IT・科学
文系さん、ついてこられますかー「2次元小説」40文字の宇宙感
格子状に連なった文字を、左上から右下にどのルートで読み進めても話が成立する「2次元小説」が話題です。40文字ほどの70パターンの異なった話が1つのマトリックスに詰め込まれています。
考案したのは、大阪大の橋本幸士教授(物理学)。次元や空間の視覚化などを試みる「超ひも理論知覚化プロジェクト」の一環として製作しました。
橋本さんが自身のツイッターに、「時間軸が二つある小説」として投稿すると「画期的」「文系の人間にはできない文学かも」などと話題を呼び、約2万リツイートされました。
同様のルールで、小説や昔話の創作に挑戦するツイッターユーザーも現れています。
時間が2次元である小説を書いてみた。
— 橋本幸士 Koji Hashimoto (@hashimotostring) 2016年4月27日
空間が2次元(例えば地球の表面上)なら、目的地へ行くのに右の道や左の道の色々な経路を通れる。時間軸が2つある、というのは、この小説のようなものだろう。(超ひも理論知覚化プロジェクト) pic.twitter.com/qSH4364UNL
「超ひも理論」とは、物質の根源は粒ではなく「ひも」と考える理論。物を最も細かくした素粒子を、点ではなく細くて見えないひもが振動したものだとする考え方です。
ひもが住む世界は、縦横高さの空間と時間の4次元ではなく10次元だといわれていますが直感的に何が何だか…
そんな高次元の世界を表現し、基礎科学の楽しさを世に広めるのがプロジェクトの狙い。その活動の中で、この何とも不思議な作品が生まれたそうです。
「これをきっかけに、高次元の時間や空間に思いを馳せてもらえると嬉しい。それが科学への入り口ですので」と橋本教授。
ツイッター上で大きな話題になったことには、「思いもかけずこのような広がりを見せて、嬉しいです」と喜んでいます。
そして話はさらに高次元に…。同プロジェクトメンバーで、建築デザイン事務所「noiz(ノイズ)」のプログラマー、堂園翔矢さんは時間3次元と時間4次元の動画小説を製作しました。
立方体上に文字がふわふわ。神秘的な文字の世界をぜひお楽しみ下さい!
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