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エボラ熱、実は長崎に研究施設の計画 住民からは反対も
猛威をふるうエボラ出血熱ですが、実は長崎に研究施設を設置する計画があります。最も危険度が高い病原体を扱う研究施設だけに、住民からは反対の声も出ています。どうして長崎にそんな話が出たのでしょうか?
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猛威をふるうエボラ出血熱ですが、実は長崎に研究施設を設置する計画があります。最も危険度が高い病原体を扱う研究施設だけに、住民からは反対の声も出ています。どうして長崎にそんな話が出たのでしょうか?
猛威をふるうエボラ出血熱ですが、実は長崎に研究施設を設置する計画があります。最も危険度が高い病原体を扱う研究施設だけに、住民からは反対の声も出ています。どうして長崎にそんな話が出たのでしょうか?
計画にあがっているのは「BSL4施設」。BSL4は「バイオ・セーフティー・レベル4」の意味で、4段階に分かれた危険度のうち、最も危険度の高い「4」の病原体を扱うことを意味します。「4」にはエボラ出血熱、天然痘、ラッサ熱があります。「4」には有効な治療法がなく、致死率が高い病原体が区分されます。
「BSL4施設」の設置計画が持ち上がったのは、長崎大。なぜ長崎大なのでしょうか。
じつは、長崎大は元々、1857年に医学伝習所として開学しました。江戸時代末期にオランダ海軍の軍医ポンペが日本人に医学を教えたことが始まりです。その流れを受け、熱帯の感染症としては国内唯一の施設「熱帯医学研究所」があり、「BSL4施設」の設置計画が生まれました。
日本国内に研究施設が必要な理由は何か。危険な感染症が世界中で広まった場合、その対応はそれぞれの国が自国民を優先してしまう可能性があり、危機管理上の問題が指摘されています。また、国際化が進んだ現代では、日本に侵入する可能性がないとは言い切れません。
危険な病原体を扱うため、地元の住民からは反対の声も出ています。反対を訴える署名活動も行われました。長崎大学側は、市民向けに感染症についての講演会や説明会を開くなど、理解を得るための取り組みを続けています。
2015年度の予算には長崎大が要求した感染症研究拠点づくりのための予算約1500万円が盛り込まれました。BSL4施設関係の予算が文科省の概算要求に盛り込まれるのは初めてのことです。