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猫カフェに隠居ハウス 10歳目安に引退、常連客との交流続く
大阪市にある「日本初」の猫カフェに、引退した猫たちが余生を過ごす部屋が誕生しました。きっかけは、愛した猫の死に涙した客の姿でした。
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大阪市にある「日本初」の猫カフェに、引退した猫たちが余生を過ごす部屋が誕生しました。きっかけは、愛した猫の死に涙した客の姿でした。
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大阪市にある「日本初」の猫カフェに、引退した猫たちが余生を過ごす部屋が誕生しました。開店から11年。10歳以上の老いた猫たちが暮らす一室に、若い時代を共に過ごした常連客が訪れています。オープンのきっかけは、お気に入りの猫の死を聞いて涙した客の姿でした。
猫たちが隠居するための部屋「セカンドハウス」を設けたのは大阪市北区の「猫の時間 北(きた)本店」。4月にオープンし、約150平方メートルの部屋に15匹が暮らしています。中には一時的に療養している猫もいます。オーナーの吉田陽子さん(59)によると、10歳を目安に、食欲が無くなって元気がなくなった猫や寝ている時間が多い猫をこの部屋に移してゆっくりと過ごさせているそうです。
引退する前の猫たちを知る常連客は平日の午後1時~午後5時の2時間に限ってこの部屋に入ることができます。店が混む休日に外で並ぶ客を入れることもあります。引退した猫と会えるようにしたのは、ある常連客の「あの子はどうしてる?」がきっかけでした。お気に入りだった猫が死んだことを聞いてその場で涙を流したり花束を持ってくる客の姿を見たりして、吉田さんは「この猫たちはもう自分だけのものではない」と思ったそうです。
「猫の時間」には大阪市北区の「北本店」と同中央区の「アメ村店」の2店舗があり、北本店には約20匹が18畳の和室で過ごしています。北本店の入場料はドリンク付きで平日1100円(土・日・祝は1200円)。
犬のトリマーだった吉田さんが、すでにあった「ドッグカフェ」から着想しました。世界初の猫カフェは台湾・台北にある「猫花園」と言われていますが、当時は知らなかったそうです。「猫花園」を取り上げた写真集をみて「テーマパークのようで『猫の時間』とよく似ていると思った」といいます。
台湾で猫花園に行きました!←世界初の猫カフェだそうです(*´艸`*) pic.twitter.com/GZAYHJeWGU
— 槙 (@axd_mixxxaxd) 2014, 6月 15
開店1年半後に「猫占い」を始めました。占うのは常連客だった神戸市長田区に住む易者、たちばなたまきさん。月に1回店を訪れ1件1000円で客を占います。生年月日から未来を予測する九星気学などを使って占いますが、店内にいる好きな猫を客に選んでもらうことである程度性格が分かるといいます。
例えば、茶色い猫が好きな人は「交際相手が働かない」といった悩みが多いそうです。理由は、茶色い猫は甘えたが多いから。白い猫が好きな人はマイペース、大きい猫を選ぶ人はおっとりとした性格だそうです。
たちばなさんは「猫の話題で打ち解けると本音が聞き出しやすく、占いにも役に立つのです」と話していました。
「猫の時間」は6月末、「セカンドハウス」の告知をHPにアップしました。これまでに約10人の予約があったそうです。吉田さんは「大好きだった猫に会いたいお客さんは多いはず。引退した猫たちも楽しみに待っていると思います」と話していました。