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お金と仕事

就活解禁の時期って、誰が決めているの? 「12月前倒し説」の真相

今年の就活解禁日。企業の合同説明会場では、説明を聞いた学生らが、メモにペンを走らせていた=諫山卓弥撮影
今年の就活解禁日。企業の合同説明会場では、説明を聞いた学生らが、メモにペンを走らせていた=諫山卓弥撮影 出典: 朝日新聞

就職活動シーズンまっさかり。次の出番をひかえた大学3年生のあいだで今、あるうわさが広まっています。「就活解禁、12月に前倒し説」。もし本当なら、大慌てで準備しないといけなくなる! そもそも「就活解禁」って誰が決めているの? 学生にとっても企業にとってもいち大事となる、噂の真相を追いました。

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カギにぎる経団連「調査後に判断」

就職活動の解禁日程は、日本経済団体連合会(経団連)が決める指針が基本になります。早めに学生を確保したい企業側と、学業への影響を避けるため、遅めの日程を求める大学側。様々な立場の人たちと調整して経団連は日程を決めます。

今年は3月に就活解禁(厳密には説明会などの広報活動解禁)、6月に面接などの選考解禁ですから、12月となれば3カ月の前倒しとなります。

就活のスケジュールは最近、ひんぱんに変わってきた
就活のスケジュールは最近、ひんぱんに変わってきた 出典: 朝日新聞

うわさは本当ですか? 経団連の労働政策本部主幹の坂下多身さんに聞きました。

「まだ決まっていません。今年の採用が一段落してから、日程が良かったかを調査して判断します」と坂下さん。

うーん、つれない回答……。でも、採用一段落後の調査を待っていたら、8月か、9月か。それまで待ってられないですよ!

すると、「通常、解禁時期は1、2年前に決めるもの。企業も大学も準備が必要だからです。ただ、それ以上の理由があれば、急だとしても日程を変えることもあります」と、ヒントを教えてくれました。

つまり、学生や企業の不満がものすごく大きければ、急でも日程を変える、ということです。

実際に、昨年の「3月に就活解禁、8月に選考解禁」という日程を見直し、今の「3月に就活解禁、6月に選考解禁」にすると決まったのは昨年の12月。とても急な決定でした。それは経団連の調査で、80%の企業が「見直すべきだ」と答えるなど、不満が大きかったから。

一昨年より就活期間が後ろ倒しになり、かつ長引いたことで、解禁を待たずに説明会を開いたり、面接を進めたりするなど抜け駆けする企業が相次ぎ、企業側は混乱。学生も長期間を就活に費やすことになりました。企業にとっても学生にとってもあまりに不評だったのです。

短期決戦となっている今年の就活。合同説明会には大勢の学生が集まった=諫山卓弥撮影
短期決戦となっている今年の就活。合同説明会には大勢の学生が集まった=諫山卓弥撮影 出典: 朝日新聞

「12月前倒しせよ」は下火に

では、今の日程について、学生や企業はどう考えているのか?

「マイナビ」の今年2月の調査によると、今年の日程を、昨年より「プラスに捉える」とした学生は52.2%。昨年の調査よりも15.1ポイント増え、「マイナス」の47.9%をやや上回りました。期間が短くて忙しいとの声はありますが、長すぎるよりは良い、と捉える学生が多いとのことです。

マイナビ社は来年の日程をどうみているのか。「3月になると思って動いています。システムの構築もあるので、いま『前倒し』と言われても困ります。企業も年間で採用の準備をするので、大きな企業ほど困るでしょう」(広報)とのことす。

リクナビを運営するリクルートキャリア社の就職みらい研究所長、岡崎仁美さんは次のように話します。

「早めに学生を確保したい企業や大学4年の卒論研究を重視する理系大学からは12月への前倒しを望む声がありました。でも、企業側も、3月解禁自体は2年目なので、慣れてきました」

「去年は途中段階で『もう変えないと無理』という声が高まっていましたが、今年は逆で、『12月に前倒しせよ』と求める声はだんだん下火になってきています」。

前倒しはない! でも、「ひと安心」ではない

記者が取材した限りでは、現3年生は「前倒しはない」を前提に準備してよさそうです。

12月を望む企業や大学の声は根強かったので、前倒しのうわさが出たと見られます。現2年生は、前倒しの可能性が残されています。

さて、大学3年生のみなさん。スケジュールに余裕がありそうでひと安心、ではありません。

実は「3月解禁」で、就活のあり方が変わりつつあります。それは、「インターンシップからの直接採用」の増加。新たな就活時代を生き抜くコツを、明日から「ウィズニュース」で配信する記事でご紹介します。

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