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ブラックバイト、過酷な実態「20時間以上労働」が28% 学生調査
ブラックバイト調査で、週20時間以上が28%いることがわかりました。学業との両立に苦しむ若者の姿が見えてきます。
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ブラックバイト調査で、週20時間以上が28%いることがわかりました。学業との両立に苦しむ若者の姿が見えてきます。
週20時間以上が28%。大学生のアルバイトを調べた結果、そんな実態が明らかになりました。学生を不当に働かせるブラックバイトが問題する中、学業との両立に苦しむ若者の姿が見えてきます。
「ブラックバイト調査」を実施したのは、支援者や研究者らが作る任意団体「ブラック企業対策プロジェクト」です。昨年夏にアンケートを行い、アルバイト経験のある全国の大学生2524人からの回答を分析しました。
調査の速報値は雑誌「POSSE」25号に掲載されています。記事によると、週あたりの労働時間で最も多かったのは「15時間以上、20時間未満」の27.7%でした。20時間以上と回答した学生も28.2%いました。業種では居酒屋の約17.7時間、ファストフード・コーヒー店の約16.7時間などが、長時間の労働が目立っていました。
シフトの変更、希望しないシフトを要求されることが多い業種としては、「居酒屋」「ファストフード店・コーヒー店」が上位に来ました。学業への影響では、アルバイトの時間が増えるほど影響が大きくなり、特に週あたり20時間以上を超えると「学業に力を入れられない」「おろそかになる」と答える人が増えました。
「POSSE」編集部によると、特集号で読者の注目を集めたのが、コンビニ店舗オーナーとしてアルバイトを使う立場にいた人物へのインタビューです。記事では、店舗経営の契約打ち切りにおびえ、アルバイトを使う側も弱い立場に置かれている実情が語られています。元オーナーは「被害者が被害者を生む構造になっている」と証言しています。
インタビューは、普段、POSSEに関心がなさそうなサラリーマン層からの反応が大きかったそうです。
ブラックバイト問題は、労働環境の悪化を反映していると言われています。弁護士などでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」が昨年7月、全国の大学生約4700人を対象に調べた際には、大手雑貨ショップでは正社員がおらず、商品の在庫や金庫の管理までアルバイトにさせていた事例が確認されました。調査では残業代が支払われないといった不当な扱いを経験した学生は、全体の約67%にのぼりました。
悪質なブラックバイトに対抗するため、各地の大学生たちが労働組合を結成する動きも出ています。2月には、京都大、大阪市立大、同志社大、関西大などの学生約15人が「関西学生アルバイトユニオン」を立ち上げ、学生からの相談に対応しています。
「ブラック企業対策プロジェクト」では、ネットで「ブラックバイトへの対処法」という冊子を無料で公開しています。冊子には契約書のチェック項目など、ブラックバイトの被害に遭わないための情報が掲載されています。