話題
アダルトビデオ業界、違法コピー動画対策に本腰 海賊版削除の現場
アダルトビデオ(AV)業界が違法コピーの動画対策に本格的に乗り出しています。
話題
アダルトビデオ(AV)業界が違法コピーの動画対策に本格的に乗り出しています。
ネット時代、コンテンツの違法コピーは増える一方です。新聞記事や写真、マンガ、映画、テレビ番組・・・どれも著作権を無視したコピーや「海賊版」があふれています。こうした中、アダルトビデオ(AV)業界が海賊版対策に本格的に乗り出しています。業界各社が協力し、ネット上のAV動画の削除に取り組む「知的財産振興協会」(IPPA、本部・東京)の幹部に聞きました。
--NPO法人・知的財産振興協会(IPPA)の活動内容や、設立の経緯を教えてください。
IPPAは4つの団体が加盟しています。それぞれ、アダルトビデオ(AV)作品の審査をしているんですね。AV作品は年間2万4千タイトルが出されているのですが、世の中に出していいものかどうかを自分たちでチェックする仕組みです。自主規制ですね。おおむね、それぞれのメーカーさんがIPPAやどこかの団体に加盟しています。
それで、AV作品を違法コピーした「海賊版」というものは昔からありまして、団体ごとに会員であるメーカーさんを守ってきたんです。ただ、昔はビデオをダビングして売って、という形でしたが、インターネットの時代になって侵害のやり方も多岐にわたってくるようになって。他の団体さんの作品も同じようにコピーされているので、自分たちの作品だけ守っていても効率がよくないよねと。
もちろん、団体としてはお互いライバル関係にあるのですが、著作権保護で何か協力できることはないかと話し合いが始まったのがきっかけです。
--新聞業界と似ていますね。新聞社同士はライバルですが、記事や写真などの著作権を守ることについては共通の利益があります。とはいえ、一緒にやるにはハードルがあります。AV業界は、そこをどうやって乗り越えたんですか。
そこ(事務所内)に張り紙があるでしょ? 「審査統一」って書かれてるやつです(笑)。これって日本のプロバスケットリーグのいざこざを教訓にしてまして。プロバスケ業界でも、2つの団体があって対立した結果、オリンピック予選への出場がピンチになったじゃないですか。我々AV業界もですね、それぞれが審査やっているんですけれど、ほぼ同じことやっている団体が5つあると。当時は7つあったのかな。
これだけ分裂している業界も珍しくて。対外的にみれば、なんでこんなに分かれているのかよくわからないし、一つでやったほうがわかりやすいのは間違いないし。昔から一つにできないかという話はあったんですが、なかなかうまくいかなくて。
1/16枚