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まるでCG! 驚きの色鉛筆アート 濃淡を駆使、作者の女性に聞く
色鉛筆だけで描かれた絵が「まるでCGみたい」と、ネット上で話題になっています。
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色鉛筆だけで描かれた絵が「まるでCGみたい」と、ネット上で話題になっています。
色鉛筆だけで描かれた絵が「まるでCG(コンピューターグラフィックス)みたい」と、ネット上で話題になっています。作者は鹿児島県内に住む女性・りりぃさん。絵は独学で、1枚あたり10~20時間かけて肌のきめや髪1本に至るまで手書きで仕上げます。どんな技術を駆使すれば色鉛筆らしからぬ絵が描けるのか? りりぃさんに話を聞きました。
5月中旬、「色鉛筆でCGにどこまで近づけるかしら」という文言とともに描きかけのイラストがツイッターに投稿されました。
描かれているのはアニメーション映画に登場するキャラクター。平面とは思えない立体感あるイラストの制作過程を4回に分けて投稿したところ、最初の投稿はリツイートが1万2千を超え、いいねは1万6千を超えました。
ネット上では「神の領域」「生きてる感じ凄い」「ゴッドハンドが織り成す奇跡」といった驚きの声が上がっています。
色鉛筆でCGにどこまで近づけるかしら(´ー`)
— Lily・りりぃさん (@Li1yko) 2016年5月13日
これで大体3時間くらい経過モフモフ#ズートピア #ニック #Zootopia #drawing #色鉛筆 pic.twitter.com/6fqxxY4t8D
色鉛筆で目指せCG!とは言えアナログにも限界はあるのです(´Д`)あぁ…モフモフが憎い
— Lily・りりぃさん (@Li1yko) 2016年5月14日
ニック経過〜このままニンジンちゃんへと進みます#色鉛筆 #ズートピア #drawing #Zootopia pic.twitter.com/9h6ignbc2N
色鉛筆でズートピア経過〜ジュディが現れると絵が賑やかになってきた♪あともう少し!頑張る!#色鉛筆 #ズートピア #drawing #Zootopia pic.twitter.com/ECxqePmm6Z
— Lily・りりぃさん (@Li1yko) 2016年5月15日
【色鉛筆画】色鉛筆で目指せCG!ズートピア完成です!とはいえ、やはりCGの壁は厚かったですw
— Lily・りりぃさん (@Li1yko) 2016年5月20日
愛らしい2人をとても楽しく描けました♪
もふもふ最高!ズートピア最高!!#ズートピア #Zootopia #色鉛筆 pic.twitter.com/Egz0S8vGfv
投稿したのは、鹿児島県内に住む女性のりりぃさん。アニメのキャラクターだけでなく、映画俳優などのイラストも数多く発表しています。
学校などで絵を学んだわけではなく、他の仕事をしながら独学で身に着けたそうです。そんなりりぃさんに、色鉛筆画を始めたきっかけや技法などを詳しく聞きました。
――色鉛筆画を始めたきっかけは
「もともと絵が好きで鉛筆画を描いていたのですが、ある時期に色の世界にも挑戦したくなり、そのとき身近にあったのが色鉛筆でした」
「そこで初めて描いた虹色のライオンが某SNSで海外のアーティストの方の目に留まり『あなたはもっと色鉛筆でたくさん絵を描いてみるといいよ、きっと相性がいいはずだよ』という言葉をかけて頂き、それをきっかけに主に色鉛筆で絵を描き続けています」
――いつごろから始めたのでしょうか
「三年ほど前からです」
――もともと絵を専攻されていたのでしょうか?
「絵は独学です。絵や写真、映画などいろんな作品から勉強させてもらっています。油彩はまだ触ったことがありませんが、いつか挑戦してみたいです」
――色鉛筆以外でも描くのですか
「ときどき、鉛筆やボールペンを使った絵も描きます」
――色鉛筆画は専業ですか?
「専業ではありません。たまに結婚式のウェルカムボードなど贈り物用に依頼を受けて描いていますが、本業は別になります。年齢も秘密です」
――1枚を描き上げるのにかける時間は
「絵の大きさや描くものによって異なりますが、大体10~20時間ほどかかります」
――色鉛筆以外の画材は使っていないのでしょうか
「色に関しては色鉛筆のみです。後は色を馴染ませるために綿棒やコットンなどを使うことがあります」
――精巧に描くポイントを教えて下さい
「例えば人の肌なら、肌表面を拡大した時に見える細かい網目の角層があります、それを描くつもりで色鉛筆で細かく描いていきます。何層か重ねていくと肌の質感に近づきます」
「髪や動物の毛並みだと、毛根から一本ずつ生えているようにひとつひとつ描いていきます。どれだけ実際のものに近づけて描くかがポイントです」
――もう少し詳しく技法について教えて下さい
「一本の色鉛筆で重ねていくと同じ色で埋まってしまい、結果のっぺりとしてしまい奥行きが出ません。光が当たる場所や奥にあるものを描き分けるために全体を見ながら濃淡と筆圧を使い分けて描きます」
「ただ重ねていくだけではなく『光』の出し方も重要です。光の部分は塗らずに、白抜きするように周りに色を重ねていく塗り方もあります。密集した色の中に細かい光が入ると、ふわっとした毛並みに近づきます」
――外国人俳優の絵が多いですね
「幼い頃から母の影響で洋画や洋楽が大好きでした。絵を描き始めてからは素敵な俳優さんを見つけると描きたくなる衝動にかられてしまい、気づけば俳優さんばかり描いていました」
――ご自分が考える、ご自身の絵の特徴とは
「色鉛筆は淡くふんわりした絵を描くのに適した画材ですが、私の色鉛筆画は逆にコントラストの効いたハッキリした色使いが特徴です。色鉛筆でこんな色合いも出せるんだ!と驚いてもらえる描き方を意識しています」
――色鉛筆画を描くときに心がけていることは
「見てくれる方が楽しんでもらえるように、『どうやって描いてるんだろう?』とワクワクしてもらえる絵を描くことです。そのために質感をどこまで再現できるか。とにかく細かく描くことを心掛けています」
――ネット上で「CGにしか見えない」と話題になっていますが
「とても嬉しいです。正直、この絵を描き始めた時はこんなに反響があるとは思っていなかったのでビックリしていますが、色鉛筆の可能性がまたひとつ広がったかな、と私自身もワクワクしています」
――これからやってみたいことや、意気込みを教えて下さい
「更にもっと『色鉛筆ってすごい!』と驚いてもらえる作品を描くことと、今まで習得してきた技術を生かしてデザイン性のある絵も描いていきたいと思っています。いつかは海外でも活動できるようになるのが目標です」
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