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2016年07月29日

峰なゆか「アラサー」後も続く生きづらさ 欲しいのは「子宮ロボ」

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人気漫画「アラサーちゃん」の著者で元AV女優の峰なゆかさん

人気漫画「アラサーちゃん」の著者で元AV女優の峰なゆかさん

 20代後半から30代前半を示す「アラサー」。微妙な年頃の性愛を描いた漫画「アラサーちゃん」の作者、峰なゆかさんは、「結婚しない生き方」を選んでも、「嫁・ママ」になっても苦難が待ち受けていると言います。「アラサー」のつらさを語るうちに「出産せずに子どもが生めたらいいのに」「子宮ロボットがほしい!」と話は妙な方向に…。生きづらい時代を、少しでも生きやすくする知恵を聞きました。(朝日新聞大阪編集センター・伊藤あかり)

「両方求められるのはしんどいですよ」

「女の人って20代後半から30代が一番つらいと思います。いわゆるアラサー。結婚してなくて、真剣に『いき遅れだよね?』って言われるのは30代後半まで。40になると、深刻だから言えない。30代はまだギャグっぽいノリで言えると思ってるんでしょうね」

「アラサーのしんどさって何だと思います?」


「20代後半って40、50代からしたら若いじゃないですか。だから、若い女性としてのホステス性を求められるうえに、いき遅れおもしろおばさんも演出しなきゃいけない。両方求められるのはしんどいですよ。女らしい格好しなきゃいけないけど、なんか男を狂わせるようないやらしい格好はするなみたいな。何を着りゃいいんだよ!っていう感覚が20代の時はありましたね」





峰さんの著書「アラサーちゃん」の主人公アラサーちゃん

峰さんの著書「アラサーちゃん」の主人公アラサーちゃん

出典: Ⓒ峰なゆか/扶桑社

「若い女臭はなくなりました」

「30歳になって変わったことは?」


「私は31歳なんですけど、若い女臭はなくなりました。40すぎて楽になるという人の気持ちも想像できます。15歳くらいの時に、『私って大人なの?子どもなの?』って思う時期があるけど、アラサーは『私って若い女なの?おばさんなの?』って悩みますよね」


「楽に…なるんですか?」


「これを抜けるには、年をとるか『お母さん』という別ステージに上がるか。でもそしたら次は『良いお母さん像』を求められるじゃないですか。いき遅れおばさんも、良いお母さん像も両方私は嫌なんですよ。でも、どっちかというと、良いお母さん像の方が嫌だなあ」





「結婚しても、しなくても茨の道ですよ」

「良きお母さん路線の方がつらい?」


「漫画家の東村アキコさんが言ってたんですけど、『子どもに良い服着せたけど、勝手に脱いでぼろくさい服に着替えてしまった。自分が良い服着て、子どもがぼろ服着てると虐待してる?と誤解されそうなので、自分もぼろ服を着るしかない』って」

「芸能人も、ママタレになると世間の目が厳しくなりますもんね…」


「結婚しても、しなくても茨の道ですよ。まわりの既婚者の話を聞いて、あまりに夫が家事・育児に協力的ではないということに驚きます。例えば、会社から帰ってきてお風呂に入れただけで『育児やってる』って言われてもねぇ…」


「自称イクメンのみなさんですね。ちょっとなんかしてもらっただけで『パパに感謝♪』しなきゃいけないのも大変だなあと思います」


「結局、システムとか教育の問題だと思います。私は小中学校は一切男の子としゃべらなかったんですよ。それに、高校は女子校だった。だから、卒業してからびっくりしたんですよ。『なんで、女子が仕切らないの!』って」





「普通の世界がアップデートされてない」

「そのびっくりは今もありますか?」


「最近、大学の授業に呼ばれていったんですけど、グループつくって発表するとなると、基本的にはリーダーは男の子がやるんです。『学生のうちからこういうことがあるのか!』って驚いちゃいました」

「私は共学だったんですけど、それあるなあ。なんとなく男子が仕切った方がスムーズにいくような気がしていた。そのギャップって社会人になってからもありますか?」


「学生のあと、AVやってるんですけど、AV女優って、ものすごく知能の低い生き物として扱われるんです。男性からも、AV女優以外のAV業界に携わる女性たちからも。まあ、それは特別なギャラをもらってるので、そういうものだと思っていました」


「『特別なギャラ』は差別を受けいれることに支払われている、と。なるほど」


「当然、AVは特殊な世界の話だと思っていたのに、普通の会社とかでも、特別なギャラもらってるわけじゃないのに、飲み会でも女性をそういう扱いすることがあって。すごく野蛮。そんなの戦後まもなくの世界だと思っていたのに。普通の世界がアップデートされてないんだと感じて、びっくりしました」





「男の人をたてて、なんかいいことあるの?」

「男性がいない世界で育った『女子校』の人の方が、そういう性役割に対する拒否感は強いと思います。例えば、お酌をすすめられた時に、共学のひとなら『もうっセクハラですよ。にこっ』と返せるところを、女子校の人は『はっ?』とかたまる感じ。強く言いすぎて、場がシーンとなる感じ。女子校出身者はそういう意味で私は、においでわかる。隠れキリシタンみたいに」

「でも、たいていの人は雰囲気に流されてお酌とかしちゃんですよね」


「男の人をたてて、それでなんかいいことあるの?って思うんですよ。男の人を立てて喜ぶ人って、無洗米じゃなくて、洗わなきゃいけない米使う、ぞうきん手縫い、弁当に冷凍食品使わないみたいな『無駄な献身』喜ぶ人じゃないですか」





「ピッとやって子どもができるやつ」

「無駄な献身…多分世の中的には『できた嫁』って言われるんでしょうけど…グサッときます」


「それってSMクラブに通うMの人と同じ。ただ縛られていれば自分の責任で考えて何もしなくていいから安心っていう。指示する側のSの人は考えなきゃいけないので大変だろうなって思うけど。SとMの関係性がうまくはまればいいんですけどね」


「話が『SM』に飛ぶとは、さすがです…」


「結婚しないで子ども生めたらいいんですけどね。未婚のまま気に入った人とセックスして生むって、今の日本だと批判されますからね」

「未婚で出産したフィギュアスケートの安藤美姫さんも、すごいたたかれましたもんね…」


「私が画期的だなって思うのは、出産せずに子どもを産めるようになること。例えば『子宮ロボ』を開発する。受精卵を機械にいれて、ピッとやって子どもができるやつ。宗教や倫理的にはNGかもしれないけど、技術的にはできるんじゃないかなって思うんです」

「『ピッ』と!究極の無痛分娩…」


「出産期間がなくなったら色んな問題が解決するじゃないですか。マタハラとか。妊娠で仕事をやめなきゃいけないこともなくなる。女性って正社員の人少ないじゃないですか。私もフリーランスなんで、産んだあと仕事あるか怖いですもん」

「私の友人にも『なんで仕事が楽しくなる時期と、出産適齢期が重なってるんだ!』と嘆いている人がたくさんいます。そういう人にも朗報ですね」


「子宮ロボを作るためには宗教的な影響が少なくて、技術がある国が必要…日本じゃん!って思って。早くできないかな子宮ロボ。そしたら、私の知り合いの中でDNA的に優秀そうな人と私の受精卵で子どもを作ろうと思います」


峰さんと愛猫の「プッチーさん」=2013年6月撮影

峰さんと愛猫の「プッチーさん」=2013年6月撮影

出典: 朝日新聞

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