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ニジマス「俺って外来種」「マジ?www」 水族館がLINE風解説

北海道北見市にある「北の大地の水族館(山の水族館)」の館内にある解説板がツイッター上で話題になっています。

山の水族館に設置されているニジマスの解説文の一部
山の水族館に設置されているニジマスの解説文の一部 出典: 山の水族館提供

目次

 北海道北見市にある「北の大地の水族館(山の水族館)」の館内にある解説板がツイッター上で話題になっています。ニジマスに関する説明が、メッセージアプリ「LINE」風になっているのです。それだけでも十分に目を引きますが、若者言葉で繰り広げられる会話の中身も「オチが面白い」と評判になっています。作成した副館長に話を聞きました。

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山の水族館とは


 2012年にリニューアルした「山の水族館」は、東京のサンシャイン水族館などを手がけた水族館プロデューサー・中村元氏が展示の企画やデザインを担当。冬には屋外に設置された「四季の水槽」の水面が完全結氷し、氷の下で泳ぐニジマスやヤマメなどをガラス越しに観察できます。

 そんな水族館の「四季の水槽」に設置された解説板。ニジマスやヤマメ、ウグイなどが泳ぐ水槽の横に、ニジマスが「謎の魚」とLINE風の画面でやりとりしています。

展示されている解説文
展示されている解説文 出典: 山の水族館提供

これが話題の解説文

 ニジマス「俺って外来種らしいんだけど知ってた?」

 謎の魚「は?マジ?www」

 ニジマス「マジ笑えねーガチで在来種だと思ってたわ」

 ニジマス「なんかひぃひぃひぃひぃひぃじいちゃんくらいがアメリカ?から連れてこられたらしいわ」

 謎の魚「まじかよ」

 謎の魚「でも別にお前悪くなくね?釣ったら楽しいとか食ったらうまいとか人気じゃね?」

 ニジマス「なんか、イトウとかいうヤツと繁殖期とか繁殖場所がかぶるらしくてダメとか言われたwwwいみわからんw」

 謎の魚「マジかーないわーじゃあイトウがいねーとこなら問題なくね?この辺だったらいねーからいいじゃん」

 ニジマス「俺って魚食うの好きじゃん?だからヤマメとかオショロコマとか食うのも良くないらしいんだよねーマジ絶望」

 謎の魚「俺の兄弟食ったのお前かよ」

 謎の魚「絶許」

 途中まで好意的に話していた謎の魚が実はヤマメで、兄弟を食べられたことを知り、怒るというオチです。

 この解説板を見た人が画像つきでツイッターに投稿すると、リツイートは1日半で1万5千を超えました

ニジマスは外来種


 環境省などがつくっている「生態系被害防止外来種リスト」によると、ニジマスは「適切な管理が必要な産業上重要な外来種」とされています。

 日本へは1877年にカリフォルニア州から卵が持ち込まれたのが最初で、九州以北の冷水域で養殖され、釣魚として大量に放流されているそうです。また、在来魚類との競合や捕食が懸念され、北海道では在来サケ科魚類と競合しており、一部地域では在来種を駆逐しているとあります。

 水族館の解説文は、目を引きつつも、勉強になり、笑いもとれる仕掛けになっているようです。

給餌解説パフォーマンスの様子。イトウに生きたニジマスを捕食させる。生きたニジマスを生きたイトウが全力で追いかけ食べる瞬間を見てもらうことで、命と命のつながりや食物連鎖を実感してもらいたいという思いを込めている
給餌解説パフォーマンスの様子。イトウに生きたニジマスを捕食させる。生きたニジマスを生きたイトウが全力で追いかけ食べる瞬間を見てもらうことで、命と命のつながりや食物連鎖を実感してもらいたいという思いを込めている 出典: 山の水族館提供

作成した副館長に聞きました


 なぜ、こんな解説板を思いついたのか? 作成した副館長の山内創さん(28)に話を聞きました。

 ――思いついたきっかけを教えて下さい

 「北海道ではニジマスは釣りや放流で地元に根付いており、外来種と知らない方が多くいらっしゃると感じていました。そこで、このことを伝えたいと思ったんです」

 ――なぜLINE風にしたのですか

 「水族館の解説板は9割方、読まれていないと言われています。どうしたらニジマスのことを知ってもらえるかと考えた結果です」

 ――若者言葉ですね

 「若い来館者がそれほど多くないので、若い人に意識してもらえたらと工夫しました。若い人に聞かずに書いたので、ちょっと自信はありませんが」

 ――オチまでついています

 「これも最後まで読んでもらうための工夫です」

 ――「面白くて、ためになる」と評判です

 「思いつきでつくったものなので、反響にびっくりしています。たくさんの人に拡散することで水族館のことも知ってもらえますし、ニジマスの生態についても伝えることができたと思うので、うれしい限りです」

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