話題
「けんせつ美人うちわ」ジョークに込めた、被災地へのエール
建設現場で働く人に美女が語りかけれる「けんせつ美人うちわ」。一見、ジョークに見えるこの取り組み。人不足に悩む、被災地への思いがありました。
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建設現場で働く人に美女が語りかけれる「けんせつ美人うちわ」。一見、ジョークに見えるこの取り組み。人不足に悩む、被災地への思いがありました。
建設現場で働く人に美女が語りかけてくれる「けんせつ美人うちわ」が、東日本大震災の被災地の工事現場で配られています。「熱中症なんて大っ嫌い」「もしかして作業着のほうが好きかなあ…」など、意味深なせりふが目を引きます。一見、ジョークに見えるこの取り組み。深刻な人不足に悩む、被災地への思いが込められていました。
「けんせつ美人うちわ」は、土木・建設関連の技術者の人材派遣を手がける会社「チームINQ(インキュ)」が制作しました。6月3日から被災地の工事現場で現場作業に汗を流す人に無料で配られています。
土木・建設関連の現場は、他の業種に比べて「3K(きつい・きたない・危険)」というイメージが強いと言われています。同社では、いま働いている人、これから働きたいと思っている人が、気持ちよく現場で仕事ができるよう、イメージアップにつながるアイテムとして「けんせつ美人うちわ」を企画しました。
「けんせつ美人うちわ」は2種類あります。「ドボジョに誘われてクリームソーダ編」では、作業着姿の美女が「暑いですね!クリームソーダでも飲みに行きませんか?」と呼びかけます。裏面では、一転、普段着の美女が「もしかして作業着のほうが好きかなあ…」と気さくな笑顔で話しかけます。
「けんせつ小町は熱中症が大嫌い編」では、心配そうな顔で「熱中症なんて大っ嫌い」と心配してくれます。裏面は「もう眠くないもん」と意味深な表情です。
思わずネタにしたくなる「けんせつ美人うちわ」ですが、企画が生まれた背景には被災地の深刻な現状がありました。復興事業が進む被災地では、常に現場の技術者が不足しています。そこに、2020年の東京五輪開催が決まり、首都圏でも工事の需要が高まりました。そのため、被災地の人手不足に拍車がかかっています。
同社では、建設業界のイメージを少しでもよくすることで、今働いてる人はもちろん、復興の現場に飛び込んでくれる人材が増えることも期待して、企画を練ったそうです。
現在、ネット上では「けんせつ美人うちわに、もっともふさわしい一言」を決める投票企画も実施。参加者から募集した言葉をもとに、最高の「けんせつ美人うちわ」を作るそうです。