お金と仕事
ホリエモンに聞いてみた「選挙に出る気は?」 世界から見た日本の姿
堀江貴文さんは、現在、ベンチャー企業への投資や、宇宙産業の事業に取り組んでいます。ツイッターでは社会問題についても発言。世界中を巡りながら「外の世界に気付いた人の背中は押してあげたい」と、ウェブや書籍でメッセージを発信しています。成長著しいアジアから見た日本の立ち位置、政治への思いを聞きました。
堀江さんは2005年の衆院選で広島6区から立候補し落選しています。フジテレビとのニッポン放送株争奪戦で和解が成立した直後でした。
今年の参院選、投開票日は地方にいたという堀江さん。「選挙? また出ようとか、まったく思わないですね」と笑います。
「僕は別にどういう状況でも生きていけるし。政治がダメなら自分たちで解決すればいいやって思っているから」
その一方で、近著『君はどこにでも行ける』(徳間書店)では、日本の地位が低下している現実を指摘。「このままでいいの?」と読者に迫ります。
「日本を出ても、出なくても、どっちでもいい。別に僕は強制はしません。そんなに熱くないですよ」と言う堀江さんですが、「予測される未来は書いた」と強調します。
1人あたりのGDPは、アジアで7位から8位にまで落ちていること。
日本よりもシンガポールの方が裕福な国になっていること。
バンコクでは日本人も行けないような1人5万円するすし屋ができていること。
「単純に経済力の比較をしているだけです。ただ、そういう話をすると『えっ何言ってるの?』てなる。にわかに信じがたいんでしょう」
なぜ、日本人は自分たちの立ち位置に気づけないのか? 堀江さんは「もう進化する必要がないからでしょう。今のままで満ち足りているから」と言います。
そして、「今と同じことを繰り返す生活なら10年か15年は大丈夫かもしれない。でも、その先は?」と問いかけます。
「固定概念とか、全部、無視して言えば、持ち家を持つとか、自家用車を持つとか、結婚するとか、子どもをつくるとか。そういうのが、これから先も当たり前かというと、そうじゃないかもしれない。いらないと思うなら、それだけだけど」
最近、たまたま機内で『グッド・ウィル・ハンティング』を見たという堀江さん。心に残ったのは、素行の悪い主人公がMITの教授との交流で成長していくシーンではなく、同じ境遇だった仲間の一言によって世界に飛び出していく場面だったそうです。
「いわゆるマイルドヤンキーですよね、主人公は。後押ししたやつも同じマイルドヤンキー。そんなやつ、現実にはいないかもしれない。でも、自分のメッセージが、一押しになるんじゃないかって。そういう思いで本を書いています」
「自分にとって何が得かは自分で考えろ」という思いから、本のタイトルも『行くべき』ではなく『行ける』にしたそうです。
「刑務所では読売新聞と朝日新聞を読んでいたんだけど、見える世界が全然違う。今回の参院選だと、朝日新聞の『SEALDs』の取り上げ方とか、狭い世界でしか盛り上がっていないんじゃないかって思いましたね」
堀江さんが強調するのは「何事も自分自身にあてはめて考える」ということ。「こういう世界があるよ。世界を知らずにいることはないよって思いますね」
選挙には出ない一方、投票率が上がらない現状は「良くない」と言う堀江さん。投票率アップのアイデアをツイッターなどで披露しています。
「投票に行ったらLINEのスタンプをプレゼントするんです。ポケモンのアイテムでもいい。GPS機能と投票日の日時を連動させれば、すぐにできますよ」
投票率が低い原因を「面白くない」「面倒くさい」からと指摘する堀江さん。
「真面目に選挙に行きましょうって行ってもダメ。能動的に参加できる仕掛けがないと。位置ゲーの会社とか協力してくれないかなぁ」
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