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IT・科学

ニューズピックス黒字化「来年初頭に」 会員増、広告好調の理由は

2014年9月に編集部が本格的に動き出してから1年。ニューズピックスが業績を伸ばしている。多くのメディアがマネタイズに苦戦する中、好調の理由は何か。

成長を続けるニューズピックスのオフィス=古田大輔撮影
成長を続けるニューズピックスのオフィス=古田大輔撮影

長期的な関係つくるブランド広告

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有料会員からの課金収入を上回るのが、広告収入だ。単価の低いバナー広告ではなく、独自の「ブランド広告」に力を入れている。

「ブランド広告」には三つの種類がある。

「ブランド・アカウント」:NPのプラットフォーム上に企業がアカウントを作り、そこに自社の記事を流す。

「ブランド・ストーリーズ」:企業が連載記事のスポンサーになり、NPのブランド広告チームとともに自社のイメージにあう記事を書く。

「ブランド・タブ」:タブごとに分かれた記事カテゴリーの一つを企業が丸ごとスポンサーし、そこに紹介される個々の記事に企業名を入れる。

IBMがスポンサーとなっている「イノベーション」のブランド・タブ
IBMがスポンサーとなっている「イノベーション」のブランド・タブ

ブランド・アカウントでは、ユーザーがそのアカウントの記事を読む際には「フォロー」が求められる。一度アカウントをフォローしたユーザーのもとには、その企業は継続して広告やイベント告知などを届けられる。「1回流して終わる広告コンテンツではなく、広告を見たお客様をその企業のファンにし、長期的な関係をつくる」(梅田氏)。

NPはユーザー登録する際に、実名や会社名、役職などの入力を推奨している。また、ユーザーは自分が読んだ記事を他のユーザーにも紹介(ピック)したり、コメントしたりできるため、広告主は自らがスポンサーとなった記事が誰にどのように読まれたか、具体的なデータを手に入れることができる。

広告関係のシステムを構築している杉浦正明サービス開発マネージング・ディレクターは「グーグルアナリティクスなどでは、どの地域の人が読んでいるかなど、大ざっぱなところしかわからない。NPは誰が、どのようにコンテンツを読んでいるのかが、具体的に見えるのが強み」と話す。

エンジニアチームを率いる杉浦正明氏
エンジニアチームを率いる杉浦正明氏

オール・イン・ワンの「CMP」

杉浦氏らは現在、記事や広告を一括で管理するシステムを開発中だ。社内では「コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム(CMP)」と呼んでいる。記事や広告コンテンツの作成・配信・拡散というスタート地点から、そのコンテンツがどれだけ読まれ、どのように拡散し、コメントされたかというゴール地点の分析まで「オール・イン・ワンのプラットフォーム」。社内ツールとして使うだけでなく、ブランド・アカウントをつくった企業にも提供する。「このツールでPDCAサイクルを回すことで、記事も広告もより良いコンテンツが増えていく」(杉浦氏)ことを狙う。

現在、NPのブランド広告は、「イノベーション」カテゴリーのスポンサーになっているIBMを含め、「ナショナルクライアントを中心に約20社と取引している」(NP広報)。交渉中の案件もあり、さらに増える見通しだという。

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