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ハリネズミが「たわし」に… 市営の動物園、体調に応じて展示交代

ハリネズミが飼育されている箱をのぞいてみると、中に「たわし」が! 飼育員に話を聞きました。

ハリネズミ(右上)が不在のときに展示される「たわし」
ハリネズミ(右上)が不在のときに展示される「たわし」 出典: 日立市かみね動物園提供

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 ハリネズミが飼育されている箱をのぞいてみると、中に「たわし」が展示されていた――。日立市かみね動物園(茨城県日立市)を訪ねると、時々こうした光景に遭遇することがあります。「せっかく見に来ていただいて、そこにいないのは申し訳ないと思って……」と話す飼育員に話を聞きました。

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こちらは本物のハリネズミ
こちらは本物のハリネズミ 出典: 日立市かみね動物園提供

「そ~っとのぞいてね!!」


 ヤマアラシが飼育されている檻の前に設置された小さな箱。緑色のシートがかけられていて、「そ~っとのぞいてね!! わたしが○○○○○です!」と書かれています。

 めくって箱の中をのぞくと「たわし」が置かれており、こんな説明文が添えられています。

 「ごめんなさい。ハリネズミはおやすみしています」

 さらに、たわしの名称や原料に関するうんちくも書かれています。

ヤマアラシのすぐ手前に置かれた箱でハリネズミが飼育されている
ヤマアラシのすぐ手前に置かれた箱でハリネズミが飼育されている 出典: 日立市かみね動物園提供

飼育員に聞きました


 たしかにトゲトゲした見た目は似ていますが、本来動物がいるべき場所に、なぜたわしが置かれているのでしょうか?

 「ハリネズミは暑すぎても寒すぎても弱ってしまう動物です。しかも飼育している箱も手作りなので、どうしてもみなさんに見ていただけない日があるので、その日はたわしを入れています」と話すのは、飼育員の中本旅人(たびと)さん。

 ハリネズミの飼育を始めたのは2年ほど前。きっかけはヤマアラシを見た来園者の多くが「あっ、ハリネズミだ」と言っているのを耳にしたことでした。

 ヤマアラシとハリネズミの違いを知ってもらおうと、近くで飼育することに。ハリネズミは夜行性のため、飼育する箱にはシートをかぶせることにしました。

 「シートまでかぶせて『そ~っとのぞいてね』と書いておきながら、中をのぞいたら何もいなかったとなると、来園者ががっかりするのではないかと思い、たわしを入れたんです。理由は『ハリネズミってたわしみたい』とよく言われるからです」

ハリネズミが飼育されている箱。緑色のシートがかけられていて「そ~っとのぞいてね!! わたしが○○○○○です!」と書かれている
ハリネズミが飼育されている箱。緑色のシートがかけられていて「そ~っとのぞいてね!! わたしが○○○○○です!」と書かれている 出典: 日立市かみね動物園提供

苦情はないの?


 市営動物園の思い切った展示に対して、市民から苦情はないのでしょうか?

 「今のところ、直接いただいたことはありません。よく来られる方は『今日はたわしか~』『お~、本物がいる』と声をかけていただきます」

 先日、たわしの展示がツイッターで話題になりましたが、そのことは知らなかったそうです。

 「けものフレンズの影響で動物園が注目されることが増えており、ありがたい限りです。地元の動物園といったイメージが強いですが、これを機会に遠くの方もぜひ足を運んでいただけたらと思います」と中本さんは話します。

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