連載
#265 #小山コータローの4コマ劇場
絶対〝食感〟ってなんですか…絶対音感との合わせ技、拍手の結果は
「どこで聞いたのよ!」

絶対に他の人には負けたくないもの…そうですね、やはり「猫との対話力(猫ミニュケーション)」は負けたくありませんし、負ける気もありませんし。
僕は黒猫の兄妹を飼っているのですが、毎朝の挨拶から、定期的な声かけから相談に乗ったり、ちょっとした口げんかもしています。
朝起きると大体部屋の扉の前でどちらかが出待ちしているので「おはよう」と挨拶をし、2匹いるときは「おはよう猫たち」と挨拶を交わします。
僕を見上げて一緒に歩き出すので「おう、一緒にいこか」というと「ニャーン(そうしよう)」と合意をもらえます。朝ご飯をあげるために一旦お皿を洗っていると兄のほうは足元でソワソワとしているので「慌てるな。落ち着くんだ」となだめれば「ニャーン(たしかに)」と落ち着きを取り戻してくれます。
そのとき妹の方は食事にあまり執着がないので机の上に鎮座しているので「ご飯たべようぜ」と声をかけると目を細めて「ニャーン(ウケるww)」と付き合ってくれます。
ご飯を食べ終えた二匹は思い思いに顔を洗ったりしているので、僕もその間に洗顔しに行くのです。洗顔をして洗面所から出てくると「ニャーン!!!(握手してください)」「ニャーン!(サインください)」とかなり熱烈な出待ちをしているのです。
なぜかというとうちの猫はなぜか洗顔後の僕の顔をベロベロなめるのが好きで「今日もなめるのか。仕方がないな」とゆっくり目をつぶりながら顔を差し出すと一心不乱に二匹でなめ出します。
「ニャムニャム(おいしい)」
「ニャアンムニャ(コクが違う)」
とひとしきりなめると兄は大体立ち去りますが、そこから妹がとてもよくしゃべります。
「ニャンニャンニャン…(最近抱っこのクオリティが下がっているのでは)」
「ァナン…(手軽に遊べる紐などはないのか)」
と相談があると僕も
「ウウンン・・・ニャンニャン・・・(諸々、申し訳ない)」
「ニャアン・・ゴロニャン・・・(そろそろ仕事に行きます)」
と宿題を抱えたまま仕事に向かいます。こうやって日々の猫との対話を欠かさないことで野良猫にも「なにしてんのこんなところで」など一方的な軽めの会話から、見返りにノミをいただいたりしています。
ちなみに猫が悪さをすると「ちょっとかわいいからって調子にのるな」と怒ったりします。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やXで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍『デリシャス・サンド・ウィッチーズ』(扶桑社)発売中。Xアカウントは@MG_kotaro。
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