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「春にはきっと笑顔で改札を…」 駅員から受験生へ、白板に描く思い
駅員が受験生向けに書いたメッセージが、「心が温まる」と話題になっています。
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駅員が受験生向けに書いたメッセージが、「心が温まる」と話題になっています。
駅員が受験生向けに書いたメッセージが、「心が温まる」と話題になっています。イラストを交えながら、駅員ならではの視点でホワイトボードに書かれたものです。どんな思いを込めたのか? 阪神電鉄に話を聞きました。
今月5・6の両日、阪神電鉄鳴尾駅の上り線の改札を出たところに置かれたホワイトボード。近くの武庫川女子大学で実施されている公募制推薦入試の受験生に向けて、こう書かれていました。
青ざめた顔で震える女子高校生のイラストが描かれ、「あかんねんホンマ」「カンジンなとこでいつも失敗すんねん」といったセリフの下には、「みんな同じ事考えてます!」と応援メッセージが書かれています。
下り線の改札内には、違うイラストとメッセージが書かれたホワイトボードが掲出されていたそうです。
上り線のホワイトボードを写した画像が5日、ツイッターに投稿されると「粋な計らい」「心が温まります」「駅員さんかっこいい」といった声が上がり、「いいね」は1万3千を超えています。
どんな思いでこのメッセージを書いたのか? 阪神電鉄甲子園駅管区の担当者に話を聞きました。
――設置した理由は
「阪神電車の甲子園駅管区は、鳴尾駅から芦屋駅までを管轄しており、鳴尾駅は武庫川女子大学などの最寄り駅として、学生や生徒の方に多く利用されています。受験や卒業式などの学校行事を、当社も一緒になって応援していければと思い、掲出しました」
――過去にもこうした取り組みを?
「鳴尾駅では年間を通じて入学式や卒業式、受験の日などにメッセージを作成しています。ささやかではありますが、卒業式には駅員からの『卒業証書』を掲出しました。野球開催時の甲子園駅でもメッセージを作成したり、それ以外の駅でもハロウィーンなど季節を感じてもらえる装飾をしたりしています」
――今回はどんな思いを込めたのでしょうか?
「私たち自身の経験や思い出を重視しました。振り返ってみると、受験やクラブ活動の試合前は緊張しておなかが痛くなったことがありました。今年受験される方も、『人生の大一番』を迎え、大変緊張されていると思います。メッセージボードを見て、少しでも気持ちが和んでいただければと思い書きました」
――工夫した点や苦労した点は
「一目で内容が分かるように文字だけではなくイラストを挿入するようにしています。また、駅、改札という特性上、立ち止まって見るというより、歩きながら見て行かれる方が多いので、文字数も極力少なくしてわかりやすく、心に届くような文章を考えようと苦労しました」
――反応は
「メッセージボードを見た受験生は、緊張した顔から少し笑顔になってくれたようです。また、『すてきなメッセージですね』『ほっこりした』などの言葉を駅係員に直接いただき、Facebookを通じてお褒めの言葉も寄せられています。親御さんからの『安心して通学させることができると感じました』や『これからも見守りよろしくお願いします』といった投稿は、たいへん嬉しかったです」
――利用者に向けてメッセージを
「電車をご利用いただく通過点としてだけでなく、学校や沿線にお住まいの方と共に盛り上げ、親しんで頂ける空間にすること。そして、皆さまに気持ちよくご利用いただき『笑顔であいさつが出来る』場所にすること。この二つを目標に精進していきたいと思います」
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