お金と仕事
地方は好き、でも住まない 女子2人が、東京から特産品プロデュース
地方の活性化を考えるため、あえて東京に住み、東京で遊んでセンスを磨く。生まれも育ちも東京の女子2人が作った会社があります。
お金と仕事
地方の活性化を考えるため、あえて東京に住み、東京で遊んでセンスを磨く。生まれも育ちも東京の女子2人が作った会社があります。
地方の活性化を考えるため、あえて東京に住み、東京で遊んでセンスを磨く。生まれも育ちも東京の女子2人が作った会社があります。地方の名産品を、都会のキラキラ女子にも響くようにプロデュースする。新しい地方創生のスタイルを切り開いています。
「ハピキラFACTORY」は、正能茉優さん(23)と山本峰華さん(24)が、慶應義塾大学総合政策学部の学生だった2012年に立ち上げました。
元々地域おこしなどには興味がなかったという2人。大学の先生のすすめで長野県小布施町に滞在したことがきっかけで「女の子と地方の遠さ」を実感。「かわいいモノをきっかけに、女子にも地方のファンになってもらいたい」という思いから、会社を作りました。
最初に手がけたのは、栗の菓子「栗鹿ノ子」という小布施町の名産品です。地方の年配者向けにデザインされていたパッケージを、思い切ってハート形に変更しました。
「女の子は、クリスマスやバレンタインなど、モノを買うきっかけが大事」と正能さん。2013年のバレンタインデーに「かのこっくり」として渋谷のパルコで販売しました。
在庫管理などのノウハウがないまま手探りで始めた店頭販売でしたが、友人の手助けもあり2000個を完売しました。
その後も、縁結びで有名な小布施町の浄光寺の絵馬が「これじゃ恋愛っぽくない」とハート型にしたり。茨城県常陸太田市の「かぼちゃ焼酎」を「Sake de pumpkin(サケ ド パンプキン)」という名前でパッケージなどをデザインしたり。次々と、新しい製品を生み出していきます。
地方を愛する2人ですが「地方に住むことはない」と断言します。
「東京の会社で働いて、東京で遊び、都会のセンスを持ちながら地方に関わる。そのことで生まれる製品があると思うんです」と山本さん。
正能さんは「地方の名産品を都会の女子にも届けるため、一生懸命、東京で遊ぶ!」と強調します。
2人の活動を支えるのは、インターネットです。お互い、会社員として働きながら自分たちの会社を運営する二足のわらじ。LINEで思いついたことを、すぐに相手に伝えて、限られた時間でのミーティングを効率的に進めます。
2人は「製品を売りたいと思ったら、専門的な知識がなくても手軽に開けるネットショップ開設サービスもあります。ネットがなければ、自分たちの活動は、とても成り立たない」と話します。
手軽にモノが買えて、売ることもできるようになった時代。大事なのは商品の背景にあるストーリーだと言います。2人は制作中の製品について、逐一、フェイスブックやブログにアップ。そのときの気持ちや意気込みを、率直に語ります。
正能さんは「モノとして可愛くなる可能性は、地方にたくさん眠っている。地方の熱意ある経営者と、都会にいる私たちが一緒にする仕事は、大きな価値を持つんじゃないか。そう思っています」と話しています。
正能さんと山本さんは、5月29日19時から、東京・渋谷の朝日新聞メディアラボ渋谷分室で開かれる無料のトークイベント「移住派?都会派?地方創生対決 ネットショップがもたらす消費の未来」に登壇します。イベントの詳細はこちらから。