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「空飛ぶ円盤」発見から70年、いるの?いないの? 大統領も「見た」
6月24日は「空飛ぶ円盤の日」です。1947年の今日、アメリカのワシントン州レイニア山の近くで、音速を超えて飛ぶ「9個の謎の飛行物体を見た」という証言がありました。それから70年。アメリカ大統領選でも話題になるなど、UFOの存在は今も人々の関心をひきつけています。
世界中に影響を与えるアメリカの大統領選挙。そこで「地球外生命体」がテーマにあがり話題になりました。
トランプ大統領と接戦を繰り広げたヒラリー氏が「地球外生命体」に関する政府情報の公開を約束したのです。
実は国のトップの人が真剣にUFOの存在を信じていることは実際にあります。カーター大統領が知事時代、「UFOを見た」という報告をUFO団体に投稿しているそうです。
そんな中、47年、米空軍はUFO調査に乗り出します。のちに「プロジェクト・ブルーブック」と言われるものです。23年間に及び、1万2618件にのぼる目撃情報などが分析されました。
その結果、UFOの94%が、飛行機や星や流星などの見間違いに過ぎなかったことが判明し、69年にUFOに関する全プロジェクトを閉鎖しました。
「エリア51」とは、米国ネバダ州の砂漠にある軍事施設のことで、「世界で最も有名な秘密基地」と言われています。映画「インデペンデンス・デイ」の中で、宇宙人を収容する施設として登場しました。
そんな「エリア51」ですが、米政府は存在すら認めてきませんでした。それが、米中央情報局(CIA)の機密文書の中で、存在が触れられたのです。
残念ながら、「宇宙人を収容していた」という記述はありませんでしたが、冷戦期に旧ソ連などを極秘裏に監視するための、米軍のU2偵察機の実験場だったと説明しています。
U2は当時、どの航空機よりも高い高度1万8千メートル以上で飛んだため、地元住民はUFOだと考えたようです。今でも、施設への接近、写真撮影は禁止されており、違反したら発砲も辞さないという徹底ぶり。
UFOの存在を信じていたのは、アメリカだけではありません。実はあのチャーチルも存在を信じていました。
「民衆がパニックを起こし、宗教心の破壊にもつながりかねない。機密として50年間は封印すべきだ」
当時、チャーチル英首相は、連合国軍のアイゼンハワー最高司令官とこの事件について密談し、こんな指示を出したと言われています。2010年に公開された機密文書によって明らかになりました。文書によると、第2次世界大戦中、英国沿岸を飛行していた英軍の偵察機が、UFOに追尾された、とのことです。
英国防省にも、50年以上続いた、UFO調査部門がかつてありました。しかし、2009年、財政難を理由に閉鎖されています。
実は江戸時代の日本にも、空飛ぶ円盤としかみえないような不思議な絵が残されています。この絵は「うつろ舟の蛮女」という名で、江戸時代に書かれた「兎園(とえん)小説」に登場します。
「常陸国(現在の茨城県)の沖合に、長さは5・5メートルほどのお香の入れ物のような形をした舟が現れ、中には箱をしっかり抱えた異様な服装の女性が乗っていた。船内には外国の文字のようなものも書かれていた」とあるそうです。
この奇妙な絵は、柳田国男がその正体を、ひょうたんではないかとする論文を書いたり、作家の渋澤龍彦がうつろ舟を主題にした小説を書いたりもしています。
現代日本の国会でもUFO論争が盛り上がったことがあります。
2007年に民主党の山根隆治参院議員がUFOの認識を問う質問主意書を提出。政府は、「UFOの存在を確認していない」とする答弁書を出しました。
その一方で、当時の町村信孝官房長官は「絶対にいる」と力説。当時の石破茂防衛相も「ありうる」と、自衛隊の出動の可否を個人的に検討する意向を示したこともあります。
※初出時、本文で「1976年」としておりましたが「1947年」の誤りです。訂正いたします。
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