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2016年08月06日

「今を戦前にさせない」 原爆の日、中国放送がラテ欄に忍ばせた決意

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6日付朝刊の広島県内向けラテ欄。「縦読み」すると、地元テレビ局の強い決意が読み取れる

6日付朝刊の広島県内向けラテ欄。「縦読み」すると、地元テレビ局の強い決意が読み取れる

出典: 朝日新聞

 広島での原爆投下から71年となる6日。同県内で配られた朝刊のテレビ番組表(ラテ欄)には、地元の中国放送(RCC)がナイター中継する、プロ野球・広島カープの対巨人戦の放送内容が載っています。広島にとって特別なこの日、「縦読み」に仕込まれた隠しメッセージは「今を戦前にさせない」。首位独走のお祭り気分と一線を画したこの言葉には、被爆地の声を伝え続ける地元メディアの矜持が込められていました。

8月6日は趣向が変わる「縦読み」

 地元チームのスポーツ中継を担うテレビ局がファンを時折ほっこりさせる、ダジャレや自虐ジョークをちりばめたラテ欄の縦読みメッセージ。
 ですが、8月6日にRCCがカープ戦を中継する際には、ガラッと趣向が変わります。
 「原爆の日」にちなみ、「カープ応援できる平和に感謝」(2014年)、「86を次世代に伝える」(15年)といったように、戦争と平和への思いが込められます。

オバマ米大統領の訪問から一夜明け、多くの修学旅行生や外国人観光客らが訪れた平和記念公園=2016年5月28日

オバマ米大統領の訪問から一夜明け、多くの修学旅行生や外国人観光客らが訪れた平和記念公園=2016年5月28日

出典: 朝日新聞

例年にも増して強い決意

 そして、カープがセ・リーグ首位を独走する今年。25年ぶりの優勝に期待が高まるさなかの縦読みは意外にも、例年にも増して強い決意をうかがわせる言葉でした。
 よく読むと、そもそも放送内容の文章自体が、平和を希求する熱い思いに満ちています。

今思い出す野球に希望
を託しカープの一球が
戦後復興を支えた日々
前途洋洋カープ快進撃
に沸く広島で平和の尊
さ伝えたい!語り尽く
せぬ思いを胸に核兵器
なき未来まで響かせた
い平和の大歓声!

カープ首位独走の熱気に沸く本拠・マツダスタジアムでの観戦風景。ジェット風船を飛ばすファンたち=2016年7月23日

カープ首位独走の熱気に沸く本拠・マツダスタジアムでの観戦風景。ジェット風船を飛ばすファンたち=2016年7月23日

出典: 朝日新聞

「私たちの信念が試されている」

 この文章を作ったのは、同社スポーツ部のテレビ中継プロデューサー、松本清孝さん(40)。
 シンプルながら力強いこの言葉に松本さんが込めた思いとは? ウィズニュースの取材に、次のようなコメントを寄せています。

 今年5月、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問し、スピーチする姿を見ながら思いついた言葉を縦読みにしました。

 被爆から71年がたち、広島では、被爆体験を継承する難しさが課題となっています。

 被爆者の平均年齢は80歳を超え、被爆体験を直接聞く機会が確実に減少する中、どうすれば、原爆や戦争の恐ろしさを伝えていけるのか。

 広島の原爆死没者慰霊碑には、”安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから”と刻んであります。

 私も原爆で祖父など親族を多く亡くしていますが、原爆だけでなく、戦争の犠牲になったすべての方に安らかに眠ってもらうには、その子であり、孫である私たちの信念が試されていると感じています。

 平和はあるものでなく、つくるもの。

 これから先、再び戦争を起こさないためには、私たち一人ひとりが、どれだけ強く意識し、今ある平和を守っていけるかが、大切だと考えています。

 そして、広島が焼け野原からの復興を歩む傍らに、カープの存在は欠かせないものでした。

 カープから、復興への力を得た広島、その広島が育んだカープ。

 カープは、広島にとって、ただの野球チームではなく、家族です。

 カープに送る平和の大歓声を、広島の空に、永遠に響かせたい。

被爆者の森重昭さんを抱き寄せるオバマ大統領 =2016年5月27日

被爆者の森重昭さんを抱き寄せるオバマ大統領 =2016年5月27日

出典: 朝日新聞

「ピース」尽くしのナイター中継

 RCCの主催でもある本拠マツダスタジアムでの6日の試合は、「ピースナイター2016」と銘打って、赤と緑のポスターを観客が掲げて平和を訴える演出や選手による折り鶴の展示、追悼行事の中継などの企画があります。

昨年の「ピースナイター」の様子。広島カープの監督、コーチ、選手全員が同じ背番号「86」をつけた=2015年8月6日

昨年の「ピースナイター」の様子。広島カープの監督、コーチ、選手全員が同じ背番号「86」をつけた=2015年8月6日

出典: 朝日新聞


他にムヒカ氏、ワレサ氏も…被爆地・広島を訪れた著名人
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「世界で一番貧しい大統領」と称された南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領。2016年4月、G7外相会合の陰で広島に来ていた。芳名録に「私たちは過去から学んだだろうか」と書いた
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出典:朝日新聞
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