お金と仕事
「娘と花火なんで!」さっさと帰宅 超ダイバーシティ職場のリアル
子育てをしながら働いていると、早く帰らなければならなかったり、子どもが急に熱を出して休まなければいけなくなったり、色々な制限を抱えますよね。こうした課題に対し、「罪悪感を感じさせないことが重要」として仕組みを整え、女性社員が活躍している企業があります。一体、どんな仕組みなのでしょうか。
お金と仕事
子育てをしながら働いていると、早く帰らなければならなかったり、子どもが急に熱を出して休まなければいけなくなったり、色々な制限を抱えますよね。こうした課題に対し、「罪悪感を感じさせないことが重要」として仕組みを整え、女性社員が活躍している企業があります。一体、どんな仕組みなのでしょうか。
子育てをしながら働いていると、早く帰らなければならなかったり、子どもが急に熱を出して休まなければいけなくなったり、色々な制限を抱えますよね。こうした課題に対し、「罪悪感を感じさせないことが重要」として環境を整え、女性社員が活躍している企業があります。一体、どんな職場なのでしょうか。
今回、紹介する企業はロバート・ウォルターズ・ジャパンです。2カ国語以上話せる人材を企業に紹介しています。
社員は約220人で、うち半数が日本人。外国人も含め28カ国の国籍の社員が働く、超ダイバーシティ(多様な)企業です。女性社員の割合は5割、女性管理職の割合は31%です。帝国データバンクが今年7月、全国1万社を対象に行った調査では、女性管理職の割合が平均6.6%だったので、活躍する女性がとても多いことがわかります。
さて、その秘密は。
「社にいなくても仕事ができるシステムがある。罪悪感無く、いつでも休める態勢が重要です」
6チーム、約30人の部をまとめるインド人のラチャナ・ラトラ部長は話します。
ラトラさんは昨年、アメリカに本社のある企業の人材紹介プロジェクトを担当。時差の関係で、3歳の長女を寝かしつけた午後9時に、自宅でアメリカの本社とのやりとりをしたそうです。
仕事のデータは、自宅のパソコンからアクセス可能。子どもが熱を出して午後は自宅にいなければいけない、あるいは水ぼうそうにかかって長期間会社に出られない、といったときにも、自宅で仕事をできるシステムが役に立つといいます。
チームで支える仕組みも整っています。仕事のデータはすべて、会社のクラウドシステム上に保存。自分のパソコンのデスクトップには保存できません。こうすることでチームで情報を共有できるため、顧客からの問い合わせに対応するなど、他の社員でサポートしあうことができるのだといいます。
「自分の会社にこんなシステムは整っていない」と嘆く人も多いかもしれません。まずは、SNSやメールなどを活用したり、上司をつついたりして、チームでの情報共有から始めるのはどうでしょうか。在宅勤務については、国が推進する方針。あなたの職場に導入される日もくるかもしれません。
ただ、こうしたシステムがあっても、職場が出社を求める雰囲気だったら、利用しにくいもの。上司や同僚の理解が必要です。
「上の位の者から積極的に、家族との時間を大切にすることがOKだと示すことが大事です」
こう話すのは、デイビッド・スワン社長(45)です。
スワン社長は自ら、家族との時間を大切にする姿勢を実践しています。記者が取材した前日も、定時の午後6時きっかりに退社。幼稚園に通う娘(5)の友達が初めて自宅に泊まりにくる日だったため、一緒に夜ごはんを食べ、花火をして遊んだそうです。
「楽しく仕事をしている人たちが良い結果を生み出すと考えています。長時間労働をしていると、楽しく働くエネルギーが少なくなってしまう」
とも言います。残業もよしとしていないのです。
残業せずに働き、家族との時間を大切にすることをトップ自ら実践しているため、管理職や一般社員にも意識が浸透。男性社員向けには子どもが産まれてから1週間の休みをとれるしくみを「パタニティ休暇」として導入しており、取得率は100%となっているそうです。これが、子育てしながら働く女性社員への理解につながっているといいます。
金曜日の午後5時半。オフィスの一角に、様々な部署から社員が集まってきます。缶ビールやジュースをあけて、30分から1時間ほど談笑。プライベートな話も、仕事の話も、なんでもあり。各部署持ち回りで開く「フライデードリンク」の光景です。
外資系なのに、と言ったら変かもしれませんが、社内でのコミュニケーションがとても重視されているのです。フライデードリンクは毎週開催なので、年間50回超。社員220人のうち、毎回60人ほど参加するそうです。
このほかにも、家族を会社に招いて交流するファミリーデーに、全員参加のチャリティーイベント。花見やクリスマスパーティー、バーベキュー。イベントが盛りだくさんです。
社員同士で交流を深めるなかで、家族の情報を自然と共有することが大事だといいます。トップダウンではなく、現場の社員が自然と支え合う雰囲気になるしかけです。
こうした環境もあり、2016年上半期のトップセールスは、昨年4月に育休から復帰した女性社員が獲得したそうです。
上司に話しづらかったら、まずは同僚から。積極的に家族のことを話したり、イベントの場を利用して子どもの顔を見せれば、きっとあなたの職場の雰囲気も変わってくるのではないでしょうか。
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