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シブヤ的群衆行動の謎 ハロウィーン・代表戦…何しに行ってるの?

サッカー代表戦やハロウィーンで渋谷に集まる若者たち。実は、出会いが目的ではなく、一緒に参加した仲間と盛り上がるために出かけているようです。

日本代表がサッカーのワールドカップブラジル大会出場を決めた2013年6月4日、渋谷駅前に集まり、乱舞するサポーター
日本代表がサッカーのワールドカップブラジル大会出場を決めた2013年6月4日、渋谷駅前に集まり、乱舞するサポーター 出典: 朝日新聞

目次

 サッカー代表戦やハロウィーンで渋谷に集まる若者たち。いったい、その目的は何なのか? 見知らぬ人と仲良くなれそうですが、実は、出会いが目的ではなく、一緒に参加した仲間と盛り上がるために出かけているようです。そして、最大の目的は、手っ取り早く「リア充」をアピールすること。インターネット調査で「群れる若者」を調べたところ、そんな実態が明らかになりました。

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閉鎖的な人も積極的に参加

 NTTアドが関東圏在住の16歳から39歳男女を対象にインターネットで調査をしました。ハロウィーンやサッカー代表選などのイベントを「シブヤ的群衆行動」と定義し、8696人に参加の有無を聞きました。参加したことがあると答えた人の中から、426人を抽出し目的などを詳しく聞きました。

 「シブヤ的群衆行動」には全体の43.7%が参加していると答えました。そして参加していると答えた人のカテゴリーを、次の4つに分類したところ、ハロウィーンのようなイベントは「開放的で群れたい派」と「閉鎖的だけど群れたい派」が混在していることが分かりました。

【イベント参加者のカテゴリー】
・開放的で群れたい派:37.5%
・開放的だけど群れたくない派:18.6%
・閉鎖的だけど群れたい派:38.7%
・閉鎖的で群れたくない派:14.8%

 ポイントは、新しい人と出会いたい「開放的」グループだけでなく、仲間うちだけで盛り上がりたい「閉鎖的」グループも同じくらい参加している点です。渋谷というオープンなスペースでのイベントであっても、目的は知らない人との出会いだけではないことが、明らかになりました。

顔に貼ったシールをはがしながら駅に向かうサポーター=2014年6月25日
顔に貼ったシールをはがしながら駅に向かうサポーター=2014年6月25日 出典: 朝日新聞

SNSでの知り合いは少数派

 どのような関係の人と一緒に行くのか聞いたところ、リアルなシーンでの知り合いが多いことがわかりました。全体的に多いのは「同級生」で50.9%にのぼりました。SNSなどで知り合った人と行くパターンは少なく全体では9.6%にとどまり、属性別では「男性/学生」の14.7%が最高でした。

【同級生と一緒に行くと答えた人】
・全体:50.9%
・男性/学生:54.4%
・男性/社会人:39.4%
・女性/学生:57.7%
・女性/社会人:48.4%

仮装した人でにぎわう渋谷駅前のスクランブル交差点=2015年10月31日
仮装した人でにぎわう渋谷駅前のスクランブル交差点=2015年10月31日 出典: 朝日新聞

目的は「思い出作り」

 参加の目的で多かったのは「思い出作り」で39.7%でした。特に「女性/学生」は仲間同士の関係を重視しており、41.6%が「一緒に参加した友人と盛り上がりたい」と答えました。

 一方、「男性/社会人」は「非日常を感じたい」が13.6%と他の属性に比べると高い結果になりました。イベントに参加することで、日常のストレスを発散させたい気持ちがあるようです。

 「その場に居合わせた人と盛り上がりたい」は全体で11.7%、「新しい友人を作りたい」は4.9%にとどまりました。

渋谷駅前のスクランブル交差点。筒状のビル「渋谷109」が奥にそびえ、右手に渋谷センター街がある=2014年11月14日
渋谷駅前のスクランブル交差点。筒状のビル「渋谷109」が奥にそびえ、右手に渋谷センター街がある=2014年11月14日 出典: 朝日新聞

「リア充」効率的に演出

 市場としてのハロウィーンは拡大中で、日本記念日協会(長野県佐久市)の推計によると、2011年には560億円だったのが、2015年は1220億円に。6740億円(2014年)のクリスマスには及びませんが、1250億円のバレンタイン(2015年)に迫る勢いになっています。

 調査したNTTアドは「ハロウィーンなどのイベント参加者には、SNSで自分を秀逸なコンテンツに仕立て上げたい、という心理が働いている。一見、見知らぬ人と仲良くできそうだが、出会いは必ずしも求めていない。同じコスチュームを着るだけで友だちの多い『リア充』キャラを演出できる、参加者にとって効率的なイベントになっている」と分析しています。

関連リンク:NTTアドによるレポート「シブヤ」が欲しい若者たち

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