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お金と仕事

富豪バフェット氏の超質素な生活 資産9兆円、自宅は60年前のまま

世界的な大富豪の投資家バフェット氏。その生活は質素そのものです。自宅は60年前に買ったまま変えず、コーラが大好きという親しみやすい人柄です。

質素な生活で知られるバフェット氏。株主総会ではアイスキャンディーをほおばりながら登場
質素な生活で知られるバフェット氏。株主総会ではアイスキャンディーをほおばりながら登場 出典: 朝日新聞

目次

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 投資家のウォーレン・バフェット氏は、世界的な大富豪として知られています。ところが、その生活は質素そのものです。60年前に買った自宅に今も住み続け、コーラが大好き。5月にあった株主総会には、アイスキャンディーをほおばりながら登場するという親しみやすい人柄なのです。

大好きなコーラーをがぶ飲みするバフェット氏。こう見えて総資産9兆円=2010年5月、ロイター
大好きなコーラーをがぶ飲みするバフェット氏。こう見えて総資産9兆円=2010年5月、ロイター

世界長者番付で3位

 2015年版フォーブス世界長者番付では3位になったバフェット氏。総資産は9兆円と言われています。

 11歳で初めて株に投資。公益企業シティーズサービス3株を1株38ドルで買い、40ドルで売却した利益を妹と分けました。しかしその後、同株式は200ドルまで上昇し、幼いバフェット氏は、「優良安定銘柄は長期保有する」ことを学びました。これは、今、「投資の神様」といわれる彼の1番目の鉄則になっています。

日本で記者会見するウォーレン・バフェット氏=2011年11月21日、福島県いわき市のタンガロイ本社
日本で記者会見するウォーレン・バフェット氏=2011年11月21日、福島県いわき市のタンガロイ本社
米国の経済誌フォーブスは2日、2015年版の世界長者番付を発表した。資産が10億ドル(約1200億円)以上の富豪は前年より181人増の1826人にのぼり、過去最多だった。米国などでの世界的な株高で株式などの資産を多く持つ富裕層によりいっそう富が蓄えられている。(ニューヨーク)

■米誌フォーブスの世界長者番付(家族の資産を含む場合もある)
順位/名前(企業名・肩書など)/保有資産額
1ビル・ゲイツ(米国、マイクロソフト創業者)792億ドル
2カルロス・スリム(メキシコ、通信業)771億ドル
3ウォーレン・バフェット(米国、投資家)727億ドル
4アマンシオ・オルテガ(スペイン、ファッションブランド「ザラ」創業者)645億ドル
5ラリー・エリソン(米国、オラクル創業者)543億ドル
2015年3月4日:世界の富豪、最多1826人:朝日新聞紙面から
ニューヨーク市で開かれたタブレットPCの発売記念イベントで説明するマイクロソフトのビル・ゲイツ会長=2002年11月7日
ニューヨーク市で開かれたタブレットPCの発売記念イベントで説明するマイクロソフトのビル・ゲイツ会長=2002年11月7日 出典: 朝日新聞
生まれつき「金儲け」の才はあった。子ども時代、雑貨店を経営する祖父からコカ・コーラ半ダースを25セントで買い取り、1本5セントで売って、5セントの「利益」を得ることを学んだ。
 こうして貯めたお小遣いで、11歳で初めて株に投資。公益企業シティーズサービス3株を1株38ドルで買い、40ドルで売却した利益を妹と分けた。しかしその後、同株式は200ドルまで上昇し、幼いバフェットは、「優良安定銘柄は長期保有する」ことを体得。今日、「投資の神様」といわれる彼の1番目の鉄則だ。
2008年3月24日:億万長者は消費せず ビル・ゲイツより金持ちって? :アエラ

今も生まれ故郷で生活

 今も、生まれ故郷の米中西部ネブラスカ州オマハで暮らしています。5月にあった、バフェット氏が最高経営責任者を務める投資会社「バークシャー・ハサウェイ」の株主総会では、人口43万人の町に、4万人超の株主が世界中から集まりました。

 バフェット氏は、複雑な運用手法を使いこなすのではなく、企業の本質的な価値を見極め、割安株に長期集中投資します。そして、投資先企業が成長する限りは持ち続けます。
 
 「事業の内容を自分が理解できない会社には投資しない」が原則で、アップルやグーグルなどは「すばらしい企業」としながらも投資の対象としていません。1990年代のIT企業への投資ブームには距離を置き、ITバブル崩壊で投資眼の確かさが注目されました。

ケチャップのブランドとして世界的に有名な「ハインツ」は、いまやバフェット氏の企業グループになった=米ネブラスカ州オマハ、畑中徹撮影
ケチャップのブランドとして世界的に有名な「ハインツ」は、いまやバフェット氏の企業グループになった=米ネブラスカ州オマハ、畑中徹撮影 出典: 朝日新聞
米中西部ネブラスカ州オマハ。バフェット氏の生まれ故郷で5月上旬、最高経営責任者を務めるバークシャーの株主総会が地元アリーナであった。人口43万人の町に、4万人超の株主が世界中から集まった。7時間のマラソン総会で、会社の業績や経済の先行きについて次々と問われるバフェット氏。それらにほぼ1人でよどみなく答えていく。
「投資の神様」かく語りき 株主総会7時間、人生も講義:朝日新聞デジタル
「事業の内容を自分が理解できない会社には投資しない」が原則。アップルやグーグルなどは「すばらしい企業」としながらも投資の対象とせず、ハイテク企業ではIBMに大量投資する。「経営の道を誤る可能性が低い」からだ。1990年代のIT企業への投資ブームには距離を置き、ITバブル崩壊で投資眼の確かさが注目された。
「投資の神様」かく語りき 株主総会7時間、人生も講義:朝日新聞デジタル

給与は年10万ドルで据え置き

 飾らない人柄も、人気の秘密です。60年近く前に約3万ドルで買った自宅にいまも住みます。バークシャーから受け取る給与は年10万ドル(約1250万円)で長年据え置いています。

 ハンバーガーや甘い菓子、炭酸飲料が大好きで、株主総会にはアイスキャンディーをほおばりながら登場。「摂取カロリーの4分の1はコカ・コーラ」と冗談も。

株主総会の特設会場では「バフェット本」が飛ぶように売れた=2015年5月、米ネブラスカ州オマハ、畑中徹撮影
株主総会の特設会場では「バフェット本」が飛ぶように売れた=2015年5月、米ネブラスカ州オマハ、畑中徹撮影 出典: 朝日新聞
飾らない人柄も、人気の秘密だ。60年近く前に約3万ドルで買った自宅にいまも住む。バークシャーから受け取る給与は年10万ドル(約1250万円)で長年据え置いている。ハンバーガーや甘い菓子、炭酸飲料が好き。今年の株主総会にはアイスキャンディーをほおばりながら登場。「摂取カロリーの4分の1はコカ・コーラ」と冗談を飛ばした。
「投資の神様」かく語りき 株主総会7時間、人生も講義:朝日新聞デジタル

4兆円を寄付

 2006年には、約370億ドル(当時のレートで約4兆3千億円)分の株式の大半を、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が設立、運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」に寄付しました。

 資産家の子どもが相続によって生まれながら裕福となる仕組みには批判的です。当時のブッシュ政権が掲げる遺産税廃止など相続負担の軽減の動きに対しては、米メディア上で「(相続は)2020年の五輪代表選手を、2000年の五輪金メダリストの子どもから選ぶようなものだ」と訴えました。

少年時代に新聞配達をしていたバフェット氏。株主総会の前に、新聞紙を正確に投げる技を披露。右後方は米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏=2015年5月、ネブラスカ州オマハ、畑中徹撮影
少年時代に新聞配達をしていたバフェット氏。株主総会の前に、新聞紙を正確に投げる技を披露。右後方は米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏=2015年5月、ネブラスカ州オマハ、畑中徹撮影 出典: 朝日新聞
巨額の資産の大半を慈善財団に寄付することを明らかにした米投資家のウォーレン・バフェット氏(75)は、資産家の子どもが相続によって生まれながら裕福となる仕組みに批判的だった。1代で築いた巨富を慈善事業につぎ込むことで信念を貫いた格好だ。
 バフェット氏が寄付すると発表した約370億ドル(約4兆3千億円)分の株式の大半は、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長夫妻が設立、運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」に贈られる。
2006年6月27日:相続で裕福、批判 慈善事業にあて信念貫く 4兆円寄付のバフェット氏:朝日新聞紙面から
「オマハの賢人」とも呼ばれるバフェット氏は、出身地であるネブラスカ州オマハの質素な自宅に住み続けていることでも知られる。
 ブッシュ政権が掲げる遺産税廃止に代表される相続負担の軽減の動きに対しては、経済的格差を助長するうえ、資産家の子どもを甘やかすとして反対する立場を繰り返し表明。米メディアでは「(相続は)2020年の五輪代表選手を、2000年の五輪金メダリストの子どもから選ぶようなものだ」と強く批判してきた。
2006年6月27日:相続で裕福、批判 慈善事業にあて信念貫く 4兆円寄付のバフェット氏:朝日新聞紙面から

智恵や経験、受け継ぐのは不可能

 バフェット氏は今年で85歳になります。後継者問題が市場の関心事になっています。幹部2人が候補に挙がっていますが、「バフェット氏の頭に蓄積された知恵や経験を誰かが受け継ぐのは不可能だ」(アナリスト)との指摘も。

 多くの「バフェット本」を記したロバート・P・マイルズ氏は「巨大な優良企業を次々と買収しない限り、劇的な成果は求めにくい」と話します。バフェット後は企業として「円熟期」に入るという見方もあります。

ただ、バフェット氏は今年で85歳になる。3年前には前立腺がんを公表し、後継者問題が市場の関心事になっている。幹部2人が候補に挙がるが、「バフェット氏の頭に蓄積された知恵や経験を誰かが受け継ぐのは不可能だ」(アナリスト)との指摘がある。
 バークシャーは過去50年近くで、年率平均で約20%という運用成績をあげた。多くの「バフェット本」を記したロバート・P・マイルズ氏は「巨大な優良企業を次々と買収しない限り、劇的な成果は求めにくい」と話す。バフェット後は企業として「円熟期」に入るという見方も多い。
「投資の神様」かく語りき 株主総会7時間、人生も講義:朝日新聞デジタル

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