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「ネットこじきは犯罪」 容疑で無職男が書類送検 募金や大道芸は?

「ネットこじき」の容疑で無職の男が書類送検されました。初の立件と見られます。

募金や托鉢は、物乞いと何が違うのか?
募金や托鉢は、物乞いと何が違うのか? 出典: 朝日新聞

 インターネットの動画中継サイトに自ら出演し、見た人にお金を乞う「こじき(物乞い)行為」をしたとして、高松市の無職の男(23)が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されました。「ネットこじき」の立件は初めてとみられます。路上では募金活動やお坊さんの托鉢(たくはつ)など、同じように通行人からお金を集めていますが、何が違うのでしょうか。どこから犯罪になるのでしょうか?

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物乞いを動画サイトで中継

 24日に書類送検した香川県警の高松南署によると、男は今年1月6日夕方、高松市内で通行人に「お年玉をこのカップに入れてください」と訴えていた疑いがあります。

 さらに男はその様子をパソコンからネットの動画サイトで中継し、視聴者にもお金の提供を呼びかけていたとみられます。

 県警は、男が生中継で実名を語っていた点に着目。見ている人が本人を特定してメールを送ったり、送金の相談をしたりできる状態になっていたため、ネット上の「物乞い」が成立していたと判断しています。男は容疑を認めた上で、「金がほしかった」と話しているといいます。

 県警は「本人は過去にも同じ行為を繰り返していた」としており、動画サイトの違法な使い方に警鐘を鳴らす意味もあったようです。ちなみに、男は1円も集められなかったそうです。

出典: 朝日新聞

物乞いは軽犯罪法違反

 軽犯罪法1条では、「こじきをし、又(また)はこじきをさせた者」を「拘留又は科料に処すことができる」と定め、こじき行為を禁じています。では、募金や托鉢などには違法性はないのでしょうか?

出典: 朝日新聞

働かずにお金集める風潮防ぐ

 軽犯罪法に詳しい渡邊洋祐弁護士(福岡県弁護士会)によると、こじき行為を禁止している目的は、働かずにお金を集める風潮が広まるのを防ぐためだといいます。
 憲法には、国民の「勤労の義務」が定められています。

 自分の生活資金や遊興に使うためにお金を集める行為は物乞いとみなされ、違法になります。

出典: 朝日新聞

 一方、寄付を求める募金活動は、災害被災者の生活支援などの使途目的を明らかにしたうえで、彼らに渡すためにお金を募っているので、「自分の生活のために働く義務を放棄しているとは言えない」(渡邊弁護士)とのことです。

「投げ銭」は対価

 托鉢は、「憲法が保障する信教の自由の範囲で、修行の一環として行っている」のが、物乞いとは違うといいます。

 また、不特定多数の人から施しを受けて生活の糧にしているとはいえ、施した人が受けるメリットも考慮されるといいます。「自分も救われたい」という宗教的な思いや、「いいことをした」などの気持ちを満たせるのであれば、「お互いの利害が一致しているとも言える」とのことです。

 ちなみに、大道芸や楽器演奏などのパフォーマンスを路上や公園で披露し、見物客から「投げ銭」を集める行為は、パフォーマンスの対価とみなせるため、適法だそうです。

出典: 朝日新聞

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