物館の西海功先生。動物研究部、脊椎動物研究グループの研究主幹で、筑波研究施設にて鳥類の研究をされています。

 SNSなどネット上で、フクロウやペンギンの「足が意外と長いこと」が話題になることもある、と背景を説明したところ、西海先生は「僕からすると鳥の骨格は種類によって大して差はないので、そういった反応は不思議ですねえ」としみじみ。

国立科学博物館の西海功先生

国立科学博物館の西海功先生

出典: 撮影協力 国立科学博物館

 西海先生によると、飛ぶことが移動手段の中心になることが多い鳥にとって、足は着地のときのクッションの役割を担うそうです。重要なのは常に曲がっていることで、衝撃をやわらげるために、どの鳥でもある程度の長さがあるといいます。

 ただし、生態によって「跗蹠(ふしょ)骨」と呼ばれる、人間でいうとかかとから足の甲にかけての部分の長さには違いが出てくるそうです。

「アオバズク」という小型のフクロウの骨格。

「アオバズク」という小型のフクロウの骨格。

出典: 撮影協力 国立科学博物館

足が短く見える理由は?

 「ふしょ骨」を含む、かかとから下の部分が主に体から出ているため、鳥の「足」として認識されやすいといいます。西海先生は「ふしょ骨が短いと、『足が短い』と思われることがあるのでは」と分析します。

 ペンギンは、寒い地域に生息しているため、熱を逃がさないように体が丸い形に近付いてきました。その際に、末端は短い方が熱を逃がしにくいため、「ふしょ骨」が短くなったそうです。

コウテイペンギンの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と南極のコウテイペンギン(出典:朝日新聞)。ペンギンは「ふしょ骨」という足の甲部分の骨が短い

コウテイペンギンの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と南極のコウテイペンギン(出典:朝日新聞)。ペンギンは「ふしょ骨」という足の甲部分の骨が短い

 でもちょっと待ってください。先ほど着地のために、鳥には足がある程度の長さがあると伺いましたが、ペンギンは飛びません。「すねの部分や太ももなど、ここまで長い必要があるのかと聞かれると……微妙です」と西海先生。

アオバズクの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と木にとまるアオバズク(出典:朝日新聞)。

アオバズクの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と木にとまるアオバズク(出典:朝日新聞)。

 一方で、フクロウの「ふしょ骨」は特別短い訳ではないといいます。フクロウの場合は「体全体を長い羽根で覆っているため、見えている部分が短く感じるのでは」と推察します。

 フクロウは夜行性で、暗闇の中でエサとなるねずみなどを襲うので、羽音が大きいと獲物に気付かれてしまいます。このため、フクロウの翼の先にはギザギザの構造があり、空気の抵抗を少なくして羽音がしないようになっています。この構造は新幹線のパンタグラフにも応用されているそうです。

フクロウの羽根。先にギザギザの構造があります

フクロウの羽根。先にギザギザの構造があります

出典: 撮影協力 国立科学博物館

 また足や指にも羽根が生えているという念の入れよう。一方で体自体は、そこまで肉付きはよくなく細いです。

 ちなみに「ふしょ骨」が長いと歩幅が大きくなります。サギなど、歩くことが多い鳥は、効率よく移動できるように「ふしょ骨」が長くなっています。

フクロウ、昼夜でキャラ変

――フクロウと言えば、首がとても回ることでも有名です。骨格にも特徴があるのでしょうか?

 骨格では特に違いはありません。フクロウは首が短いですが、獲物を丸呑みするので、くちばしでついばむ動作が少ないために短くなったと思われます。

 ただ首の骨の数も他の鳥より多い訳ではありません、というかだいたいの鳥はフクロウと同じくらい回ると思うんですけど…。

――え、そうなんですか?

 フクロウの場合は首が短い上、じっとしていることが多いので、不思議に感じるのではないでしょうか。例えば首が長い鳥が回しても「よく曲がるな」くらいだと思いますし、首を曲げる前に体を移動させる鳥もいます。

フクロウの頭部の骨格。目が大きく発達しているため、眼球を覆う「強膜骨」と呼ばれる骨が筒状に進化した

フクロウの頭部の骨格。目が大きく発達しているため、眼球を覆う「強膜骨」と呼ばれる骨が筒状に進化した

出典: 撮影協力 国立科学博物館

――じっとしているというのは、理由があるのでしょうか?

 フクロウは夜活動するので、目や耳がとても発達していますが、昼間はまぶしすぎて苦手のようです。そんな特性を知っているカラスや小鳥に攻撃されることもあります。つつかれたり、追い払われたり…このため動かず、目立たず、じっとしているのです。

 小型のアオバズクはよく都内でもカラスに襲われて保護されていますね、私も保護したことがあります。

――なんだか、ちょっとかわいそうですね…

 でも夜になると逆に強くなります。昼間はやられ放題なんですが、夜はカラスを食べることもあります。

――キャラ変わりすぎでは…

 そうですね(笑)

フクロウの剥製

フクロウの剥製

出典: 撮影協力 国立科学博物館

 普段は見えないところにこそ、面白さがつまっていると思える「動物の骨格」。骨格だけだと大きな違いはないのに、これだけ多彩な個性を持つ鳥は奥が深いです。今後鳥を見つけたら、隠された「足」を想像してしまいそうです。

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コウテイペンギンの骨格(左、撮影協力 国立科学博物館)と南極のコウテイペンギン(出典:朝日新聞)
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