IT・科学
ツイッターよりスゴイ? スナップチャットに米メディアも急接近
今、米国の若者に人気のチャットアプリ「Snapchat」がニュースコンテンツ配信に乗り出し、注目を集めています。
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今、米国の若者に人気のチャットアプリ「Snapchat」がニュースコンテンツ配信に乗り出し、注目を集めています。
米国の若者に人気のチャットアプリ「Snapchat(スナップチャット)」。LINEに似た、友人同士で気軽に画像などを送り合えるアプリですが、CNNやNationalGeographicなどを巻き込み、ニュースコンテンツを配信する新サービス「discover(ディスカバー)」を始めました。
米国に限らず、メディアが若者にいかにニュースを読んでもらうかに知恵を絞る中、discoverは救世主になり得るのでしょうか?
6月に米ワシントンであった世界ニュースメディア大会で、discoverなどメディア部門を統括するニック・ベル氏が現状を報告しました。
そもそもSnapchatって何?2011年に始まったサービスで、最大のウリは送った画像が数秒で相手のスマホ端末のアプリから見られなくなることです。この「残らない」というシンプルな仕組みや手軽さがウケて、現在のユーザー数は1億人以上とも言われています。
しかも、Snapchatを使っているのはミレニアルと呼ばれる米国の若者世代が圧倒的。
米コムスコアの調査では、ユーザーのうちで18歳~24歳が45%を占め、次いで多いのが25歳~34歳の26%。18~34歳のユーザーが7割を占め、facebookの4割弱と比べると若者の比率が高いことがわかります。
まずスマホでSnapchatのアプリをダウンロード。アプリを立ち上げ、左に2回スワイプすると、discoverのトップページにたどり着けます。
トップページには、Snapchat自身も含め、ナショジオなどの他にもVICEやFUSIONなど「厳選した」(ベル氏)という12メディアのロゴが並び、各メディアのロゴをタップするとコンテンツが閲覧できます。
各メディアとも1日数本の記事を配信。24時間ごとにすべての記事が全量入れ替わります。ベル氏によると、平均的なユーザーは2、3メディアを見ていて、半数がほぼ毎日訪れるそうです。人気上位のメディアは平均で1日8分ほど見られており、ベル氏は「かなり長い時間見てもらえている」と自賛します。
discoverの最大の特徴は、スマホの縦画面に最適化されたコンテンツの見せ方です。
ビル氏が「新聞の1面や雑誌の表紙のようなデザイン」と説明する各コンテンツの表紙。縦画面に最適化した写真や動画、音などを組み合わせたリッチな作りです。ユーザーは下にスクロールすれば、そのコンテンツを読めます。別のコンテンツを読みたければ、左にスワイプするだけ。こうした操作性のシンプルさもウリです。
今日、メディアが配信するニュース動画は横16:縦9の横動画が主流です。しかし、discoverの一部のコンテンツは横9:縦16の縦動画を採用、スマホを横に傾けずに動画をフルスクリーンで楽しめます。確かにいったん縦型動画を見ると、従来の横動画を視聴する際、スマホを横に傾けるという過程が少し不便に思えてきます。ベル氏は「縦型動画の方がユーザーからの評価が9倍高い」と語ります。
ビル氏の報告に合わせて、discoverへのコンテンツ配信元の一つであるデイリー・メール北米のジョン・スタインバーグCEOも登場。スタインバーグ氏は「配信する理由は、snapchatが成功しているからだ。twitterよりも伸びている」「配信は若者に対して大きな成功だ。snapchatを使わないのはクレイジーだ」などと絶賛。
discoverでは、Snapchatとコンテンツ配信元が広告収益を分配するビジネスモデルだとされていますが、スタインバーグ氏は「収益化出来ている」と話します。
気になるのは今後の展開です。discoverの画面を見る限り、新たなメディアを追加する場合、1画面に収めると窮屈そう……。「選んだメディアとの関係を大切にしている」というベル氏の言葉からは、即座に配信元のメディアを増やすことには否定的な印象を受けました。
ただベル氏は取材に対し、「早急な他言語への展開は考えています。もちろん日本語にも興味があります」と説明。日本のユーザー数については「数字は公表していませんが、私たちにとって伸びている市場の一つです」としています。
本当にdiscoverの日本上陸はあるのか?今後の展開に注目です。