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ネットの話題

窓ごしに現れる「幻の1番線」 景色と絵が融合、長野駅の粋な演出

長野駅から無くなったはずの「1番線」を今でも見ることができる、とネット上で話題になっています。

ホームだったころの名残をとどめている場所を窓ごしにのぞくと、窓に描かれた絵が現在の景色と重なって当時を再現してくれる
ホームだったころの名残をとどめている場所を窓ごしにのぞくと、窓に描かれた絵が現在の景色と重なって当時を再現してくれる 出典: JR東日本長野支社提供

目次

 長野駅から無くなったはずの「1番線」を今でも見ることができる、とネット上で話題になっています。心霊話ではなく、ちょっとした仕掛けがあります。ホームだったころの名残をとどめている場所を窓ごしにのぞくと、窓にうっすらと浮かんだ絵が現在の景色と重なって当時を再現してくれるのです。設置した狙いについて、JR東日本長野支社に話を聞きました。

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実際の窓はこんな感じです
実際の窓はこんな感じです 出典: JR東日本長野支社提供

窓にはこんな説明文が


 窓が設置されているのは、駅ビル「MIDORI長野」と立体駐車場を結ぶ通路。窓には特急列車と乗り降りする人たちのシルエット、そして、こんな説明文が書かれています。

 「長野駅には1番線がないのを知っていますか? 現在はその役目を終えてしまいましたが、ホームの名残をとどめており、この窓から見下ろすことができます。当時はこのホームでも、きっとたくさんの出会いや別れがあったことでしょう。」

 東京―長野間の新幹線開通に伴って無くなった1番線。かつてあった場所は駐輪場になっていますが、ホーム上屋や白線などが残っています。その場所を窓からのぞくと、まるで当時の景色を眺めているような錯覚に陥ります。

かつて1番線があった場所。現在は駐輪場になっている
かつて1番線があった場所。現在は駐輪場になっている 出典: JR東日本長野支社提供

鉄道ファンを中心に拡散


 先月下旬、長野駅を訪れた人がこの窓に気づき、画像付きでツイートすると、鉄道ファンを中心に拡散しました。

 「とっても素敵」
 「長野行きたくなった」
 「特急あさまがこの1番線に滑り込んだシーンを思い出しました」

広報担当者に聞きました


 どうやって、この仕掛けを思いついたのか? JR東日本長野支社の担当者に話を聞きました。

 ――いつから設置されているのでしょうか

 「昨年の11月21日からです」

 ――設置した理由を教えて下さい

 「北陸新幹線が金沢駅まで延伸したのを契機に新しく生まれ変わった長野駅では、長野県や長野市などと連携し、駅から地域の魅力を発信するプロジェクト『信州100stories』に取り組んでいます。2015年3月までにオブジェなどを設置する取り組みをいったん終えましたが、新たなコンテンツの一つとして設置しました」

「信州100stories」に関連する展示。木曽漆器のアートワーク
「信州100stories」に関連する展示。木曽漆器のアートワーク 出典: JR東日本長野支社提供

社員のつぶやきがきっかけに


 ――アイデアのきっかけは

 「当社社員が連絡通路を通ったときに『昔ここは1番線で、あさまが走っていたんだよなあ』とつぶやいたことから、アイデアが生まれました。これをもとに、長野美術専門学校の学生たちから具体的なデザイン案をいただいたんです。駐車場にとめてから駅や駅ビルを利用されるお客さまにとって、当通路は『入り口』であり、『施設の顔』となります。そこが殺風景だったこともあり、装飾を行うことになりました」

 ――どのような反響が寄せられていますか

「『懐かしい思い出がよみがえり、観光地へ行ってみたいという気持ちになった』という声をいただいています。長野駅は、交通のハブとしての機能だけでなく、地域の魅力や情報のハブとしての機能も充実させていきます。そのためにも、こうした取り組みを今後も実施していきます」

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