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パロディ菓子「えりんぎの丘」を自作 美術教師が伝えたかったこと…

「たけのこの里」などの国民的お菓子のパロディ商品「えりんぎの丘」「えのきの山」などを手作りして話題になっている男性がいます。

heiseiの「えりんぎの丘」
heiseiの「えりんぎの丘」 出典: 橋村政海さん提供

目次

 「きのこの山」「たけのこの里」といえば多くの人が知っている国民的お菓子。そっくりなパッケージで「えりんぎの丘」「えのきの山」といったパロディ商品を手作りして話題になっている男性がいます。本当に発売されているのではないかと毎回話題になるこのパロディ。作っているのは高知の現役美術教師です。そこには、かつて漫画家を志した彼から生徒たちへの熱いエールが込められていました。

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始まりは「えのきの山」


 始まりは2013年2月にブログで発表した「えのきの山」。タマゴボーロに穴をあけ、プリッツをつっこんでチョコをコーティングし、えのきに見立たてました。パッケージも本格的で、本家の明治に対抗して会社名は「昭和」となっています。

 あまりの完成度の高さから「怪しい会社がパクリ商品を発売か」と話題になりました。それもそのはず、作ったのは高知県に住む美術教師の橋村政海さん(54)。大学時代にデザインを専攻した経験をいかし、器用な手先で中身をつくり、パソコンを駆使してパッケージを制作しています。

 えのきに続いて、長さが通常品の5倍ほどある「たけのこの里ロング」や、本物のタケノコをチョコでコーティングした「たけのこの里ジャンボ」、「きのこ」と「たけのこ」を合体させた「たきのこの山里」、毒キノコの「べにてんぐたけの山」、オリジナルの「えりんぎの丘」など続々と新作を発表し、その都度ツイッターなどで話題になっています。

左から「おとなのビスコ」「進撃の超ドライソーセー人」「耳つきランチパック」
左から「おとなのビスコ」「進撃の超ドライソーセー人」「耳つきランチパック」 出典: 橋村政海さん提供

「夢を仕事にしなくても続けていくことはできる」


 中学時代から漫画を描き続け、いずれ漫画家になりたいと思っていた橋村さん。描いた漫画の持ち込みなどもしましたが、大学を卒業するにあたって漫画家として生きていく自信が半分ぐらいしかなく、教職にも興味があったため、教師になる道を選びました。その後も漫画を描き続け、仲間とグループ展を開催したり、子ども向けの漫画教室を開いたり。描きためた作品は自身のホームページやブログで公開してきました。

 漫画以外にもパラパラアニメや童話、粘土細工など幅広いジャンルを公開していますが、特に話題になるのがお菓子のパロディシリーズ。「漫画もお菓子のパロディも『人を楽しませる』という意味では同じなので、自分の中では特に区別はありません」と橋村さんは言います。


 休日や仕事を終えた後の時間を使った制作活動。それが教師として生徒と接するときにフィードバックされているといいます。

 「僕は漫画家をあきらめたわけじゃありません。仕事もしながら漫画も描く。大好きな夢を仕事にしなくても続けていくことはできる。夢を諦めた僕が生徒に『夢を実現させろよ』と言っても説得力はありません。僕はこれからも漫画を描き続けます。だから一緒に夢を目指していこうよ、って伝えたいんです」

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