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女性の政治参加、世界一の「ルワンダ」 議員数も逆転 日本は…
国会に占める女性議員の割合が一番高かったのは、アフリカの小国、ルワンダでした。一方、日本は国際的にも最底辺の位置に。いったい何が違うのでしょうか?
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国会に占める女性議員の割合が一番高かったのは、アフリカの小国、ルワンダでした。一方、日本は国際的にも最底辺の位置に。いったい何が違うのでしょうか?
国会に占める女性議員の割合を調べた報告書で、女性議員の割合が一番高かったのは、アフリカの小国、ルワンダでした。一方、女性の政治参加が遅れていると指摘される日本は、国際的にも最底辺の位置に。いったい何が違うのでしょうか?
国際的な議員交流団体「列国議会同盟」(IPU、本部・ジュネーブ)は3月、現在と20年前の1995年時点での各国の国会に占める女性議員の割合を比較した報告書を発表しました。対象国は両年のデータがある174カ国。2院制の国については下院の割合で、日本は衆議院が適用されています。
まず1995年1月1日時点の対象国の女性議員の割合を平均すると、11.3%。女性議員の割合が最も高かったのは、スウェーデン(40.4%)。2位はノルウェー(39.4%)でした。以下、フィンランド、デンマークなど女性の社会進出が進んでいるというイメージが強い北欧の国が続きます。北欧を含む欧州の国が、TOP10中8カ国を占めました。
1995年時点の各国の女性議員の割合を示した下記の地図でも、欧州を中心に緑色が濃くなっているのがわかります。
続いて2015年1月1日時点ですが、女性議員の割合の平均は22.1%。20年前から11ポイント上昇しました。単純計算で、女性議員の数が2倍になった計算です。
女性議員の割合が最も高かった国は、アフリカの小国ルワンダでした。しかも比率は63.8%。女性議員3人に、男性議員2人という割合です。95年時点の4.3%から大幅に上昇しています。
次いで、南米ボリビア(53.1%)、欧州のアンドラ(50%)と続きます。
1995年時点ではTOP10は欧州が大半でしたが、2015年はアフリカ4カ国、欧州3カ国、中南米3カ国と地域にバラツキが出ています。
15年時点の割合を示した下記の地図でも、緑色が濃い国が散らばっているのが読み取れます。
一方で、女性議員が1割にも満たない国は、95年時点では109カ国ありましたが、2015年は38カ国と3分の1近くまで減少しました。
ただ日本はこの38カ国に含まれているのが現状です。
衆院の女性議員比率は9.5%で、アフリカのボツワナ、マリと並んで世界142位タイでした。
95年時点の2.7%からは上昇していますが、順位でみると、148位から少し上がっただけなので、ほぼ横ばいといえるでしょう。世界全体からみると、日本は女性の政治参加が進んでいるとはいえないのが現状です。
ルワンダをはじめ女性議員の割合が大幅に上昇した国では、何があったのでしょうか。一つの要因は制度にありそうです。IPUの報告書によると、女性議員が4割以上の国は13カ国あります。うち9カ国は議員や候補者の一定数を女性にするよう定めるクオータ制を導入しています。ルワンダでは、議員の少なくとも30%は女性にするよう憲法で定められています。
クオータ制については、日本でも最近、注目が高まっています。今年2月には、女性国会議員を増やすことを目指し、超党派の「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」が発足。候補者の一定割合を女性にするクオータ制の導入も目標に掲げています。
3日に告示された統一地方選の41道府県議選。朝日新聞の集計では、女性候補の割合は過去最高になりました。とはいうものの、割合は11.6%(2011年比1.5ポイント増)にとどまります。今回の統一選で、候補者や政党が女性の政治参加について、どのような政策や考えを訴えるのかも、投票の判断材料になりそうです。