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新国立競技場の“森語録” 「名所にしたい」「生ガキ」「嫌だった」

迷走する新国立競技場。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏の発言は常に注目されてきました。

森喜朗氏。新国立競技場の迷走とともに、発言が注目される=2014年5月13日、東京都庁、竹谷俊之撮影
森喜朗氏。新国立競技場の迷走とともに、発言が注目される=2014年5月13日、東京都庁、竹谷俊之撮影 出典: 朝日新聞

 いったん、白紙に戻された新国立競技場の建設計画。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏の発言は常に注目されてきました。時に過激で、時に独特の例え話を交えた言葉の数々を振り返ります。

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「これを食べて、甘くなりなさい」

 2015年6月18日にあった東京都の舛添要一知事との会談で故郷・石川のハチミツを渡すと、知事は満面の笑みに。費用負担をめぐり、下村博文文部科学相と対立していた舛添知事。実は、直前の非公開の会談で、森氏は舛添知事の態度をたしなめていた。結局、都側も費用負担することに。

話をしながら席に着く東京都の舛添要一知事(左)と森喜朗氏=2015年7月7日
話をしながら席に着く東京都の舛添要一知事(左)と森喜朗氏=2015年7月7日 出典: 朝日新聞
5月18日、同じ会議室で下村博文文部科学相と対面した知事は怒っていた。「楽観的に、すべてうまくいく情報しか上がっていない。大日本帝国の陸軍と変わらない」「(五輪後に)マイナスの遺産を残さない配慮が必要だ」。報道陣に全てを公開した場で、矢継ぎ早に大臣に迫っていた。この間、約1カ月半。なぜ態度は一変したのか。2020年五輪・パラリンピック組織委員会の事務局で森喜朗会長と会ったのは6月18日だった。「これを食べて、甘くなりなさい」。森会長が故郷・石川のハチミツを渡すと、知事は満面の笑みを浮かべた。だがこの直前の非公開の会談の中で、森会長は厳しい口調で舛添知事をたしなめたという。組織委幹部は言う。「森さんに釘を刺され、知事は焦っていた」。会談の2日前まで5週連続で続いていた自身のウェブマガジンでの批判も、これ以降ぴたりとやんだ。
2015年7月9日:(さまよう聖地 新国立のゆくえ:上)新国立、折れた都知事:朝日新聞紙面から

「競技場を2020年五輪のレガシー(遺産)として、50~70年先も使える名所にしたい」

 2015年7月18日、新国立競技場の計画白紙を決めた安倍晋三首相との会談を終えて。「五輪は与えられた競技場でしっかりやっていく。ラグビーの皆さんには申し訳ないと思う。五輪が終わったら、国立を縦横無尽にラグビーに使ってもらったらいい」。建設計画白紙に理解を示す一方で、自らが日本協会名誉会長を務めるラグビーへの思いを口にした。

2000年10月3日、シドニー五輪金メダリストの田村亮子さん(左)、高橋尚子さん(右)に囲まれ、表情を崩す森喜朗氏
2000年10月3日、シドニー五輪金メダリストの田村亮子さん(左)、高橋尚子さん(右)に囲まれ、表情を崩す森喜朗氏 出典: 朝日新聞
総工費が2520億円に膨らんだ新国立競技場について、東京五輪・パラリンピック組織委員会長の森喜朗元首相は11日、札幌市内で講演し、「競技場を2020年五輪のレガシー(遺産)として、50~70年先も使える名所にしたい」と改築計画への理解を求めた。
 森会長は1964年の東京五輪で造った国立競技場について、「半世紀の間、日本のスポーツの聖地だった」と指摘。新競技場について「北海道の皆さんにも喜んで来て裸足になって走って歩けるような競技場を造って、20年東京五輪のレガシーとして残そうというのが我々、スポーツ愛好者の考え方」と語った。
2015年7月12日:新国立「五輪の遺産に」 森氏、理解求める 札幌で講演:朝日新聞紙面から

「僕は元々、あのスタジアムは嫌だった。生ガキみたいだ。(現行案の2本のアーチは)合わないじゃない、東京に」

 政府が、新国立競技場の建設計画を抜本的に見直すことを決めた2015年7月17日。BS朝日の番組収録で「した方がいい」と発言し見直しを容認。「私がラグビーW杯(の日本開催)を勝ち取ったが、これと国立競技場の建て替えは違う。(建て替えが)間に合わないなら、他の競技場ですればいい。ラグビーをターゲットにされるのは非常に不愉快だ」とも。

新しい国立競技場の模型を見る森喜朗氏(右)=2013年8月5日
新しい国立競技場の模型を見る森喜朗氏(右)=2013年8月5日 出典: 朝日新聞
東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相も同日、見直しを容認する考えを示した。政府は、競技場を19年のラグビーワールドカップ(W杯)で使う計画は断念して競技場が完成するまでの工期をのばし、デザインや工法などを大きく修正することで、総工費を圧縮する考えだ。安倍首相は17日午後、森元首相と会談し、計画見直しへの協力を求める。森氏は17日、BS朝日の番組収録で、計画の見直しについて「した方がいい」と発言。「僕は元々、あのスタジアムは嫌だった。生ガキみたいだ。(現行案の2本のアーチは)合わないじゃない、東京に」と語った。
2015年7月17日:新国立、抜本見直しへ 森氏も容認「元々嫌だった」 現行案撤回も:朝日新聞紙面から

「ラグビーの皆さんには申し訳ないと思う」

 2015年7月18日、新国立競技場の計画白紙を決めた安倍晋三首相との会談を終えて。「五輪は与えられた競技場でしっかりやっていく。ラグビーの皆さんには申し訳ないと思う。五輪が終わったら、国立を縦横無尽にラグビーに使ってもらったらいい」。建設計画白紙に理解を示す一方で、自らが日本協会名誉会長を務めるラグビーへの思いを口にした。

ラグビーの全国大学選手権決勝戦の会場に姿を見せた森喜朗元首相=2014年1月12日、国立競技場、関田航撮影
ラグビーの全国大学選手権決勝戦の会場に姿を見せた森喜朗元首相=2014年1月12日、国立競技場、関田航撮影 出典: 朝日新聞
安倍晋三首相との会談を終えた森喜朗・東京五輪・パラリンピック組織委員会会長(元首相)は「五輪は与えられた競技場でしっかりやっていく。ラグビーの皆さんには申し訳ないと思う。五輪が終わったら、国立を縦横無尽にラグビーに使ってもらったらいい」。建設計画白紙に理解を示す一方で、自らが日本協会名誉会長を務めるラグビーへの思いを口にした。
2015年7月18日:振り回されたラグビー W杯の算段崩壊、協会「痛い」 新国立「白紙」

「クラウンぐらいの車に乗ってたら、『センチュリーに乗りなさい』と誘われ、乗り換えたら車がパンクして、降ろされた。笑い話にもならない」

 ラグビー協会長だった森氏。2015年7月22日、ラグビーW杯の決勝が当初、日産スタジアム(横浜市)だった中、新国立競技場の案が浮上した経緯を、独特の例え話で振り返った。

インドの古都アグラでタージマハルを見学する森喜朗氏=2000年8月25日
インドの古都アグラでタージマハルを見学する森喜朗氏=2000年8月25日 出典: 朝日新聞
自身がラグビー協会長だったことも、事を複雑にした要因だったとし、「ラグビーW杯の開催が先に決まっていて、日産スタジアム(横浜市)を決勝の会場としていた。その後、開催が決まった東京五輪に向けて、改修される国立競技場でラグビーW杯も、と誘われた」と説明。「クラウンぐらいの車に乗ってたら、『センチュリーに乗りなさい』と誘われ、乗り換えたら車がパンクして、降ろされた。笑い話にもならない」。独特の例え話で振り返った。
2015年7月23日:東京五輪「経費2兆円超すかも」 森氏「五輪、大変お金かかる」

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