話題
「エデュチューバー」って何? ユーチューブ幹部が語った次の主役
「ユーチューバー」じゃなくて「エデュチューバー」? 世界中で盛り上がっているという教育コンテンツ動画。5月には「YouTubeキッズ」日本版アプリが登場しました。グーグルでは『ユーチューバー』という言葉を使わないそうです。その理由は? 動画の未来とともに聞きました。
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「ユーチューバー」じゃなくて「エデュチューバー」? 世界中で盛り上がっているという教育コンテンツ動画。5月には「YouTubeキッズ」日本版アプリが登場しました。グーグルでは『ユーチューバー』という言葉を使わないそうです。その理由は? 動画の未来とともに聞きました。
「ユーチューバー」じゃなくて「エデュチューバー」? 世界中で盛り上がっているという、教育コンテンツの動画配信。5月には子ども向け動画が見られる「YouTubeキッズ」日本版のアプリが登場しています。「グーグルでは『ユーチューバー』という言葉を使いません」と明かしたユーチューブの幹部。その理由は? では何と呼んでいるの? 動画の未来について聞きました。
「YouTubeキッズ」日本版のアプリスタートに合わせて来日したマリーク・デュカード氏(44)。ユーチューブの世界中の家族向けコンテンツを担当しています。
――世界の子どもたちが好きなのはどんな動画でしょうか。
家族向けの教育コンテンツはユーチューブ上で最も増えている分野の一つです。
例えばアメリカでは「フィジックス(物理)ガール」というチャンネルが人気で、重力といった科学的テーマをわかりやすく解説しています。このような教育コンテンツに携わるクリエイタ-は「エデュチューバー」と呼ばれています。
彼らは、教育目的であることに気づかずに娯楽のように楽しんで学べる動画を作っています。
最近、オフィスで見つけたのが、音楽とともに歴史を教えているサイトです。先生がヒップホップの音楽に歴史の歌詞を乗せてうたっているのを生徒が撮影して投稿した動画ですが、10代の人たちに歴史を教えるのに適したコンテンツだと思いました。
家に帰って14歳の息子に誇らしげに話したら、「お父さん、何言っているの?みんなもう見てるよ」と言われました。こういった優れた動画はみんなすぐに見つけるのですね。
――日本では、子どもの歯磨きの歌や家族のお出かけ動画を投稿する「Kan & Aki's CHANNEL」が関連チャンネルと合わせ視聴回数53億回に達しています。出演する子ども2人は「かんあき」などと呼ばれて親しまれていますが、世界にこのような親子ユーチューバーはいるのでしょうか。
自然に子どもに語りかけるような内容で、ユーザーはそこに反応しています。また、その動画を見て何か行動を起こしたくなるような「アクティブウォッチング」ができるコンテンツだといえると思います。
8歳の私の子どもが5歳のとき、朝食時に大好きなアニメの動画をみていました。最後にキャラクターの描き方が紹介され、実際にクレヨンと紙を取り出して絵を描き始めたのです。
動画を見て興味をもったことを行動に移した良い例だと思いました。そのときに、「YouTubeキッズはこのように使ってほしい」というアイデアが浮かんだのです。
――その一方で子どもが動画ばかり見てしまうことに心配する声もあります。
「YouTubeキッズ」ではタイマーという仕組みを設けて子どもに動画をどれだけ見せるかの判断を親にゆだねています。
我々は常に視聴者の方の声を聞いています。保護者からの要望をうけチャンネルや動画をブロックする機能も設けました。
――マリークさんには、8歳と12歳、14歳の男の子がいらっしゃいますが、ご自身は子どもの動画視聴は1日何時間が適正だと思いますか。
親によって考え方は様々だと思います。例えば寝る前の1時間とか、あるいは週末だったら昼間の何時間とか、状況によって変わってくると思います。私の場合も状況によってまちまちで、タイマーを設定しないこともあります。
――なぜグーグルでは「ユーチューバー」ではなく「クリエイタ-」という言葉を使うのですか。
クリエイタ-と言った方が聞こえがいいし、ユーチューブに動画を配信するのはアスリートやミュージシャンもいます。映画スタジオやTVネットワークもユーチューブ向けの作品を作っています。広く色んなタイプの人たちを含めた、という意味でクリエイタ-がいいのかなと思います。
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