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雑誌の付録、公立図書館での扱いは? 「税金で買っている以上…」
税金で図書を購入している図書館の場合、雑誌の付録の扱いはどうしているのでしょうか?
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税金で図書を購入している図書館の場合、雑誌の付録の扱いはどうしているのでしょうか?
どんどん豪華さを増している雑誌の付録。書籍よりも付録ほしさに買ってしまうことがあります。ところで、税金で図書を購入している図書館の場合、付録の扱いはどうしているのでしょうか? 保管場所には困らないのか? そもそも扱いにルールはあるのか? 公立図書館や国立国会図書館に聞いてみました。
福岡県にある筑後市立図書館は、2年前から付録をプレゼントするイベント実施しています。筑後市内や近隣の市町在住の人で、図書館の利用カードをもっている人たちを対象に、抽選で付録を詰め合わせた袋をプレゼントします。
袋は3~4種類の付録がセットになっていて一般の部、子どもの部と分かれています。貸し出し5点ごとに応募券が1枚もらえる仕組みです。
「毎年2月は寒いのと日数が少ないのとで、利用者が減る時期なんです。たまってきた付録を利用者に還元しながら、貸出冊数を増やす一石二鳥な取り組みです」と一ノ瀬留美館長は話します。
この図書館では現在、週刊や月刊など継続的に計113誌が入荷しています。もともと雑誌は少なかったのですが、企業スポンサーによる寄贈の取り組みを始めたことで徐々に増えているそうです。雑誌のうち3分の1ほどに付録が付いているため、かつては扱いに困っていました。
一ノ瀬館長は「ほとんどを税金で購入している以上、付録を捨てるわけにもいきません。うまく活用できてよかったと思います」と話します。
兵庫県にある小野市立図書館も、2013年から付録をプレゼントしています。こちらは図書館から20冊借り、カウンターで職員とのじゃんけんに勝つことが条件。山口県の下関市立中央図書館ではお年玉としてプレゼントとしているそうです。
筑後市立図書館の一ノ瀬館長によると、プレゼントとして配る以外にも、納品の際に本屋に付録なしにしてもらうよう頼んでいる図書館もあるといいます。
付録の扱いについてルールはあるのでしょうか? 全国組織の公益社団法人「日本図書館協会」の副理事長・山本宏義さんによると「これまで議論になったことはなく、ルールは決まっていません。各図書館で判断しています」とのことでした。
雑誌を付録と一緒に貸し出すかどうかについては「一般的に、CDや型紙など雑誌と一体として利用されるものについては貸し出していますが、そうでない場合は貸し出していないと思います」。
それでは国立国会図書館はどうなのか? こちらの場合は「納本制度」があり、出版社や国の機関に対し、出版物の納入を法律で義務付けています。納本の目的は「国民共有の文化的資産」の保存で、特殊事情がある場合を除いて原本を捨てることはありません。
所蔵点数は増え続けて、2014年度末時点で約4107万点に。そのうち「雑誌・新聞」は約1650万点もあります。付録つき雑誌の内訳はわかりませんが、これだけあると付録だけでも場所をとってしまうのでは? 広報担当者に聞くとこんな答えが返ってきました。
「DVDや冊子など本に付随して使えるものについては、利用できるように保管しています。そうでない付録については捨てずに別な場所に保管していますが、今のところ担当者から『保管場所に困っている』という話は聞いていません」
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