「エントリーシートに書くことがない」と悩む就活生は少なくないでしょう。趣味がない、熱中するものもない、自分って薄っぺらい……。そんな悩める大学生に、オタクが手を差し伸べます。「それならヲタになればいいのに! いいことしかないよ!!」。充実した社会人ライフを送るヲタが「6つのメリット」を教えてくれました。(朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

就活に役立つヲタ活を考えるこの企画。
今回はふたりのアイドルオタク(通称ドルヲタ)が講師です。
桝井政則さん(48)。
ドルヲタ歴35年。中学生の時に河合奈保子(知らない人は検索してね)にはまって以来、様々なアイドルたちに愛(と金)を捧げてきました。ジャニーズも守備範囲だそうです。
ちなみに、朝日新聞大阪生活文化部のデスクです。記者たちの原稿をチェックする管理職です。

もうひとりは、1、2回目にも登場した阪本輝昭さん(40)。
ドルヲタ歴6年。もともと歴史ヲタでしたが、桝井さんの「布教」を受け、アイドルにはまったそうです。
ちなみに、朝日新聞大阪社会部の遊軍キャップです。多くの若手記者を束ねるまとめ役です。

「自分にあったヲタ活」できます
念のため最初に確認しますが、ヲタになると、ちゃんとメリットあるんですよね?
桝井デスク
そんなお二人の話を聞くのは、引き続き津田塾大学に通う学生さん3人。
高橋さん、藤井さん、大橋さんです。
藤井さん
大橋さん
高橋さん

ヲタになれば、どんないいことがあるのか、知りたいそうです。
学生
桝井デスク
学生
桝井デスク
学生

ヲタ活メリット(1)「土日に必ず行くところがある」
桝井デスク
今日一日なにをしたらいいんだろう、とかないですから。
僕はいま大阪勤務ですが、東京に赴任していた2年間は、推しが出るイベントに行くために、関東一円のありとあらゆるイトーヨーカドーとイオンとアリオに行きました。もう地元民より詳しいんじゃないかっていうくらい。
学生
阪本記者
例えば記者は、よく会社から電話がかかってきます。取材の指示とか、原稿の問い合わせとか。そういうときは、事前に職場の上司に「○月○日の○時から○時までは電話に出られません。出ても後ろが歓声とかでうるさいと思います。終わった後に必ずコールバックします」と正直に言う。
学生
阪本記者
その繰り返しのなかで、「あいつはしょうがないな。でもやることはちゃんとやるだろう」と思ってもらうことが大事になってきます。
学生
阪本記者
職場で「信頼」という貯金を貯めておけば、何かがあった時に引き出せる。
学生

ヲタ活メリット(2)「職場を和ませる」
桝井デスク
ヲタ活って基本理解されないんで、周囲に「(その趣味は)理解できんけど、しゃーねーな」って思わせる。
一方で、働き続けないといけないんで、会社に必要とされ続けるように、信頼を築く。
いまの時代はいろんな働き方がありますからね。仕事ばっかりしている人だけじゃなく、趣味も仕事も大事にする人だっているわけですから。
学生
桝井デスク
学生

桝井デスク
例えば僕が鳥取県の総局にデスクとして赴任していたのは、AKB48の第2回総選挙の頃(2010年)なんですが、まだ一般的な知名度は低かったんですね。
で、職場にAKB48の日めくりカレンダーをかけて、勝手に「1日1人メンバーを覚える運動」をやってました。「はい、今日は高橋みなみを覚えまーす」っていう感じで。
学生
桝井デスク
学生

ヲタ活メリット(3)「キャラアピールになる」
阪本記者
学生
桝井デスク

ヲタ活メリット(4)「一線を越えない矜恃が学べる」
学生
桝井デスク
接触イベントで45分間1対1でしゃべる権利、とかありますしね。
学生
桝井デスク
社会人としても、自分の立場を理解して踏みとどまらなければならない一線ってあるでしょう? 例えば記者なら、どんなに取材相手と仲良くなっても、取り込まれてはいけない。
公益を考えて、批判をするべき時は、批判する。
記者だけじゃなくて、いろいろな職業に「誘惑」ってありますよね。
学生

ヲタ活メリット(5)「欲望に負けない長い目を養える」
桝井デスク
ヲタとしての矜持であり、社会人としてのプライドです!
アイドルとファンの一線を越えて近付いたら、最悪の場合クビになるアイドルもいます。やっぱり僕にも承認欲求はありますから、勘違いしたくなる時もある。
でも「この世界を成り立たせているルールは何か」「自分が愛するこの世界を自分で崩してしまっていいのか」「目の前の欲望に負けずに長い目で見ろ」と、言い聞かせます。
学生
阪本記者
桝井デスク
ヲタ活メリット(6)「業種を超えた友だちができる」
学生
桝井デスク
学生
桝井デスク
学生
桝井デスク
