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甲子園「熱奏」応援も好カード ブラフマン常総・サブちゃん八王子
いよいよ、夏の甲子園。青空のもと、アルプススタンドの吹奏楽部員たちが、球児たちに音楽のエールを送る「熱奏甲子園」もスタートです。ブラフマンをひっさげた常総、サブちゃんをぶち込む八王子。今夏の1回戦の見どころは……。
1回戦最大の好カードは、第3日第4試合の近江(滋賀)vs常総学院(茨城)でしょう。
アルプススタンドを琵琶湖を思わせるブルーに染めて、マーチングの強豪らしい、リズミカルで力強い応援を繰り広げる近江と、野球応援を代表する名門校のひとつで、パワフルなサウンドを響かせる常総学院の「対戦」は、耳も喜ぶ一戦となりそうです。
常総は、吹奏楽部OBが作曲した新応援曲「もののふ」や、常総の応援が甲子園での大流行の呼び水になったといわれるBRAHMAN(ブラフマン)「SEE OFF」など約20曲をひっさげて登場します。
常総のよきライバルで、強豪ひしめく東関東を代表する吹奏楽の強豪・作新学院(栃木)と、全日本マーチングコンテスト出場経験もあるマーチングの強豪・尽誠学園(香川)の対戦も、注目です。
作新学院は、1950年代から守り続けてきた「作新音頭」などオリジナルの応援曲4曲に、アニメ「モンスターストライク」のメインテーマなどの新レパートリーも加えた約30曲を、流れるように繰り出します。
大会初日の、出雲(島根)vs智弁学園(奈良)も、楽しみなカードです。出雲は、昨年の全日本吹奏楽コンクールに中国支部代表として出場。その主力となった2年生(当時)は昨年末、受験体勢に入るため引退しましたが、今夏、野球応援のために「復活」。3年生になった32人が、OBOGとともに、「どじょうすくい」で知られる島根の民謡をアレンジした「リメンバー・オブ・安来節」をチャンスで吹きまくります。
対する智弁学園は、春夏連覇を狙う甲子園常連校。「三番」など名物応援曲にご注目下さい。
第5日に登場する八王子学園八王子(西東京)は、地元在住の演歌の大御所・北島三郎の「まつり」を披露します。地方大会準々決勝で、あの早実を圧倒したチャンステーマ「カッポレ佞武多」(宇崎竜童作曲)との「コンビ」で、アルプススタンドを「お祭り」にしてくれそうです。
昨年度、全日本吹奏楽コンクールと全日本マーチングコンテスト、全日本アンサンブルコンテストにトリプル出場。昨夏の甲子園に毎試合流れた大会歌「栄冠は君に輝く」の収録に参加し、野球部より1年早く、音で甲子園「初出場」を果たしていた吹奏楽部。
そのあたたかく豊かなサウンドを楽しみにしているファンも多いと思いますが、この日は主力チームのコンクール当日……。初戦は、残る部員たちとOBOG約80人で臨む予定です。
夏の甲子園がある8月は、吹奏楽コンクールの都道府県大会や支部大会の真っ最中。今年も、甲子園出場校のうち10校以上の吹奏楽部が、大会期間中にコンクール本番を迎えることになりました。
甲子園応援とコンクール。それだけでも大変なのに、今年の夏は、2校掛け持ちで応援するバンドも登場します。
そのひとつが、大会第3日に登場する市立尼崎(兵庫)。毎年沖縄県勢の応援を担当し、どこの学校よりも多い「出場回数」を誇るバンドですが、今年は野球部が33年ぶりに甲子園出場。第5日に登場する沖縄代表の嘉手納と自校を掛け持ちで応援をすることになりました。
甲子園初戦の9日は、チームのひとつが参加する兵庫県吹奏楽コンクール35人以下の部の当日。さらに、開会式では、行進曲やファンファーレなどの演奏も担当するそうですから、本当に頭が下がります。
掛け持ち応援という離れ業を演じるバンドは、ひとつだけではありません。兄弟校・創志学園(岡山)の応援にかけつける環太平洋大学(IPU、岡山市)マーチングバンド部です。もうひとつの兄弟校・クラーク国際(北北海道)との掛け持ち応援。幸い2校の対戦は避けられましたが、第6日と第7日の二日連続、灼熱のアルプススタンドで演奏することになりそうです。
「アフリカン・シンフォニー」や「夏祭り」「さくらんぼ」などの最近の定番曲に加え、「ドリフの早口ことば」や「キン肉マン」「ロッキーのテーマ」といった40~50代の心をわしづかみにするラインナップで、金管バンドならではのきらびやかなサウンドと、パンチの効いたリズムをとどろかせてくれそうです。
注目度が赤丸急上昇中の高校野球の吹奏楽応援。今年もツイッターの「吹奏楽コンクール」アカウント(@AsahiBrass)が「中継」します。「#熱奏甲子園」で検索して下さい。BS朝日の2時間番組「ザ・ドキュメンタリー」でも、アルプススタンドの熱い夏がとり上げられる予定です。放送は、8月25日午後7時~。
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