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2014年11月14日

「就活狂想曲」芸大生がアニメ化 リアル過ぎる描写、再生120万回

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「就活狂想曲」の一場面。日本の就活をリアルに描き出し、世界から称賛と驚愕の声を集めた

「就活狂想曲」の一場面。日本の就活をリアルに描き出し、世界から称賛と驚愕の声を集めた


就職活動中に感じる戸惑いや違和感、そして恐怖。

そうした日本独特の就活をアニメーション化した女性がいます。アートディレクターとして働いている吉田まほさん(28)です。

東京芸大大学院の修了制作「就活狂想曲」は、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭や、日本の文化庁メディア芸術祭などで入選。世界中から高い評価を得ています。

吉田さん自身の就活を振り返りながら、作品の魅力や込められた思いについて聞きました。

これが日本の就活

「就活狂想曲」の一場面

「就活狂想曲」の一場面

まずは下のリンク先から「就活狂想曲」をご覧ください。

アニメーション「就活狂想曲」

作者の吉田さんは作品について、こう紹介しています。

ごく普通の大学生として何となく過ごしてきた主人公。ところが近頃友人たちの様子がおかしい。聞けば、彼らは噂の"就活"に躍起になっているらしい。それが一体どのようなものなのか見極められぬまま、主人公もまた「ニッポン式就活」の渦中へと引きずり込まれて行く。

出典:アニメーション「就活狂想曲」

「就活狂想曲」の一場面

「就活狂想曲」の一場面


この記事を書いている記者も10年以上前に就活をしました。

この動画を見て、自分の就活の記憶がよみがえりました。

まさに、この作品で描かれている通り。

友人が突然、就活モードに切り替わることへの戸惑い。

自分を偽るようにして就活モードに入っていく違和感。

周りが次々と内定を得る中、自分だけが取り残されていく怖さ。

そうした心情が、目や指の動きなど細かな表現から伝わってくる作品です。

一番悩んだのはオチ

「就活狂想曲」の一場面

「就活狂想曲」の一場面


吉田さんが制作に取りかかった時期は、ちょうど自身の就活と重なっているそうです。

はじめのうちは、修了制作・就活のどちらも気持ちがフワフワした状態だったといいます。

そんなときに「体験をもとにした方が訴える力も強い。今つくるんだったらテーマは就活しかない」と制作を決めたそうです。

自分の体験や友人から聞いた話などを、過剰な表現を使って盛り込みました。

制作にかかった期間は半年ほど。大変だった点は、動きの密度を上げるためにアニメーションの枚数が多かったことだそうです。

「コンセプトを決めた後、場面をバラバラに考えてから組み立てました。なかなかオチが決まらなかった点も苦労しました」

違和感を捨て去って、周りと同じように就活モードに入った主人公。

最終面接まで進みますが、結局は不採用に。

自宅でほほをたたいて気合いを入れ直すと、前半の場面と同じように、リクルートスーツ姿で改札口へ向かって走り出します。

これがラストシーン。前半と違っているのは顔の表情です。

「バッドエンドにはしたくなかったし、就活の気持ち悪さを描いておきながら合格するのもどうかなと思ったんです。ラストシーンは見る方によって受け止め方が違うようで、つくった側としては面白いなと思っています」


吉田さんが一番お気に入りのシーンは、合格通知を待つ中盤の場面。

画面の中心に携帯電話を据えて、ソファ→テーブル→台所→ベッドと画面が移り変わります。

「気になる対象を中心に置くことで、振り回されている感じが出せました。表現したいことと描写がうまく一致した場面です」

この場面には、吉田さんの経験が反映されているそうです。

「就活狂想曲」の一場面

「就活狂想曲」の一場面

吉田さん自身の就活は

「就活狂想曲」の一場面

「就活狂想曲」の一場面


吉田さんに、自身の就活について聞きました。

Q 何社ぐらい受けましたか?

A 内緒です。

Q 就活で一番に思い出すことは?

A 合同説明会です。みんな同じ格好をして「どこで見られているかわからない」という独特の雰囲気。競争しているのに協調を求められる矛盾や、「気持ち悪いけどやめるわけにはいかない」という当時の心境を思い出します。

Q 他に思い出すことは?

A ほとんど忘れてしまいました。今になって思うと「就活って何だったんだろう」って感じです。

Q 就活生に向けてメッセージをお願いします。

A そんなこと言える立場じゃありません。あえて言うとすれば「縁があるところに収まるので悩まないでください」ということでしょうか。

次の作品は

吉田まほさん

吉田まほさん


学生時代に4本のアニメーション作品をつくった吉田さん。

最近は、会社での映像関係の仕事にかまけて、作品をつくっていないそうです。

「忙しいといっても時間がないわけじゃないんです。会社の人からも『つくった方がいいよ』と言われています。ついつい今の仕事のスキルアップに時間を当ててしまいがちです。自分でおしりをたたかなきゃって思ってます」

芸大時代とは違う、今の吉田さんが反映された新作が楽しみです。



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