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IT・科学

米バズフィード、今冬に日本進出 ヤフージャパンと合弁事業で

米「バズフィード」が今秋にも日本語版を開設します。ヤフー(東京)と合弁で日本法人を設立し、共同事業として始める見通しです。

米サイト「バズフィード」のトップ画面
米サイト「バズフィード」のトップ画面 出典: バズフィード

 米国の人気ニュースサイト「バズフィード」が今冬に日本語版を開設する。日本最大の検索エンジン「ヤフージャパン」を運営するヤフー(東京)と合弁で日本法人を設立し、共同事業として始める。

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 18日午前、ヤフーとバズフィードが発表した。合弁会社「BuzzFeed Japan株式会社」は8月12日付で設立済みで、持ち株比率はバズフィードが51%、ヤフーが49%。

 バズフィードは2006年創業。米「ザ・ハフィントン・ポスト」の創業メンバーの1人が立ち上げ、月間の訪問者数が2億人を超える新興メディア。フェースブックやツイッターなどSNSを通じた情報拡散(バイラル)を得意としており、ハフィントンと並ぶ「世界最大級のバイラル・メディア」とも呼ばれる。英仏独を含む欧州やブラジル、インド、豪州などに世界展開を進めており、日本への進出も2年ほど前から検討していた。

 関係者によると、日本法人の株式のうち過半数はバズフィード側が握る見込み。当初は7月中にも記者会見を開き、日本進出を表明する予定だったが、ヤフー側と収益の配分条件などをめぐり折り合いがつかず、ずれ込んでいた模様。インターネットでのニュース配信や記者の経験がある日本人を中心に、日本語版の編集長候補者を数人まで絞り込み、最終選考を行っている。

 バズフィードは「ネイティブ広告」と呼ばれる記事調の広告や洗練された動画広告で急成長し、年間100億円以上の広告収入があるとされる。しかし、日本進出にあたっては、日本が米国などに比べてSNSでのニュースの拡散力がまだまだ弱いことが懸念され、バズフィードの経営陣はネイティブ広告による収入確保を不安視していた。

 英フィナンシャル・タイムズ電子版は、バズフィードのグレッグ・コールマン社長の発言として、「ネイティブ広告の分野で日本はかなり初期段階にある」と伝えている。このため、バズフィードは日本のネットニュース配信で「ハブ」となっているヤフージャパンと提携し、利益を分配してでも、読者を大量に誘導する道を選択した。ヤフージャパンは新聞各社や通信社などからニュースを仕入れ、月間100億ページビュー(PV)を超える日本最大のニュースアグリゲーションサイトとなっている。

 ヤフージャパン側も、米国で人気の最新コンテンツを利用できるほか、ネイティブ広告やスマートフォンに最適化した動画広告などのノウハウを導入することを狙っている。ヤフーの親会社であるソフトバンクグループの投資会社が、過去にバズフィード社に投資しており、人的関係もあったとされる。

 バズフィードは、動物ネタやクイズ形式の記事、冗談交じりの面白い動画、「リスティクル」などと呼ばれるリスト形式の記事などで人気を集めている。ただ、コンテンツの著作権に関する日米の法的な違いなどもあり、バズフィードの報道手法が日本でどの程度通用するのか、未知数な部分もある。近年は硬派な報道にも力を入れ、大手新聞や政治系のネットニュースのベテランを編集長や記者として積極的にヘッドハンティングしている。

追記:18日午前、ヤフーとバズフィードの正式発表を受け、記事を更新しました。

ヤフーのプレスリリースはこちら


米バズフィードのブログはこちら

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