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ドラマ人気、録画再生率で測ると…マッサンより流星ワゴンが上だった
ドラマの人気を、録画再生率を見ると、順位が逆転する事態に。それでも視聴率が重視される理由とは?
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ドラマの人気を、録画再生率を見ると、順位が逆転する事態に。それでも視聴率が重視される理由とは?
テレビドラマで、時にその内容以上に注目されるのが視聴率です。3月まで続いた主な冬季ドラマの最終回。視聴率1位は「マッサン」でした。ところが、一般には公開されていない録画再生率で比べると、視聴率が「マッサン」の半分以下だったドラマが上位を占める結果に。テレビの楽しみ方が多様化する中、それでも視聴率が重視される理由とは?
視聴率は、正式名称を世帯視聴率といい、放送中にその番組を見た割合を示す指標としてビデオリサーチが調査しています。本格的な調査が始まった1960年代以降、番組の人気を示す「文化指標」として受け入れられてきました。
しかし、何十時間も録画できるハードディスクレコーダーの登場や、スマホで見られる番組、放送直後にネット配信する取り組みなどが広がり、その役割は曲がり角を迎えていると言われています。視聴率は低くても、「家政婦のミタ」や「半沢直樹」のように、ソーシャルメディア上で話題になるドラマも生まれています。
新たな指標として注目されているのが、録画再生率(タイムシフト視聴率)です。2015年3月まで放送されていた冬季ドラマの最終回を、一般には公表されていない録画再生率で比べると、視聴率とは違った順位になりました。
視聴率23.2%だった「マッサン」の録画は6.1%でした。一方で、視聴率11.3%だった「ウロボロス」は録画では9.1%、視聴率11.2%だった「流星ワゴン」が録画では8.0%になり、ともに「マッサン」を上回ったのです。
もし録画再生率を視聴率に加算できれば、テレビ局はCM料金の値上げを狙えます。しかし、そのためには「CMがどれだけスキップされずに見られたか」というデータの開示が不可欠です。民放関係者は朝日新聞の取材に「スポンサーは『ではリアルタイムのCMは実際どれだけ見られているのか』と言い出し、値上げを渋るだろう。ヤブ蛇になるのが怖いから、各局とも録画再生率に慎重にならざるを得ない」と明かしています。
民放各局では、従来の視聴率を支持する声が根強いのが現状です。一方、NHKは、録画再生やネットも含め、視聴者の番組への接触の全貌(ぜんぼう)を把握するための評価手法「トータルリーチ」の開発を掲げています。