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選手支えた過疎の町「甲子園の応援でネコ一匹も残らない。それが夢」

甲子園で「最後の夏」をかけた高校野球の熱戦が続いています。勝利を願う気持ちは、選手だけではありません。初めて地方大会の決勝に進出した町の人々は「町のみんなが甲子園に応援に行き、地元にはネコ1匹も残らない。それが夢です」と語りました。マネジャーやOB、地元の人たち…選手を支える言葉を集めました。
苦しくなったらベンチやスタンドを見ろ、と言っています。仲間と過ごした日々を振り返れば力が湧いてくる
福岡工大城東のスタンド。昨夏の決勝で九州国際大付に敗れたOBで、福岡工業大1年の坂元翔太さん。
坂元さんは後輩に精神面の助言を送ってきた。「苦しくなったらベンチやスタンドを見ろ、と言っています。仲間と過ごした日々を振り返れば力が湧いてくる」と坂元さん。
この日の朝、後輩から「絶対勝ちます。先輩らのリベンジします」とLINEのメッセージが届き、「最後は気持ち。絶対に悔いを残さないように」と返信していた。
町のみんなが甲子園に応援に行き、地元にはネコ1匹も残らない。それが夢です
初めての高知大会決勝。明徳義塾と対戦し、敗れた。
梼原OBの志手功さんは「毎朝、野球部員が元気にあいさつしてくれて、町が明るくなった」と笑う。
地元の野球部後援会事務局長の西村茂則さんは「町のみんなが甲子園に応援に行き、地元にはネコ1匹も残らない。それが夢です」
マネジャーになったのは、みんなの笑顔を一番近くで見たいっていうのが理由だったから、泣かないって決めてたけど、みんな頑張った分、こみ上げてくるものがあって
試合終了後、三池遥華マネジャーは「今日、勝つ気ではあったんですけど、みんなが立ってるとき自分だけ座ってるのは変だなって思って、立ってスコアつけてました」
「負けてしまったけど、私からみて最高のプレーができてたし、ベンチワークも見てきたなかで一番よかったから。勝ちたかったですね、やっぱり。マネジャーになったのは、みんなの笑顔を一番近くで見たいっていうのが理由だったから、泣かないって決めてたけど、みんな頑張った分、こみ上げてくるものがあって。このチームで野球ができて、よかったです」と話した。
遅くまで練習しているのを僕たちはずっと見ていたし、みんながどれだけ頑張っていたかちゃんと僕たちもわかってるし。結果はどうであれ、今日、全力で戦うことができたのが一番だと思う
坂本晋一朗応援団長は、試合後の選手に向けて「遅くまで練習しているのを僕たちはずっと見ていたし、みんながどれだけ頑張っていたかちゃんと僕たちもわかってるし。結果はどうであれ、今日、全力で戦うことができたのが一番だと思う」と話した。
この夏、朝日新聞のインスタグラムでは高校野球にかかわる人たちの言葉「言球(ことだま)」をご紹介しています。ハッシュタグ(#言球)でこれまでの投稿を見ることができます。地方大会はもちろん、本大会の言葉も紹介しています。
朝日新聞公式インスタと連携し、これから高校野球にかかわる人たちの「言葉」を随時、配信していきます。#言球 https://t.co/Q3GYWI6DZq
— 朝日新聞公式インスタグラム (@asahi_insta) 2017年7月15日