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コーヒーの波、いくつある? 「サードウェーブ」ブルーボトル進出

東京・清澄白河に「サードウェーブコーヒー」と呼ばれるブルーボトルコーヒーが進出しました。第1、第2はどんな波だったのか?そして、第4の波はあるんでしょうか?

2月6日に開店した「ブルーボトルコーヒー」。店内に入りきれない人たちが外で列を作っていた
2月6日に開店した「ブルーボトルコーヒー」。店内に入りきれない人たちが外で列を作っていた 出典: 朝日新聞

目次

 東京・清澄白河にサンフランシスコ発祥のコーヒー店、ブルーボトルコーヒーが進出しました。「サードウェーブコーヒー」という流れの代表格と言われおり、地元の住民に手拭いや、招待券を配るなど地域に密着した姿勢が評判になっています。第3の波の特徴とは何なのか? 「サード」ということは、第1、第2とはどんな波だったのでしょうか?

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【動画】下町の喫茶店に行列100人・・・何が魅力?「サードウェーブコーヒー」のブルーボトル 出典: コーヒーに第3の波…米西海岸の有名カフェ、日本に進出:朝日新聞デジタル

開店初日、100人以上が行列

 2月6日、ブルーボトルコーヒーのオープンには100人以上が行列を作りました。シンプルな店の雰囲気、アメリカでは珍しいペーパードリップを使うなど、豆の品質や抽出方法へのこだわりが人気を呼び、アメリカで16店舗を展開しています。日本は初の海外進出です。3月には青山、その後、代官山にも出店する予定です。

東京・清澄白河に開店した「ブルーボトルコーヒー」の店内
東京・清澄白河に開店した「ブルーボトルコーヒー」の店内
米西海岸で生まれた「サードウェーブ(第3の波)コーヒー」の代表格とされる「ブルーボトルコーヒー」の日本1号店が6日、東京・清澄白河でオープンし、午前8時の開店前から100人以上が列をつくった。
コーヒーに第3の波…米西海岸の有名カフェ、日本に進出:朝日新聞デジタル

「第1の波」は19世紀、一般家庭に普及

 ブルーボトルコーヒーは「サードウェーブコーヒー(第3の波)」の代表格と言われています。それではコーヒーの「第1の波」はいつ起きたのでしょうか?
 アメリカのコーヒー評論家、ケビン・シノットさんによると、「第1の波」は、19世紀ごろに起きました。コーヒーの大量生産が始まり、浅煎りのコーヒーが広まった時代です。コーヒーが一般家庭に普及した時期だといえます。

コーヒー豆などの運搬に使われている麻袋
コーヒー豆などの運搬に使われている麻袋
シノットさんによれば、まず「第1の波」は19世紀ごろ。コーヒーの大量生産が始まり、浅煎りのコーヒーが一般家庭に広まった時代だ。
(@サンフランシスコ)「第3の波」のコーヒーって?:朝日新聞デジタル

「第2の波」は1960年代、スタバで深煎り定着

 「第2の波」は、1960年代ごろに起きたとされています。チェーンのコーヒー店による、深煎りした豆を使った、エスプレッソやラテなどが特徴的です。代表格がスターバックスです。日本にスターバックスが進出したのは1996年。以来、深煎りのコーヒーの人気が定着しました。

深煎りコーヒーを定着させたスターバックス
深煎りコーヒーを定着させたスターバックス
米国シアトル発のスターバックスが東京・銀座に初出店したのは1996年。ビジネス街や繁華街、大型ショッピングモール、郊外型ドライブスルーへと店を広げ、昨年全国1千店を達成した。
らしくないスタバ(記者推し!):朝日新聞デジタル
「第2の波」は1960年代ごろ。ピーツコーヒーやスターバックスなどによって、チェーンのコーヒー店が広まった。深煎りした豆を使い、エスプレッソやラテなどが特徴的で、特にスターバックスの広がりにより、深煎りのコーヒーは以来、根強い人気を保ってきた。
(@サンフランシスコ)「第3の波」のコーヒーって?:朝日新聞デジタル

「第3の波」は2000年に本格化、産地や抽出こだわる

 「第3の波」は、1970年ごろ始まったとされていますが、本格的に広がったのは2000年以降とも言われています。豆の産地をまぜず(ブレンドせず)、1カ所の国やコーヒー農園に限定した「シングルオリジン」が特徴です。大量生産せず、焙煎後なるべく早く売る新鮮さを売りにしています。

 「サードウェーブコーヒー」はアメリカの西海岸で生まれたと言われています。西海岸で生まれた理由の一つとしてシリコンバレーなどIT企業の存在があります。起業家や投資家が会う場所にコーヒー店が選ばれることが多く、店でパソコンを広げて作業をする人も少なくありません。生活の中にコーヒー店が溶け込んでおり、そんな土地柄が、こだわりのコーヒーを求める「サードウェーブコーヒー」を生み出しました。

2月6日に開店した「ブルーボトルコーヒー」の店内
2月6日に開店した「ブルーボトルコーヒー」の店内
そして、いよいよ「第3の波」は1970年ごろから始まったと言われる。豆の産地をまぜず(ブレンドせず)、1カ所の国やコーヒー農園に限定した「シングルオリジン」に特徴がある。ワイン好きが畑にこだわるように、コーヒー豆も土地や農家にまでこだわって選ぶというわけだ。もう一つの特徴は、大量生産せず、焙煎後なるべく早く売る新鮮さ、浅煎りで酸味を減らすこと。そして、「ナッツ、シナモン、チョコレート、ブルーベリー、クリーミー」などと香りを表現するところもサードウエーブの特徴だ。大量生産しないため、淹れ方や道具にもこだわる。
(@サンフランシスコ)「第3の波」のコーヒーって?:朝日新聞デジタル
サンフランシスコでは起業家や投資家が会う場所にコーヒー店を選ぶことも多く、多くの店でWIFIが使えるようになっている。店でパソコンを広げて仕事をするのも日常の光景。また、自宅や仕事場で黙々とパソコンに向かう人が増え、一息入れたり、同僚と話したりするときに、コーヒーを飲みながら集まる習慣も生まれた。サンフランシスコの新興企業の中には社内にコーヒー店を入れた会社もある。さらには、仕事場でおいしいコーヒーを飲みたいという起業家などが直接コーヒー店に出資したケースもある。
(@サンフランシスコ)「第3の波」のコーヒーって?:朝日新聞デジタル

キッサテンの影響

 コーヒー器具にもこだわる「サードウェーブコーヒー」には、日本の喫茶店文化の影響も見られます。ブルーボトルコーヒー創業者のジェームス・フリーマンさんは「東京に店を出すのが夢だった」と話しています。開店前日の5日には、1968年開店の老舗「カフェ・バッハ」(東京都台東区)をスタッフらと訪れ、「豆の個性に合わせた細かい焙煎(ばいせん)だ」と称賛。「創業時、『キッサテン』のコーヒーへのこだわりから多くを学んだ」と述べています。

1968年開店の老舗「カフェ・バッハ」
1968年開店の老舗「カフェ・バッハ」
フリーマンさんは開店前日の5日、1968年開店の老舗「カフェ・バッハ」(東京都台東区)をスタッフらと訪れ、「豆の個性に合わせた細かい焙煎(ばいせん)だ」と称賛した。「創業時、『キッサテン』のコーヒーへのこだわりから多くを学んだ」
コーヒーに第3の波…米西海岸の有名カフェ、日本に進出:朝日新聞デジタル

「第4の波」、原産地と直接つながる?

 日本1号店を、あえて下町の清澄白河にしたブルーボトルコーヒー。地元の住民に、オリジナル手拭いや、招待券を配り、オープン前のレセプションに招待するなど、地域とのつながりを大事にしています。地元でガラス店を営む椎名隆行さんは「まさかこの町にこんなお店ができるとは。本当においしいコーヒーにこだわっているブルーボトルさんが毎日飲める距離にできるのは本当に楽しみです」と話しています。「サードウェーブコーヒー」は、「街の喫茶店」という、日本になじみのあるスタイルの進化形なのかもしれません。

 さて、「第4の波」はあるのでしょうか? コーヒー評論家のシノットさんは、コーヒー農家と消費者が直接つながるのが次の段階ではないかと見ています。「農家が野菜を直送するように、消費者はどこでだれが育てたコーヒー豆かを調べ、その物語とともに味わうような日がくるのではないか」

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