大の大人がこんなに叫ぶの…?
大の大人がこんなに叫ぶの…? 声がする施設の2階に向かっていくと、VRのブースがずらり。人気のVRの前には、前のめりの人々が順番を待っていました。

3人のパイロットはどこへ…
舞台は史上最強と謳われる第10使徒が襲来した第三新東京市。本来、エヴァに乗るはずの3人のパイロットはなぜか連絡が取れず、代わりに来場者が搭乗して使徒殲滅を目指すいう設定です。エヴァの零号機、初号機、弐号機に乗り込み、3人1組で体験します。

まず搭乗前にスタッフの方(おそらく特務機関NERVの方)から説明を受けます。「任務に失敗したら、人類が滅亡してしまう」という設定のもと、口調にも熱が入っています。シンジくんも綾波もアスカも一体どこへ…。



「LCL」が顔の高さまで来たときは、思わず息を止めました。様子を撮影した動画を見ると口が完全に開いていたのが間抜けでしたが、注入が完了すると格納庫の景色が広く見えるようになります、「ここが…NERV…!」。

ちなみにこのアクティビティ、必ずしも使徒に勝てる訳ではありません。体験した人の話によると、「フィールド上にランダムで現れるN2ミサイル(武器)をちゃんと確保して、かなりがっつり戦わないと勝てない」そうで、いよいよ不安になります。第三新東京市を見下ろしながらミサトさんから褒められるラッキーエンディングを勝手に妄想しながら、闘志を奮い立たせるのでした。

使徒…マジで戦いたくない
そして轟音と振動と共に地上へ! これが本当に怖いです。ものすごいスピードで、未だ見えない史上最強の使徒に向かっていくこの感覚…シンジくんが逃げたくなる気持ちもよくわかるし、なんやかんやでちゃんと戻ってきたシンジくんは偉い、お年玉めっちゃあげたい。


使徒を視界のセンターに入れてスイッチするも、「A.T.フィールド」が強すぎてまったく攻撃が効いているように思えません。ミサトさんから何か言われていましたが、恐怖のあまり叫びすぎて、あまり覚えていません。自分がビースト化するかと思いました。
……そして気がつくと活動限界になり、そこに待っていたのは敗北でした。
負けた場合に現れるエンディングがただただ恐ろしいのと、人類を救えなかった虚無感で、体験が終わった後もしばらく放心状態でした。
普通の遊園地は「受動的」、VRは自分が「主体」
確かに、エヴァンゲリオンのVRもシンジくんや綾波に「なる」のではなく、自分自身でエヴァを操縦します。なので、最初から強いなんてことはもちろんなく、最強といわれる第10使徒にことごとく負けます。
遊園地やテーマパークほどの敷地を必要としないのも、VRならでは。映画館「新宿ミラノ座」の跡地、新宿という都心にある同施設は、アクセスしやすいところも魅力です。
元同僚と遊びに来ていた会社員の女性は、「たまたま新宿で遊びに来ていて、ここの話をしていたら急きょ行くことになった。待機しながら見ていたときはそんなに叫ぶはずないと思ってたのに、すごかった」と興奮気味です。

友達の家のようでもある
もしも他のカートを見失ってしまっても、イヤホンから「大丈夫ですかー!」と声が聞こえてきます。視界はゲームの中そのものですが、友達の家でみんなでテレビゲームをやっている感覚に近いです。

「お化け屋敷のアクティビティもあるのですが、1人で体験するよりも、他の人の叫び声が聞こえることで更に怖くなって、没入感も増します。これまでさまざまなVRを開発したり、お客様の反応を見たりしてきた中で気付いた『発見』でした」。
「VR ZONE SHINJUKU」の開業に際して新しく開発した6種類のVRも、協力したり、競争したり、複数人で楽しめるコンテンツを採用したそうです。アーケードゲーム機などを手がけてきた同社ですが、「共感性」を重視することで、普段ゲームセンターなどに行かない層を取り込むねらいもあるといいます。

年中無休で、営業時間は午前10時~午後10時。入場は時間帯指定の予約制で、入場料と4種類のVRチケットのセットで4,400円ですが、入場券とチケットを個別に購入することもできるそうです。13歳未満はVRアクティビティを体験できません。詳しくは「VR ZONE SHINJUKU」のWEBサイトでご確認ください。
「テーマパークに行きたいけど、屋外で並ぶのはちょっと…」という方、「バーチャル遊園地」に足を運んでみてはいかがでしょうか。