【ネットの話題、ファクトチェック】
宇都宮動物園内にある看板がネット上で話題になっています。来園者の持ち込んだビニール袋を食べて死んだキリンのことを、実際に胃の中から出てきたビニールを添えて訴える看板です。「動物は人を楽しませるためのアイテムではありません」と話す園長に話を聞きました。

ツイッターで話題に
今月9日、「休憩所にひっそり掲示してあった。こういうのは広めねば」という文言とともにツイッター投稿された画像。写された看板には、こう書かれています。
これらは全てキリンが食べてしまったビニール製品です。
ビニール袋のお持ち帰りにご協力下さい。
なお、動物に与えるのは、動物園で販売している餌だけにして下さい。
看板には、実際にキリンの胃の中から見つかったビニールも添えられています。
この投稿に対して、「こういうの見ると本当に残念に思います」「マナー守れない人は帰って」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万7千を超えています。

園長に聞きました
「当時はお客さまに対するチェックが厳しくありませんでした。こどものキリンが突然死んで、のどや胃の中からビニール袋が出てきてびっくりしました」
そう話すのは園長の荒井賢治さん。ちょうど来園者による餌やりについて話し合っていた矢先の出来事だったそうです。
キリンの死を受けて、どうしたら危険さをわかってもらえるか議論したところ、「キリンの中から出てきたビニールを一緒に掲示したらどうか」という意見が出ました。
雨にぬれず、キリンの飼育場所からも近い休憩所に看板を設置することに。事故から15年以上が経ちますが、ずっと出し続けているそうです。
「一部の大人の方は『動物は人を楽しませるためのアイテム』と考えている人もいるようです。『お金を払ってるんだから』といった感じで」
15年以上経って話題になっていることについては「驚いています。目にした方が動物を大事に思ってくれればと思います」と話しています。