感動
漫画家「くまモン」支援、きっかけは旧満州の体験 投稿への思い聞く
熊本地震の被災地を、熊本県のマスコットキャラ「くまモン」の絵で応援しようという動きが、ツイッター上で盛り上がっています。著名な漫画家が自身の漫画のキャラクターとともに描いたり、避難所で役立つ知識を描いたり。「厳しい避難生活を少しでも和らげてほしい」。きっかけとなったのは、ベテラン漫画家の終戦直後の体験でした。賛同した漫画家たちに話を聞きました。(朝日新聞東京本社社会部記者・仲村和代)
起点となったのは、漫画家の森田拳次さん(76)。地震発生後、「苦しい中で、笑いが救いだった」という旧満州からの引き揚げ体験を思いだしたといいます。けがをしたくまモンの絵に「クマモンがクマっている 助っ人にいくベア」と言葉を添え、友人で「あしたのジョー」の作者、ちばてつやさん(77)に16日、ファクスで送りました。
これを、ちばさんがブログで公開。この絵を見たボクシング漫画「はじめの一歩」の作者、森川ジョージさん(50)は、「これだ」と思ったといいます。
森川さんに話を聞くと、「現地の邪魔にならず、漫画家の僕にもできることを気づかせてくれた」。
森川さんもくまモンの絵を描き、ツイッターに投稿したところ、共感した人たちがハッシュタグ「#くまモン頑張れ絵」と共に次々に投稿し始めました。
「現地はまだ通信状況も悪くてそれどころじゃないだろうけど、いつか落ち着いた時に見て、楽しんでくれる人がいれば」と森川さん。
兵庫県明石市の洋服店経営、熊野紀彦さん(43)は、ポリ袋で作る簡易オムツの作り方を描き、投稿しました。自身も2人の子がおり、「もし自分が被災したら、オムツのことは困るだろうな」と考えたといいます。
ツイッターへの投稿は初めてでしたが、5千回以上リツイートされています。
46万人のフォロワーがいる、くまモンの公式ツイッターは、14日の地震以降、つぶやかれていません。くまモンのオフィシャルページでは「地震に見舞われた方々の事を最優先に行動している」と説明しています。
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