IT・科学
ポケモンGO、開発リーダーが語った「ダウンロードより大事な数字」
ポケモンGOはどこに向かうのか? 11月17日にあったイベントに登壇したナイアンティックの開発リーダー、野村達雄さんは、開発のきっかけにドラクエ風グーグルマップがあったこと、「ダウンロード数より大事にしている数字」があることなどを語りました。
渋谷であったベンチャー企業が集まるイベント「TechCrunch Tokyo 2016」にポケモンGOの運営会社ナイアンティックの野村達雄さんが登場しました。
「もともと古いゲームが好きだったんです」と語った野村さん。2011年に入ったグーグルでは、グーグルマップを担当していました。
その時に手がけたのがドラクエ風グーグルマップです。地図をあえてファミコン風のカクカクの地図に変えてしまった企画は、2012年のエープリルフールに登場しました。
ドラクエ風グーグルマップにはモンスターも潜ませていました。ポケモンGOが生まれるきっかけは、ドラクエであったことを明かしました。
2014年、野村さんはグーグルマップにポケモンのモンスターを登場させるポケモンチャレンジを作ります。これもエープリルフールの企画でした。
この時はジョークとしてポケモンマスターをパロディーにした名刺も作成しました。
野村さんは「この名刺が、ゲームが外に広がっていく一つのきっかけになった」と振り返ります。
その後、イングレスというスマホの地図を使ったゲームを手がけていたナイアンティックに移った野村さん。グーグルマップでの経験をいかし、ポケモンGOの開発に至ります。
野村さんが「ダウンロード数と同じくらい大事」という数字をあげました。
「4.5ビリオンキロメートル」
これは、今までにユーザーが歩いた距離です。
「地球から冥王星くらいまでの距離。一人で歩こうとしたらけっこう大変です」
また、ポケモンGOをすることで平均41.4日寿命がのびる研究結果も紹介。野村さんは「実際の健康に影響を与えられる大事な数字だと思っています」と、ゲーム以外の生活と密接につながっている価値を重視していることを強調しました。
ポケモンGOは11月12日に東日本大震災の沿岸被災地に観光客を呼び込むイベントとして、宮城県とのコラボ企画を実施しました。
当日は、貴重なモンスターの出現する確率が高まるとあって、県内外から多くの人が集まりました。
野村さんは宮城県とのコラボについて「人口が10万人くらいの街に1万人以上の人が集まってくれました」と語りました。
ARの可能性を広げたと言われるポケモンGO。
野村さんは「単なるカメラや3Dの技術から離れて、世界にどんな情報を置くか」という視点が大事だと語りました。
今後はカーナビの画面を見ないでも目の前にナビゲーションの表示が現れるなど、スマホにとどまらない形で技術が進化していくとみています。
「例えば、モンスターボールを手にもって、ピカチュウをつかまえる。それが全部、ARでできる日がくるかもしれません」
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